夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

Pre45th Anniversary Seiko Matsuda Concert Tour 2024“lolli pop”

2024年06月30日 21時13分11秒 | Weblog

 毎年恒例の松田聖子のコンサートツアー。今年の大阪公演は6月28ー30日

の3days。当方は最終日の30日に参戦した。シングル曲やアルバム曲、B面だ

った曲と普通に混在して観客がそれをすべてイントロでわかってしまうという

のがこの人のステージ。そして観客だ。

 今年のオープニングはすごくポップなデザインの舞台演出。“ピンクのモーツ

ァルト”からスタートし、“瑠璃色の地球”まで。
 
 そしてアコースティックコーナーへと進む。ここは“風立ちぬ”から始まり、

ラストは、“SWEET MEMORIES”。“風立ちぬ”は夏のコンサートでは歌うこと

が珍しいと本人は語る。「風立ちぬ 今は秋」という歌詞なので、そうでしょ

うね。
 
 次はこのところの定番となっている「リクエストコーナー」となる。ここ

は、ファンが持つプレート(紙?)に書いたリクエスト曲を松田聖子自身が確

認して「あー」「うーん」「ごめんなさい」と言ってパスするものもあるが、ワ

ンフレーズでも思い出すものは歌っていく。わざと難しそうな、昔のアルバム

の曲を狙って書いている人もいると思うが、膨大な曲目を歌ってきたはずの松

田聖子は、驚くほど拾って歌っていくのだ。本当に、その記憶力はすごい。

そして、今年は「一度は松田聖子のコンサートを観客席から観てみたい」とい

う、バンマス・野崎さんのリクエストコーナー。なるほどの、通な3曲をチョ

イスしていた。めったにコンサートで歌わない曲をリクエストしていました!

その後はコーナーは終了し、“潮騒” “赤い靴のバレリーナ” “赤いスイートピ

ー” “時間の国のアリス”で前半、中盤が終わり最後のメドレーコーナーへと向

かうのはいつものとおり。この曲のリレー、なかなか考えているのだ。“赤い

靴のバレリーナ”はアルバムの1曲だが、当方は大好きな曲の一つ。女の子が

恋する繊細な気持ちを描写していて、初期のアルバムの松田聖子の路線を表現

したものだと思う。

そしてそして、ラストを飾るのは全員参加のメドレー

青い珊瑚礁~夏の扉へと続く。

アンコールはお決まりの

“20th Party”  と  “素敵にOnce Again”

来年はデビューから45周年を迎える松田聖子。大阪城ホールができたのは

1983年の約40年前。初めてこのホールの舞台に立ってから、大阪城ホール公

演回数が92回になったとのこと。松田聖子62歳。今年の春、中央大学法学部

(通信教育だが、卒業は難しい)を卒業した。本人は「62歳だからなあ」と言

っていたが、凄いことだ。心から卒業おめでとうございますと、お伝えしたい

と思います。今年はここ数年でかなりおもしろかったと思う。いろいろと言葉

では表せないほどの辛い思いも経験したであろう。だが、今年は純粋に楽しめ

たし、レーザーも光っていたし、画像もキラキラしていた。舞台技術を進化さ

せてきている。

 大阪城ホール公演100回を、とりあえず目標にがんばれ。本人と同じような

ヒラヒラドレス姿が客席にもあふれるコンサートってなかなかないですよーー

(ファンの人は自分の手作り)😉 

 ツアーはこのあと(さいたまスーパーアリーナは終了)、日本武道館、マリ

ンメッセ福岡A館、Aichi Sky ExpoホールAにて行われる。

 セットリストを上げている人がいるので、気になる人はそこで確認を。
 

『映画 おいハンサム!!』

2024年06月29日 20時38分23秒 | Weblog

 深夜ドラマでありながら人気を博していた「おいハンサム!!」の映画化。

原作は伊藤理佐の『おいピータン!!』『おいおいピータン!!』。脚本・監督

は、ドラマシリーズと同じ山口雅俊が務めている。家族と恋とごはんの物語で

会場を笑いと涙の渦に巻き込んでいく。幸せを求める伊藤家のお話し。

トイレにある張り紙『いつもきれいに使っていただいてありがとうございま

す』。この『ありがとうございます』を有効に使いながら、セリフがやりとり

される。

 伊藤源太郎(吉田鋼太郎)は、家族の幸せを願うあまり、ちょっとうっとお

しい。だが、すごく強くて優しい父親である。

長女の由香(木南晴夏)は仕事は絶好だが、恋愛は絶不調。次女の里香(佐久

間由衣)は、浮気をされて離婚をしたのに「好きになってはいけない」原さん

(藤原竜也)をたぶん好きに。

そして、三女・美香(武田玲奈)は、婚約者とうまくいっていない。ある日、

食事中に妻の千鶴(MEGUMI)からショックな言葉を聞いた源太郎は、不適切

な発言を連発してしまう。由香は「男は見た目」という理由で別れたはずの大

森(浜野謙太)をすぐに思い出してしまうぐらい孤独を感じている。里香は

原さんからの逃亡を決め“恋愛疎開”のために京都へ。そこでは、幼馴染のたか

お(宮世琉弥)と再会する。美香は、街で声をかけられたイサオ(野村周平)

やスグル(内藤秀一郎)から猛烈にアプローチされていた。

 今作も食べるシーンや家族リモート会議の集合はあり。このシリーズのいい

ところはこうしたシーンから生まれる父からのハンサムな言葉だ。その言葉を

聞いている女四人の表情が良い。なんて素敵な家族。特に今回は、伊藤家のオ

ムライスが出てくる。オムライスの主役はチキンライスであり、卵ではない。

だから、一つの卵を薄く焼いてチキンライスを包む。卵がとろけ落ちるもので

はない。この普通のオムライスは普通であるがゆえに毎日食べても飽きない。

派手な一日を生きようとする若者たち、明日はどう過ごす?そう、父は投げか

ける。そして娘たちに問う、「お前たちは幸せか?」と。

 ドラマより少しグレードアップなロケ地?だが、このシリーズはどこかクセ

になるおもしろさがある。家の中のシーンも魅力的。映画も裏切らない。エン

ドロールにも一工夫あるので、座席は立たないようにしよう。
 

 藤田朋子、ふせえり、野波麻帆、太田莉菜などのレギュラー陣の他、映画か

らの出演は光宗薫、六角精児、松下由樹、、中尾明慶などが出演している。



 

『渇水』(DVD)

2024年06月28日 21時41分59秒 | Weblog

 『凶悪』『弧狼の血』を手がけた白石和彌監督の初プロデュース作品。河林満

の名編「渇水」を原作に、生田斗真を主演に据えた。心の渇きにもがく水道職

員の男が、ある姉妹と知り合ったことで生きる希望を取り戻す姿を描く。

 市の水道局に勤める岩切俊作(生田斗真)は、後輩の木田拓次(磯村勇斗)

と共に水道料金を滞納する家庭や店舗を回り、料金徴収及び水道停止を行う

「停水執行」の業務に就いていた。猛暑が続く夏、市内に給水制限が発令さ

れ、貧しい家族を訪問して業務執行することは、忌み嫌われる日々だった。妻

子との別居生活も長い俊作は、心の渇きは強まるばかり。そんな時、育児放棄

されていた姉妹に関わることで救いの手を差し伸べる。

 監督は、岩井俊二や宮藤官九郎監督の下で助監督を務めてきた高橋正弥。

「渇水」という言葉の意味が後半にいくほどわかってくる。そこからの“解

放“手段がポイントとなる。生きるためのライフラインで最も重要なのが“水”。

電気やガスは人が作ったものだから支払う。だが、水は自然にできたものだか

ら支払う義務がない。だが、どう主張されようが担当者は滞納するなら停止す

るのが仕事だ。つらい場面にも遭遇する。昔は、水が最後の最後まで停止され

ることはないと言われていたが、今はそんなことはない。水道局そのもののあ

り方も変化した。と、福祉的は手段はそれなりにあるのだが、難しいことがあ

るのも現状だ。そして、この映画の持つ意味が“心の渇き”ということにも掛け

ている視点はおもしろい。

 岩切の妻・和美を演じるのは尾野真千子。姉妹を育児放棄する母・小出有希

は門脇麦、水道料金滞納者の伏見を宮藤官九郎、今西を宮世琉弥が演じる。他

に、池田成志、柴田理恵、田中要次、大鶴義丹など。

『ゆとりですがなにか INTERNATIONAL』(DVD)

2024年06月27日 22時30分25秒 | Weblog

 2016年に、ゆとり世代を描き好評を得ていたドラマ「ゆとりですがなにか」

が7年を経て映像化された。脚本は宮藤官九郎、監督は日本テレビ出身の水田

伸生で当時から変わらず。キャストもすべて当時のままで出演している。


 野心がない、競争心がない、協調性がないなどと言われた〈ゆとり世代〉。

そんな彼らも30代半ばを超え、時代はさらに変化し、人生の岐路にも立たさ

れている。

 倦怠期のただ中にある夫婦仲、家業の酒屋も得意先から契約打ち切

りになりそうで浮かない日々を過ごす坂間正和(岡田将生)。よかれと思い始

めた動画配信もうまくいっていない。いまだに女性経験ゼロの小学校教師の山

路一豊(松坂桃李)。そして、事業に失敗し中国から帰ってきたフリーターの

堂上まりぶ(柳楽優弥)。それぞれが、良かれと思いやってきたことはから回

っていそうだ。そこに、家族や仕事の問題、ライバルに不倫疑惑が彼らの前に

立ちはだかる。
 
 ばかばかしい。だが、社会の本質をやんわりと刺される宮藤官九郎の世界観

が満載である。そして、この映画のゆとり世代が手をやいているのが≪Z世代

≫の人々。あの≪ゆとりモンスター≫と言われて驚異の演技を見せていた仲野

太賀(当時は太賀)が、そのZ世代に泣かされる。うわーーー、出てきたと思

うが少々大人になっていて違和感がなくなっている。岡田将生の妻は安藤サク

ラ。カカア殿下を演じているのに、可愛げのある女性を表現し、この凹凸のあ

る夫婦はこのコンビしか表現できないと言える。岡田将生は一拍はずれたボケ

がおもしろい。レンタルおじさんの吉田鋼太郎も相変わらずの楽しさ←ちょっ

とハンサムなことを言う。

 働き方改革やコンプライアンスと、生きづらくなっているこの時代。それで

も、日常は日常として続いていく。

 それにしても、衝撃の≪ゆとりモンスター≫を演じていた仲野太賀が、今や

人気実力派俳優となり、NHKの大河ドラマの主演に抜擢されるようになったの

が凄い。7年間の活躍が生きた。出演は他に、吉岡里帆、島崎遥香、木南晴

夏、上白石萌歌、吉原光男。でんでん、中田喜子など。


『朽ちないサクラ』

2024年06月22日 21時32分45秒 | Weblog
 

 「孤浪の血」シリーズの人気小説の著者・柚月裕子の同名小説を映画化。監

督は『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利が務めた。

 たび重なるストーカー被害を受けていた平井市在住の女子大生が神社の長男

に殺害された。女子大生からの被害届けを受理せず先延ばしにしていた警察は

担当者の不在一点張りで釈明を繰り返すが、実は慰安旅行へ行っていた。だ

が、そのことが地元にスクープされてしまう。県警の広報職員である森口泉(

杉咲花)は、自分が何気なく話したことを親友の新聞社記者・津村千佳(森田 

想)が記事にしたのではないかと疑うが、千佳は身の潔白を証明するから、そ

の時は誤ってほしいと言い残して別れて行った。だが、千佳は1週間後に変死

体で発見される。泉は後悔の念を抱き、心が突き動かされ捜査をする立場。そ

こで、泉は公安警察にいた上司・富樫(安田顕)と、泉の警察学校の研修で知

り合った公安警察の磯川(萩原利久)の力を借りて自ら動き出す。

 やがて、千佳の殺害にはカルト教団のソノフの関係者が絡んでいることがわ

かり、教団に踏み込むが…。

 『法廷遊戯』『市子』とクセのある役が続いている杉咲花。彼女の明るいはじ

ける役をやらせてあげてーーーとは思いつつ、やっぱりうまい。こういう役が

彼女に回るのがわかる。唇や体が震える演技、目の動きや表情が格段にうま

い。もはや演技とも思えないぐらいリアル。また、杉咲花と言えば“食べる“場

面が話題になるが、この作品でも食事シーンがある。食べることは生きるこ

と、その表現の仕方にも目を向けてほしい。そもそも、箸の持ち方や運び方、

食材の取り方が美しい人である。

 そして、かねてより公安警察についてが題材となりドラマや映画化がなされ

ているが、この話もヒントになるような題材があるならかなり怖い。舞台は愛

知県警とはなっているが、架空の都市で。公安の正義が怖い。“s”や“サクラ”の

意味がこの物語のベース。映画は途中から、あの人の存在がキーポイントだろ

うとは気づくが、萩原利久の役は泉の敵?味方?どっち??の謎を抱いたのは

私だけ??









 


NHK大阪

2024年06月21日 08時32分51秒 | Weblog
         
↑ 稔さん宛ての手紙
カムカムエヴリバディ小道具    ↑ クリアファイル

ある講座に参加するために、大阪歴史博物館へ。早めに着いてしまったので、

NHKへ。9階まで上がると(BK)NHKで撮影した朝ドラのセットの一部や小

道具が展示されている。「カムカムエヴリバディ」関係は、ショーケースの中

に展示されているが、「ブギウギ」のスズ子の実家であるお風呂屋“はな湯”のセ

ットなどがあり、写真撮影ができるようになっている。

大河ドラマ関係は、宣伝としての展示ぐらい。だが、クリアファイルはスタッ

フに希望を出すと、配布してくれる。渋谷の撮影所よりはかなり小ぶりだが、

波の音や歩く音の効果についても体験できる。入場は無料である。

『あんのこと』

2024年06月15日 20時47分08秒 | Weblog

 ドラマ「不適切にもほどがある!」で、昭和の女子高生を演じて注目され、

話題をさらった河合優実の主演作。この作品では売春、窃盗、覚せい剤中

毒、未就学と最下層の生活で育って成長した子どもを演じているが、この

若手女優、末恐ろしい存在である。

 「SRサイタノラッパー」「AI崩壊」の入江悠が監督。2020年6月に新聞

掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描

く、実話を基にした物語。

 暴力や育児放棄の末、シャブ中で売春の常習犯となっている少女・香川

(河合優実)。ホステスの母親と足の不自由な祖母との3人暮し。小4

から不登校で義務教育を受けていないため、学歴がない。

初めて体を売ったのは12歳で、母親の紹介だった。そんな救いのない

が繰り返されて、明るいことなど何もない生活環境の中にいる。社会から

見落とされた立場ので荒んだ生活を送る。

 だがある日、人情味があり、破天荒な刑事・多々羅(佐藤二朗)に補導

されたことがきっかけで、更生の道を少しづつ歩きだす。そこに、多々羅

の知り合いのジャーナリスト桐野(稲垣吾郎)が加わり、新しい仕事や住

居、学校通学の道が開かれる。しかし突然、多々羅の身辺に厳しいことが

起こり、さらにコロナ禍となり、出勤と通学がストップ。杏にできた“居場

所”がなくなってしまう。一度は光がさし、開きけた杏の道が再び閉じら

れようとしていた。

 最下層の生活環境。ザルの穴から落ちてしまう行政サービス→でもこれ、

何も受けられるサービスないの?と思うはず。小学校も出ていないので、

まともな仕事につくのは困難が生じる。この映画は古い時代の話ではない。

昔からある最近の、今の話だ。一石を投じられている気がする。

 河合優実は、シャブ中時代の暗くて張りのない表情としぐさ。仕事をし

ているとき、勉強しているときの喜びの表情と、メリハリのある役柄に挑

んだ。一過性のブームではない、じっくりとこれからも多くの役柄を掴ん

でいく役者になると思う。

 出演は他に、河井青葉、広岡由里子、早見あかりなど。物語としては、

いくつかの出来事が混ぜられているとは思う。だが、どれもがなかった話

ではないということを頭に入れておきたい。巡り合う大人たちによって、

子どもたちの運命が左右されてしまうということも忘れないように。

創立百周年記念「白日会関西展 絵画・彫刻」

2024年06月10日 22時01分41秒 | Weblog
  ←入場券になっていた絵画(前期・後期に掲示)
会長・日本芸術院会員 中山忠彦「青衣立像」

 6月5日(水)→11日(火)まで
【前期】6月5日(水)→8日(土)
【後期】6月9日(日)→11日(水)に分かれて展示が一部変更されていた。

 →前期に掲示されていた作品

 当方は知り合いにチケットを譲り受けての鑑賞となった(もともと無料入場

券)。白日会については全く知識がないが、絵師界隈では有名な団体らしく、

年々レベルがあがっているとのこと。どれも号数(正しい表記かはわからな

い)の大きな絵ばかりで、どこで描いたものなのか、とても大きなアトリエが

あるのか、絵の豪華さと相まってとても驚いた。撮影が自由にできたが当方が

写真に収めたのはほぼ風景となっている。印象派?と思えるものや、リアリズ

ムなものなどさまざまに展示されていた。
 →後期に掲示されていた作品。とてもリアルでまるで写真
          かのよう

 →前期・後期、ともに掲示されていた作品。
 
いただいたチケットは、しかと!利用させていただきました!!

いい勉強になりました😉 


 

『違国日記』

2024年06月09日 21時31分05秒 | Weblog


 両親を交通事故で亡くした15歳の朝(早瀬憩)は、葬式の席で親戚たちに

「これから親戚を盥回し?」などの心無い言葉を投げかけられる。そんな時、

母の妹である槙生(新垣結衣)から「あなたを愛せるかどうかはわからない。

でも、わたしは決してあなたを踏みにじらない」と言い放つ。こうして、槙生

は誰も引き取ろうとしない朝を引き取ることに。ほぼ初対面のおばと姪の共同

生活が始まる。

 槙生は人気作家だが人見知りで、掃除が苦手。導線以外は物で溢れる部屋に

住んでいた。朝は人懐っこくて素直な性格。そんな二人の生活はどこかぎこち

ない。朝にとって、槙生はこれまで会ったことのないタイプの大人だった。対

照的な二人の生活は、戸惑いの連続。だが、少しづつ距離は近づいていた。だ

がある日、槙生が朝に大事なことを隠していたことを知り、衝突してしまう。

 年齢も生きてきた背景も性格も違う二人が、家族とも友人とも言えない不思

議な関係を築いていく…。家族の形はいろいろあっていい。一緒にいたい人と

いればいい。そう思える愛しい物語だ。

 ヤマシタトモコの人気コミックを映像化。監督と脚本は『ジオラマボーイ・

パノラマガール』(20)など繊細な作品を手がけてきた瀬田なつきが務めた。

槙生の親友を演じたのは夏帆。この夏帆が、いやこの夏帆もやっぱりいい。出

番は少ないが、包容力があり、フラットな立場の人物を巧みに演じている。場

面がグッと閉まる。他にも瀬戸康史、染谷将太、銀粉蝶という実力派も出演

している。それぞれに、短い時間の登場だが個性を発揮している。

 新垣結衣は、若いころは表情の動きが薄かったが、最近は表情の動きが豊か

になり表現の幅が増えたと思う。中堅どころの大切な俳優の一人。また、姪役

の早瀬憩はオーディションでこの役を得た。中学生から高校生となる思春期を

ハツラツと演じた。これからの作品を注目していきたい。