夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ミステリと言う勿れ』

2023年09月26日 21時37分47秒 | Weblog

田村由美による大人気漫画がフジテレビが菅田将暉主演でドラマ化。それが大ヒットとなり

今回は映画化された。

そして映画で描かれるのは、原作ファンにも大人気の“広島編”と言われるところ。菅田将暉

も、インタビューで“広島編”は避けて通れないところだったと答えている。

 

天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れてい

た。そこで観光をして帰ろうとしていたところ、犬童我路(永山瑛太)の知り合いだという

女子高生の狩集汐路(原菜乃華)と出会い、「バイトしませんか。お金と命がかかっている。

マジです」と持ち掛けられる。

そのバイトとは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。

相続人の候補は、当主の孫に当たる汐路、狩集理紀之助(町田啓太)、波々壁新音(萩原利久)、

赤峰ゆら(柴咲コウ)の4人。遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべき所へ過不足

なくせよ」というお題に従い、それぞれ謎を解いていく。ただし、この先祖代々続く遺産相続

はいわくつきで、いつも死人が出るという。汐路の父もまた、他の相続人たちとともに交通事

故死していたのだった。

整は自分の意志に反して、事件の謎解きに巻き込まれていく。そしてついに、狩集家の過去、

真実が明らかになる。世代を超えて隠されてきた一族の秘密とは…。

 

汐路の初恋の人を松下洸平、母を鈴木保奈美。狩集家の弁護士を段田安則、税理士は角野卓造

が演じる。他に、でんでん、野間口徹、松坂慶子、松嶋菜々子など。

また、汐路の父役で滝藤賢一が出演しているが、物語上、ピッタリな髪型の人選??  

なるほどである。←ここ重要

テレビドラマからのレギュラーである伊藤沙莉、尾上松也、筒井道隆も出演するが、広島には

いない。ここのメンバーが整と絡みがないのは残念なところ。エンドロールが始まっても席を

立つのは避けたい。“あるヒント”が残されているような気がする。

当方は原作は未読。その分、何が起こるか、誰が出てくるのかはわからず、ワクワクしながら観

ることができた。最初は、みんなが怪しいと思える、各キャストの演技が秀逸。それぞれの役割

をきちんと果たしている。

監督はテレビドラマと同じ松山博昭。広島の世界遺産の景色も楽しみたい。旅行に行きたくなる

可能性もある…。

 


『こんにちは、母さん』

2023年09月18日 21時59分06秒 | Weblog

【「こんにちは、母さん」評論】松竹映画らしさの中で新たな出発の物語を描き、変わりゆく令和の名作が誕生

山田洋次、吉永小百合というお馴染みの監督と主演に、売れっ子俳優・大泉洋が参戦。

吉永小百合は初の祖母役、大泉洋はその息子。永野芽郁が孫娘を演じる。永野芽郁は、

『キネマの神様』に引き続き山田組に登場である。

原作は永井愛。脚本は山田洋次と朝原雄三がつとめている。

 

神崎昭夫(大泉洋)は大手企業の人事部長として日々、神経をすり減らしながら働いて

いる。家では妻との離婚問題、大学生の娘(永野芽郁)からは避けられていて、頭を悩

ませている。娘が母・福江(吉永小百合)の家に身を寄せたこともあり、久しぶりに下

町にある実家を訪れる。

足袋屋を営んできた父が亡くなって、母は一人暮らし。寂しく暮らしていると思ってい

た母が身なりを整え、ご近所さんとボランティアもして、イキイキと生活していること

に驚く昭夫。しかも、娘の話だと、母は恋をしているという!

それはダメだ!という昭夫だが、娘や周りの人たちは恋をするのに年齢は関係ないと言

われる始末。昭夫は実家にも居場所がない。だが、世話焼きの下町の住民や母の新たな

出会いが自分の人生を見直すきっかけとなっていく。

 

懐かしい雰囲気。昭和の香りがそこはかとなく流れる。そして、反戦のメッセージも感

じられる。際立つストーリー展開はないが、地域の絆を表現できる世界観は山田監督な

らでは。大泉洋も存在がいい。明るいキャラクターでスクリーンの雰囲気を変える。日

常には変化がないようでいて、年齢によってポツポツと変わるものだということ。

出演は他に、YOU、枝元萌、宮藤官九郎、田中泯、寺尾聡。そして、墨田区の足袋屋の

設定だけに、相撲取りの明生がやってくる(もう一人の力士と)ので、そこは見逃さな

いほうがいい。

 


こまつ座第147回公演「闇に咲く花」

2023年09月10日 20時36分19秒 | Weblog

 

井上ひさし作、栗山民也演出。

ずっと行きたかった“こまつ座”の公演と、久しく行ってなかった栗山民也演出作。

これはもう“観に行く”という選択肢しかなかった。情報は何も入れずの観劇だったが、

タイトルとフライヤーの雰囲気から何となくのストーリー展開を描いてはいた。観劇

した今日9月10日は、大阪公演・新歌舞伎座の最終日。

出演は松下洸平、浅利陽介。ほかに、山西惇、尾上寛之、水村直也、阿岐之将一、田

中茂弘、塚瀬香名子、伊藤安那、尾身美詞、占部房子、枝元萌、増子倭文江。

 

昭和22年、夏・東京神田。進駐軍占領下、一日一日を生き抜こうとする人々は、闇の

売り買いに必死だった。一人息子の健太郎を戦争で亡くした愛嬌稲荷神社の神主・牛

木公麿も、近くに住む5人の未亡人と肩を寄せ合って、闇米の調達に奔走している。

そんな時、亡くなったはずの健太郎が愛嬌稲荷神社に帰って来た。人々は再会を喜び

合うが、健太郎の背後には黒い影が押し寄せていた。

 

一幕、二幕ともに幕が二度降りる。細かい舞台の変化がある。前半で、“えーーー”と

思う。後半になると、思っていたのとは違う展開になっていくが、見事に落ちた。凄

いオチ。この終わり方は考えさせられる。語りたくなる。そして、井上ひさしの作品

から今、これが上演される意味。

フライヤーには、「人類が目指す執着点の夢のようなところがポンと見えた。その記

憶を大事にして作品を通して伝えたい」との井上ひさしの言葉が記されている。

 

久しぶりに“芝居”を観た気がする。そして、どっぷりと井上ひさしの世界に浸かって

鑑賞できたと思う。注目俳優の松下洸平が主演のためか、若い女性の姿が多く見られ

た。戦争物が題材だが、苦手なく鑑賞できていればいいのだが…。

 

 


「志の輔らくご in 森ノ宮2023」

2023年09月07日 21時05分23秒 | Weblog

    

 

数年ぶりに参加した(コロナ感染対策もあり)立川志の輔独演会。いやあ楽しかった。参加者

は高齢者ばかりでしたが

“ちりとてちん”は、関西落語の雰囲気とは違い、おもしろい顔芸はあるが、何やら上品で。

“女道楽”の内海英華さんは、芸能生活45周年。そのお祝いということで(自分の)松の木を体

で咲かせていき…(志の輔師匠も落語生活40周年とのことで、そのお祝いも兼ねました)それ

がもう見事な表現力でした。口、足、頭などを使って、よく体が動きました!!

 

そして、最後の“抜け雀”。このオチがまさか、ちりとてちんのまくら部分とかぶらせてくると

は。まったく、その記憶がなく、もしかしたらおもしろさが半減したかも…と。その理由は。

座席がR列の23番。後方前半の真ん中あたり。このチケットを発券したとき、思ったことは、

前に大柄の男性が座ったら、志の輔さんはじめ、演者さんがまったく見えないだろうな、とい

うこと。悲しいことに、その予想は大当たりとなり、まっすぐ座ると男性の後頭部しか見えず。

中入りまでは、我慢をしてそこに座り、体を曲げて、首も曲げて、余計なものが目に入らない

ようにオペラグラスで演者さんだけを見るようにしていた。が、どうもそれは中入り後はでき

そうもなく、会場のスタッフさんに相談。もういっそスッキリ見たいと、立ち見での鑑賞を希

望しました。それにスタッフさんはこたえてくださり、立ち見に移動。約1時間鑑賞はその場

所でした。誰も悪くはないのだけれども、イライラ感があり、ちりとてちんは内容を知ってい

たので落ち着かないままで座席にはいたものの、まくら部分など頭に残せる余裕はなく…。ちょ

っと損をしてしまいました!!ここは、古い建物なので座席が比較的平板で、背の低い人間が

真ん中に入るとこうなることは考えられる場所と思っていたが、今回はまさにドンピシャにハ

マってしまうという、辛さ。腰と首が痛かった。でも、立ち見も足が痛かった←が、オペラグ

ラスでバッチリ所作は見ることができました!

 

あー、しかし。落語は楽しい。演者によってまったく同じ演目が異なるように感じるのもまた、

楽しい。

今日は初日。10日の日曜日まで森ノ宮ピロティホールにて開催される。

当日券もあるので、ぜひ!!!


「LOUVRE ルーヴル美術館展 愛を描く」 

2023年09月06日 22時02分51秒 | Weblog

  

京都市京セラ美術館にて 2023.6.27tue~9.24sun 開催中

フランソワ・プーシェ<アモルの標的>やフワンソワ・ジェラール<アモルとプシュケ>、

または<アモルと最初のキスを受けるプシュケ>など、愛とアモル(エンゼル、キューピ

ット)に関する絵画が展示されている。いたずらしたり、悪いことをしたりと、いろいろ

なアモルが描かれている。

ほぼ、バロックの作品なので、後半飽きてしまうかも??だが、ルーヴルを観られる貴重

な機会でもある。興味がある人はぜひ。おもしろい企画だと思う。

ジャン=オノレ・フラゴナールの<かんぬき>が個人的にはお勧め。その絵画の持つ意味

が時代背景や駆け引きがあって、興味深い。

 

京都市美術館が2017年、通称を「京都市京セラ美術館」とする50年間のネーミングライツ

契約を京セラ㈱と締結。同年、改修・増築工事のために一時閉館し、2020年5月にリニュ

ーアルオープンしている。


『MONDAYS このタイムリープ、上司に気づかせないと終わらない』(DVD)

2023年09月05日 09時33分11秒 | Weblog

MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、大手広告代理店への転職を目指しながら、仕事

に追われる日々。

ある月曜日の朝、彼女は二人の後輩から、自分たちは同じ1週間を繰り返していること

を知らされる。他の社員たちも、次々とタイムリープに気づき始めるが脱出の鍵を握る

久部長だけが気づかない。どうにかして部長に気づかせてタイムリープから脱出した

い。

そのために、悪戦苦闘する社員たちだが…。

 

監督は、長編デビューの『14歳の栞』が注目された竹村亮。大手資本でもなく、著名な

俳優がたくさん出演している…という映画ではない。わずかな上映館からのスタートで

ありながら、そのおもしろさがハマると話題となり徐々に上映館を増やしていった作品。

見逃していたので、DVDでの鑑賞となった。

そのテンポ、同じことを何度も演じる出演者たちの実力に感心する。

同じ演技が何度もできるのが、プロの役者なのだ。

タイムリープから抜けるにはどうしたらいいのか?が焦点。

 

主人公・吉川を「コントラ KONTORA」の円井わん←2023.9月現在、フジテレビドラマ

「この素晴らしき世界」でマネジャー役で出演中、永久部長をマキタスポーツが演じて

いる。


『春に散る』

2023年09月01日 21時22分41秒 | Weblog

春に散る

沢木耕太郎の人気小説を映画化。主演は、空手に精通していて世界大会も経験している

横浜流星とますます渋さが重厚になってきた佐藤浩市。俳優としても出演している松浦

慎一郎がボクシング指導と監修をしている。

 

40年ぶりに帰国した元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)。路上で広岡の行動を見てい

た黒木翔吾は広岡と拳を交えるが、人生初のダウンを奪われる。

見たことがないパンチに呆然とした翔吾は、ボクシングを教えてほしいと頼み込む。

最初は、断っていた広岡だが、かつてもボクシング仲間である次郎と佐瀬に背中を押さ

れて引き受ける。

翔吾に厳しいトレーニングを課す広岡。やがて、世界チャンピオン・中西(窪田正孝)

との世界戦が決まる。

 

ラスト20分の世界戦での殴り合い、パンチの応酬が迫力。横浜流星は空手のパンチをボ

クシングのパンチに変え、窪田正孝はボクシングのトレーニングに励んで体を作ってき

た。ヘラヘラしてつかみどころのないチャンピオンを演じる窪田正孝の演技がいい意味

で不気味で気持ち悪い。凄く上手いと思う。

ボクシングのシーンは鑑賞する者の気持ちを煽る歌や曲は流れてこない。殴り合う音の

み。無駄な演出はしていない。

人間の闘争本能の不思議も感じる。

なぜ、広岡が40年ぶりに帰国したのかは、タイトルから何気なく受けとれるものがあろう。

 

出演者は他に、橋本環奈、坂東龍太、奥野瑛太、坂井真紀、小澤征悦、片岡鶴太郎←この

人選は本物、哀川翔、山口智子。

監督は『ラーゲリより愛をこめて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久。監督は、

星航とともに脚本も担当している。

お互いただでは済まないとわかっている試合。だが、向かわずにはいられない。相手が強

いからこそ楽しい。言葉ではなく、拳でわかりあう。

そんな気持ちが伝わってきて、羨ましくもあった。