夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「シークレット・サンシャイン」(DVD)

2009年03月29日 22時39分50秒 | Weblog
 シネは、息子のジュンを連れて密陽に引っ越し中、車が故障しカーサービスを呼ぶ。やってきたのは、真面目そうに見えて女好きなジョンチャンで、密陽についてもシネたちに何かと世話を焼く。
 夫を亡くし、ピアニストになる夢をあきらめても自分のことを゛幸福゛だと言うシネだったが、突然の不幸が襲う。ジュンが誘拐され、無惨にも遺体で発見されたのだ。あまりの悲しみで涙も出ないシネ。ジュンが好きだったかくれんぼをすることも、もうなくなってしまったのだ。一時は平穏な心を取り戻したかに思えたシネに、ある出来事が心を揺れ動かす。
 深い悲しみを乗り越えることはできるのか。心の再生は?そして、シネを見守ってきたジョンチャンの思いはシネに届くのか…。
 カーサービス店の主人・ジョンチャンに韓国の映画スター、ソン・ガンホ。シネには、演技派女優のチョン・ドヨンが扮している。チョン・ドヨンの、メリハリのある演技、陰と陽のある演技は胸を締めつける。
 チョン・ドヨンはこの作品で、カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得した。監督はイ・チャンドン。
(2007・韓国)

「歩いても歩いても」(DVD)

2009年03月29日 10時15分43秒 | Weblog
 絵画修復士の横山良多は、夫と死に別れた子連れのゆかりと結婚。良多は、海の事故で亡くなった兄の法事に家族で、実家に戻ってきた。なごやかに会話し、おだやかに時間が過ぎているように見える、良多の母、良多の姉、ゆかりの3人と家族とは距離を置いているかのような医師だった父。良多は、父とは折り合いが悪く、帰省するのは気が重いと感じていた。そんな中、良多達の1泊2日の帰省の時は過ぎて…。
 原作、脚本、編集、監督は『誰も知らない』の是枝裕和。『誰も知らない』と同じように、特別な演出はせず、登場人物に寄り添う形で撮られている。カメラワークも独特である。また劇中歌として、いしだあゆみの『ブルーライト・ヨコハマ』の歌詞と物語の展開に注目。
 要所要所で出てくる坂道。それは人生を表すよう…。゛歩いても歩いても゛坂道は終わらない、歩き続けるしかない。そして、歩く。 
 阿部寛、夏川結衣、YOU、樹木希林、原田芳雄などが揃い、個性と実力を発揮。秀作となっている。 
(2008・日本、日本語字幕つき)

「映画は映画だ」(韓国映画)

2009年03月18日 17時13分41秒 | Weblog
 ソ・ジソプとカン・ジファンという韓国人気2大スターの共演と言えば、制作費をかけていそうだが、経済不況もあって、低予算で作られたことで知られている作品である。韓国映画界の鬼才キム・ギドク原案・製作の注目作。ソ・ジソプとカン・ジファンは、今作において第29回青龍映画賞新人男優賞を受賞している。
 俳優のスタは、映画映画撮影中のけんかシーンで本気で相手俳優を殴ってしまうほど短気な性格。おかげで、二人も共演者が降板し、相手役をつとめる俳優が見つからない。そこで、スタは偶然出会ったヤクザのガンペに相手役を依頼することに…。俳優になる夢を捨てきれずにいたガンペは、ファイトシーンを実戦ですることを条件に、出演を引き受ける。俳優とヤクザ、出会うはずのなかった二つの人生が交差する。俳優として、ヤクザとして、不器用に生きる二人の行く末とは…。
 激しく感情をぶつけ合う二人。最後には友情が生まれるが、俳優は俳優としての、ヤクザはヤクザとしての結論の出し方があった。
 韓国映画は、展開の派手さに比べて、最後は何がいいたかったの?ということがよくあるが、この作品はラストにも余韻が感じられるし、いいラストになっている。主役二人が泥まみれで殴りあい、どちらがどちらなのかがわからなくなるが、その分、まさに映画を愛する思いも伝わってくる。久しぶりに韓国映画でワクワクする、そんな映画だ。
 監督を務めたのは、これまでギドク監督の作品の助監督を経験してきたチャン・フンである。

 (余談…劇場内は中高年女性がほとんど。開場前と上映前はさながらバーゲン会場のよう。上映後は画面で何かがあるたびに話声がし、まるで家のリビングでDVDを観てしるかのようにおしゃべり。良いように解釈すれば、活気があっていいのだけれど…。映画館に来てお金を使ってくれることは喜ばしいのですが、純粋な映画ファンとしては、ここ数年韓国映画上映館に関しては、これまでとは違う雰囲気なんですよねぇ。周りにエネルギーを吸い取られて、鑑賞後に妙に疲れてしまうのは私だけだろうか…)。

「タチャ イカサマ師」(DVD)

2009年03月16日 09時33分29秒 | Weblog
 韓国の人気コミックの映画化。賭場を舞台にしたアウトローなストーリー。『マラソン』のチョ・スンウが主人公・ゴニを演じたことでも話題となった。
 花札のイカサマ賭博で全財産を失ったゴニは、タチャになるべく、伝説の賭博師、ピョンの下で修行する。ピョンとゴニが地方を回りを終え、ゴニと別れたピときピョンが何者かに殺される。ゴニは、凄腕のタチャでピョンのライバルでもあったアグィが犯人と検討をつけ、アグィに復讐しようと考える。
 賭場のマダムで、イカサマ賭博を仕切るのは、キム・ヘス。映画では、これまでお色気ムンムンな役を演じながら、ベッドシーンやヌードシーンを見せることはほとんどなかったが、この作品ではグラマラスな体を披露している。全体的に妖しい雰囲気で、物語をリードしていく。キム・ヘスは、ドラマの『グッキ』がはまり役だったと言えるが、このマダム役も逆な意味ではまり役で、彼女しかいないと思わせる存在力。チョ・スンウは男前でかっこいい。
 けんかシーンなど結構タイトな場面もあり。韓国では、ゲームとして花札が一般的に根づいているようで、映画などでは博打のとして花札が登場することも多いと言えるかもしれない。
(2006年、韓国) 

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

2009年03月11日 23時07分45秒 | Weblog
 『チーム・バチスタの栄光』から1年。田口と白鳥が帰ってきた。今作では、昨今の医療問題をスリリングに時にはコミカルに描き出す。
 血をみるのが苦手な診療内科医・田口は院内の諸問題を扱う倫理委員会の委員長を任された。しかし、気弱な田口は、倫理委員会で委員長らしい意見を発することはできないでいた。そんなときに、1通の内部告発の文書が田口に届く。内容は『救命救急の速水晃一センター長が医療メーカーの支店長と癒着している。看護師長は共犯だ』というもの。田口は、院長命令もあり、事件に乗り出すことに…。そこに、交通事故で骨折した厚生労働省の役人・白鳥が入院患者として、田口のいる病院に運ばれてきた。白鳥を歓迎しない田口だが、白鳥も田口に届いた同じ内容の内部告発文書を持っているのがわかる。そして、いよいよ、捜査が始まる。速水医師は本当に業者と癒着しているのか?シロなのかクロなのか?他の事件と人間関係が絡みながら、事件が解明されていく。
 主演は、前回と同じ竹内結子と阿部寛の名コンビ(迷コンビ?)がつとめている。この二人のやりとりは、ただ笑っていられる気楽さがある。
 娯楽作品ではあるが、現代の医療体系や制度、病院の利用の仕方などについても「これでいいの?」と思うことであろう。
 出演は他に、堺雅人、羽田美智子、高嶋政伸など。