夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『キングダム 運命の炎』

2023年08月26日 09時00分38秒 | Weblog

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原泰久の人気漫画を映像化した『キングダム』シリーズ。これまで2作とも邦画実写として

大ヒットしてきている。今作はその続編第3弾、“一番泣ける”と話題になっている紫夏のく

だりが物語の冒頭を引っ張る。

天下の大将軍になるという夢を描く少年・信(山崎賢人)と中華統一を目指す若き王・エイ

政(吉沢亮)の活躍を描いた春秋戦国時代の物語。

 

信は100人を率いる将に昇格していた。ある日、北方の隣国・小趙の大軍が秦に侵攻してくる。

信は馬陽の地で戦場に舞い戻ってきた王騎(大沢たかお)を総大将として、趙を迎え撃つ。

なぜまた王騎は戦場へ戻ってきたのか。そして、えん政の過去が明らかになる。

 

当方は原作を全く知らない。ただ、春秋戦国時代に興味があることと、映画としてこの作品を

純粋に楽しみたいということから、第1作から劇場で鑑賞している。

原作の知識がない分、このキャストは誰?と思うこともあるが、誰もが豪華でそれぞれに重要

な役どころなのだろうと思いながら鑑賞している。

この作品の前半はえい政が趙から紫夏(杏)の助けにより、秦に戻る場面がメイン。後半は王

騎の指示により戦闘する信と100人隊の活躍が描かれる。前半は少し長い気もするが、気づい  

たらあっという間に終わっている。下手をすると、ちょっと休憩を入れてあと1時間あるので

はないか?と思う勢い。これで終わり??の消化不良。それぐらい、終了間際にいわゆる大物

俳優が続々と登場する。楊端和を演じる長澤まさみも。終了の映像では何も周知されないが、

これ絶対…ある。

 

出演は他に、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、高嶋政宏、山田裕貴、

片岡愛之助、山本耕史、玉木宏、佐藤浩市など。

 

農民ばかりの信の100人隊の強さと←いい意味で、絆がひしひしと伝わる。ぜひスクリーンで。

★8月28日、シークレットゲストのポスターが解禁となったので、出演者に小栗旬、吉川晃司、

佐久間由衣の名前を追記しておく。

 

 


『リボルバー・リリー』

2023年08月21日 09時13分34秒 | Weblog

リボルバー・リリー   画像1

監督が行定勲。主演が綾瀬はるか。ハードボイルド作家・長浦京の代表作を映画化

したアクションサスペンス。

常々、綾瀬はるかはドラマでは名作揃いで代表作はいくつかある国民的女優だが、

映画での代表作となると何になるのだろうか?と思っている。そして、今作は?

綾瀬はるかはアクションができるのも知れたところ。しかも、この作品は『世界

の中心で、愛をさけぶ』で恋愛作品に定評がある行定勲。さらに、時代背景は大

正で美しい建物や衣服も楽しみ。その興味で鑑賞した。

 

大正末期の1924年。関東大震災から復興し、3年間で57人の殺害に関与した経歴

を持つ小曽根百合は、今は東京・花街の居酒屋で女将をしていた。

だがある日、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・慎太と出会ったことで、百合は慎太

とともに追われるようになる。

共演は長谷川博己、羽村仁成(Go!Go!Kids/ジャニーズJr.)、シシド・カフカ、

古川琴音、清水尋也、ジェシー(SixTONES)、阿部サダヲ、野村萬斎、豊川悦司、

など。誰がどこで、どんな役柄で登場するか注目されたし。また、ラストの謎の男

を見落とさないように。

 

綾瀬はるかの美しさと大正ロマンな背景を楽しめる映画。シシド・カフカのクール

な美しさと鮮やかな動きも、素晴らしいということを記しておきたい。百合を演じ

る綾瀬はるかのを支える姿勢もGOOD!

陸軍と海軍の対立はあるあるだが、それ以外の物語はなく、単純にアクションの凄

さを感じるのみ。そしてこれが、綾瀬はるかの映画としての代表作として挙げた方

がいいかというと、そうはならない。またの機会を待つ。

当方は、『今夜、ロマンス劇場で』が好きだが。

 

 

 


NODA・MAP第26回公演『兎、波を走る』

2023年08月11日 21時29分13秒 | Weblog

主催者の野田秀樹は、フライヤー(チラシ)にこう書いている。

「兎、波を走る」は、知られざるコトワザである。誰も知らないコトワザを諺と読んでいい

のか?という不条理は、おいといて、私がこの芝居を書こうと決めた時、この題名がそれこ

そ向こうから走ってやって来た。

そして、いたたまれない気持ちに、幾度も襲われた。だから、この芝居を観た方々にこの

「兎、波を走る」という響きから、「なんともいたたまれない不条理」を感じとっていただ

ければと切に願う。切に願うとしか申し上げようがない。全力で書いたけれども作家の無力

をこれほど感じることはない。「あーーー」としか言いようがない不条理なお話なのである。

だから、話は不思議の国の「アリス」で始まる。

 

脱兎(高橋一生)を追って不思議の国に行ってしまったアリス(多部未華子)と、娘を探し

続けるアリスの母(松たか子)の物語という主軸と、第一、第二の作家が競作するアリスの

物語が交錯する。

ラスト30分で前半部分と後半部分がつながる。”うつけの国”にいたアリスの母と”地上の楽園”

と言われる国から脱走した兎と、捕らわれていたアリスの物語が重なっていく。

 

劇団・夢の遊民社のころのように、セリフを言いながら転がる。走る。飛ぶ。という演出は

変わらないが、パソコンからの動画やプロジェクションマッピングといった技術も使われて

いる。また、鏡を使って舞台を広く見せ、またそれが、演者たちの後ろ姿が正面を映し出す

効果もある。二人の作家がAIによって動かされ、同じ物語を書いてしまうなど今日的な問題

も取り入れられている。しかも、いいのかな、ここに触れてこの国に触れてという衝撃的展

開が待ち受ける。

ちなみに、「兎、波を走る」という諺の意味は、月影が水面に映っているたとえで、波が白

く輝いて、兎が走っているように見えることから、月影が水面に映るさまをいう。

 

最近、NODA・MAP公演は小難しいばかりでついていけないと感じることがあった。この作

品は久しぶりにワクワク。途中からはドキドキして、鑑賞後、誰かに話したくなった。さす

がの野田秀樹。そして、さすがの松たか子。舞台作品経験の豊富さで二つの国を行き来する。

兎を演じた高橋一生と松たか子はドラマ「カルテット」で共演している。とぼけた演技と絶

妙の間合いで丁々発止やりあっていた仲。その息のあったところもこの作品の見どころ。多

部未華子もかわいらしかった。

出演は他に、秋山菜津子、大倉孝二、大鶴佐助、山崎一、野田秀樹など。

東京公演は既に終了し、大阪公演は8月13日まで。その後、博多公演は8月17ー8月27日ま

でとなっている。

 

 

 


『658㎞、陽子の旅』

2023年08月04日 22時48分54秒 | Weblog

特集

父の反対を押し切り、東京に出てきて20数年。42歳、独身の陽子(菊池凛子)は夢破れ、

引きこもりとなり、孤立した生活をしていた。ある日、従兄の茂(竹原ピストル)がや

ってきて20年断絶していた父(オダギリジョー)が亡くなったとの知らせを受ける。

故郷である弘前へ向かうことに逡巡しながらも、茂家族とともに車で弘前へ向かうこと

にした陽子だが、途中のサービスエリアで子どもに気をとられた茂一家に置き去りにさ

れてしまう。所持金もわずかしかない陽子、しかも携帯は壊れてしまい、茂と連絡がと

れず、ヒッチハイクをすることに。引きこもりだったため、人との距離がわからず、う

まく話すどころか、声さえ出せない。しかし、出棺は明日の正午。何とか北上しようと、

陽子は踏ん張ろうとする。

 

毒舌のシングルマザー(黒沢あすか)、人懐こい女の子(見上愛)、謎のライター(浜

野謙太)、心優しい夫婦(吉澤健、風吹ジュン)などに出会っていく。ときどき、幻の

父が現れ陽子の前に立ちはだかる。だが、一歩ずつ少しずつ、陽子は進んでいく。出棺

時間は迫る。果たして、陽子は実家にたどりつくことができるのか?

 

いろいろ考えさせられるが、わずか2日だけの話で起こることのたくさんを受け止めな

がら進むヒロインをほぼセリフがないにも関わらず物語を成立させられるのは菊地凛子

ぐらいかもしれない。怪しいシーンもある。菊池凛子がこの作品を機にさらに前進して

いく予感。現在までの菊池凛子の集大成と言ってもいい。

人生の岐路。これまでが敗北であったとしても、ずっとそれが続くとも思えない、そう

思わせてくれる作品。風吹ジュンが演じるご婦人が素敵。ああいう年の取り方をしたい。

そして、携帯は今やなくしてしまうと生活が立ちいかなくなるので、連絡帳も併せて持

っておきたい。そしてそして何より!女性のヒッチハイクには必ず危険が付きまとうと

いうことも忘れずにおきたい。

社会とのつながりが切れると、わかっていたことを忘れてしまう可能性があるというこ

と。

東北の今の景色も確認できる。それもまた、目を伏せられない事実である。

 

出演は他に、仁村紗和、篠原篤など。監督は、これまで人間ドラマを丁寧に描いてきた

熊切和嘉。この作品もまた、市井の人々の生活に密接する。