2011年の『アンノウン』から始まったリーサム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督のコンビ。今回で4作目となる。
保険の営業マンとして10年、地道に働いてきたマイケルだが、ある日突然、会社からリストラを言い渡される。息子の大学費用と住宅ローンの支払いをどうしたらいいのか。失意のどん底に落とされるたまま、帰りの電車に乗り込む。だが、その車内で謎の女性からプリンという人物を探せば10万ドルを渡す。やらなければ次々と人が殺されるという、理不尽な取引を持ち掛けられ、家族を守るために奔走する。
ヒッチコックやアガサ・クリスティーなどの過去の列車ミステリーを彷彿させるが、この作品はニューヨーク発から郊外へ行く普通の列車が舞台である。
10年間、同じ列車を利用してきたマイケルには、顔見知りの乗客がいて、車掌とも挨拶を交わす。そこで、事件に巻き込まれていくのである。元警官で身体能力は人より高いかもしれないが、特殊な技術は持たないマイケルには、見知らぬ客を特定するミッションは難しいものだった。しかし、列車が進むにつれて乗客が降車し、候補者が絞られていく。
事情を知らない他の乗客たちを巻き込み、スリルは加速。そして、列車の〝制御不能〟の加速を見せる。このプランの黒幕は誰なのか?何が目的なのか?
普通にサスペンスの作品かと思っていたが、驚きの躍動感。関西人からすれば、ちょっと目をそむけたくなる列車のシーンもあるのでつらいが、ハリウッド映画はそんな感情はおかまいなし。列車は次々とすごいことになっていく。
リーサム演じるマイケルは不死身だ。後半は不死身としかいいようのないシーンの連続。普通なら、たぶん何回か死んでいる??誰が味方で敵かもわからない。犯人を絞らせないアイデアが生きている。