“ある1日”だけを基点に記憶が蘇る、二人の6年間。
照明スタッフの照生(池松壮亮)と、タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)。
物語は、二人が別れてしまった後から始まり、遡っていく。
愛し合ったり、悲しかったり、けんかをしたり、そんなありきたりな
なんでもないけれど、愛おしい日々をちょっと思い出す。
そう“ちょっと思い出しただけ”。
池松壮亮と伊藤沙莉の王道とも言えるラブストーリー展開。
普段はがっつりというより、ちょっと斜め上たったり、変則的
な恋愛物語が多いと感じつつ、珍しいと思いながら鑑賞した。
そして、ファンタジーな要素を持つキャストに永瀬正敏を配し、
不思議空間に真実性を持たせる。
うまくいかないこと、同じことの繰り返しの日々で、変化がなく
苦しい思いを抱えてしまうこともある。しかし、ちょっとしたこ
とで喜びを感じられたら、、、。
ラストシーンを見逃すな!
いろいろな立場で、事情があってタクシーに乗り込む人たち。
ドライバー目線で見ると、客としてどうあるべきかを考えてしまう
こともあるようだ。共感と反省を。
主題歌は『ナイツオンザプラネット』で、クリーフパイプの尾崎世界観
が書き上げた。
『バイプレイヤーズ』シリーズ、『くれなずめ』の松居大悟が監督を務めた。
ほかに、成田凌や國村隼が出演。成田凌の何者かわからない役柄は本当に
うまいと思う。伊藤沙莉は子役からここまでやっときた!おもしろい
ポジションでいてほしい。