夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『湯を沸かすほどの熱い愛』

2016年11月28日 11時00分16秒 | Weblog

これまで、宮沢りえの演技を評価するとはなかったが、この作品は違う。役柄での呼び名‘お母ちゃん’が、等身大ではまってる。お母さんでもなく、ママなんかでは全くないお母ちゃん。こんな役ができて、そんな役になったんだな、としみじみ思う。

お母ちゃんの夫は一年前、一時間パチンコへ出かけたまま戻らないので、家業の風呂屋は閉鎖そたままだ。娘のアズミは、学校でのいじめに耐えている。

そんなとき、お母ちゃん自身もアルバイト先で意識不明で倒れ、医師からは末期のガンであることを告げられる。

行方不明だった夫が、気の優しすぎた娘が・・・。お母ちゃんの愛が、周りを変えていく。強くなっていかなければ、生きてはいけない、甘えるな。そんなお母ちゃんの心の叫び。

そして、お母ちゃんが抱える秘密も含めて、物語が進む。あらゆる、真実を伝えるため、お母ちゃんは娘を連れて旅に出る。

全体的にお母ちゃんを中心にした内容で、熱い言動であふれているのがベストポイント。最後はタイトルどおりの熱いシーンも。このシーンがラストで、こんなことがラストでいいの??と思うが、お母ちゃんの最後のあり方を周囲は考えたのだと思うと、この作品らしい最後の場面となる。

無償の愛というと、陳腐になってしまうが、その言葉がぴたり。自分のためより人のため、そうすることが自分の居場所とも言えるのだが、全篇終えたころ、ほろりときてしまう。一人で鑑賞しても、誰かに寄り添ってもらって、見守っていてもらえているような感じだ。

宮沢りえの他に、娘を演じているのは朝ドラ「とと姉ちゃん」で妹役を好演した杉咲花。夫にはオダギリ・ジョー。このオダギリも、軽く力が抜けた感じでなかなかいい味。放浪している若者には松坂桃李。

秀作なので、観ておきたい1本

 

  湯を沸かすほどの熱い愛 (2016)

 

 

 


トークショー

2016年11月23日 23時03分00秒 | Weblog

                ちょっとピンボケ

                結婚時1億7千万円の借金があったけど、今も1億7千万円の借金があると笑ってネタ

                ただ、最近返済期限のめどがついたと弁護士から言われた。このまま、かつみさんが事業に

                手を出さなければ、76歳で返済できる。。。と。

                食事の買い物は、「私が行くと顔さすから」と、かつみさんが行くが、「俺も顔さすやろ、

                と思っている」など、楽しく全力で話す二人

                そして、この日の試写会は音楽に関する映画ということで、さゆりちゃんのピアノの生演奏が

                あった。ピアニストを目指していたさゆりちゃんは、ホールで演奏ができるとあって大喜び・・・

                テレビではスタジオだから・・で『天国と地獄』を披露。追加で自作曲も演奏していた。

                この日、あらかじめ司会者からは写真撮影不許可を出されたが、まもなく袖から出てきた

                ふたりは、「なんぼでも撮影してください。僕らはいいですよ。これでいいでしょ」と、

                本人たちから解禁された。

                こういったエピソードを含め、笑いが絶えず、とても好印象だった

 


『マダム・フローレンス 夢見るふたり』(試写会))

2016年11月23日 15時20分21秒 | Weblog

夫婦の日の試写会ということで、おしどり夫婦で有名な、かつみ♥さゆりがゲストで登場。会場を盛り上げた。

 

ニューヨークの社交界のトップにいるマダム・フローレンスは、歌を歌うことか好き。フローレンスは、溢れる愛と財産で夫のシンクレアとともに音楽とともに生きている

ソプラノ歌手になる夢を追い続ける妻を夫は、どんなときも支えてきた。

 

だが、フローレンスはちょっと音を自然にアレンジ…つまり、超絶オンチという欠点があった。しかし、天真爛漫で少女のようなフローレンスは、そのことに気づいていない。

そんな彼女が、カーネギーホールでリサイタルをしたいと言い出し…。

 1944年10月25日カーネギーホールで開催されたフローレンス・フォスター・ジェンキンスの公演。超オンチだったフローレンスの公演に、入りきれないほどの観客が押し寄せたという。

下手なのに心を打たれる不思議な歌声は、観客を引き付けた。

 

ピュアで一生懸命な異色の歌姫を演じたのはメリル・ストリープ。当作品では、純真な歌声を披露し、演じ切っている。悲哀の部分も含めて、さすがの演技。

フローレンスの夫はロマコメならこの人のヒュー・グラントが演じている。監督は『あなたを抱きしめる日まで日まで』のスティーヴン・フリアーズ。

 

笑ってしまうほどおかしいのに、なぜか心を打たれるという真逆なメリハリ。そして何気に勇気をもらえる作品である。

(11月22日試写会、12月1日公開)


『ボクの妻と結婚してください。』

2016年11月15日 09時32分22秒 | Weblog

人気放送作家の三村修治はある日、体調を崩し検査を受けたところ、末期のガンで、余命半年であることを医師から告げられる。

自分がいなくなったあと、愛する妻や息子はどうやって生きていくのか。幸せに生きてほしい。。。

 

その思いから、ある計画を立てる。自分が認めた相手と妻を結婚させること。

しかし、ひとつ問題があった。妻が怒るのではないか、ということ。

 

放送作家だけに、自分の企画・・妻の再婚相手を探す、を完遂しようとする思いがかなり熱い。その思いが、苦しく感じる場面も。

ただ、それぞれの立場で、それぞれが最善を尽くす。自分ではない、誰かを思いやって。

エンドロールの回想が、現在から過去へと遡る。ここが見所。思い出がずっと続くはずだった・・・と、思うとぐっとくる。

役とはいえ、織田裕二の夫ぶりが見られるのも珍しいが、やっぱりこの名を出す。妻役の吉田羊に、最優秀助演賞をあげます。

  ボクの妻と結婚してください。 (2016)


『聖の青春』(試写会)

2016年11月08日 09時30分18秒 | Weblog

29歳の若さで亡くなった棋士、村山聖の生涯をつづった大崎善生のノンフィクションを映画化。20年ぐらい前の時代なので、知っている人も多いはず。

 

幼少期から難病を患う村山聖は、入退院を繰り返す中で、将棋と出合う。15歳で森信雄に師事。

10年後、名人となる夢を持って上京する。同世代で名人のタイトルを獲得した羽生善治に強いライバル心を抱き、没頭する聖だが・・・。

村山聖を演じる松山ケンイチは体重を20キロ増加させ、かなり本人に似せてきた。最後の、羽生善治との対局の場面はかなりそっくりで、登場シーンだけでも息を飲む。

その生き様や夢にかける思いが、心に染み渡っていく。何かを感じながら、ゆっくりと鑑賞したい。将棋を知らなくてもOK。

羽生善治を演じているのは東出昌大。彼もまた、羽生善治にかなり寄せてきた。ほかの出演者も、安田顕、染谷将太、リリー・フランキー、柄本時生など役者揃いなので、とにかくすべての場面が自然でその時代そのものに溶け込んでいる。心に響くなにかは、人の立場によって違うが、その何かを感じてもらえたら。

 羽生戦通算6勝7敗。

1998年8月8日死去。

溢れる才能と、魂で打つ将棋。この人が生きていれば、将棋界の勢力とか何かが変わっていたかもしれない。

病との闘い。蝕んでいく病魔。

せめて、大好きな将棋を存分に打ってほしかった、打たせてあげたかった

 

 

 

(11月19日、公開) 

聖の青春