夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「ゴールデンスランバー」(試写会)

2010年01月23日 11時37分08秒 | Weblog
 とにかく逃げる。
今度の堺雅人は、とにかく逃げまくる
 仙台。大学時代からの親友・森田に『釣りに行こう』と呼び出された宅配ドライバーの青柳。だが、森田が車で行った場所は、総理大臣の凱旋パレードの場所だった。野党初となる金田首相の凱旋パレードの真っ最中、総理大臣の乗っていた車が爆発。そして森田は『お前、オズワルドにされるぞ』と告げる。わけがわからない青柳だったが、警察は青柳に向かって拳銃を構えていた
 理由もわからず逃げる青柳であったが、何かの大きな権力によって無実の首相暗殺犯に仕立てあげられていることを知る。大学時代の友人や元恋人など、これまで青柳の人生にかかわってきた人たちが、青柳を励まし、手助けして、警察の包囲網をかいくぐり逃げ続ける。
 学生時代に仲間で聴いたビートルズの『Golden Slumbers』。その曲が持つ意味とは・・・。そして、青柳は無事に逃げ通すことができるのか?
 個性的な役柄で映画出演が続く堺雅人の新作。この作品では、殺人犯に仕立て上げられながら、ただひたすら逃げる平凡?な男を演じる。
追い詰められた青柳の焦燥感や閉塞感を見事に演じきった。
 逃げることが正しいのか、正しくないのかよりも、“犯人じゃない”ので逃げる。そして、最後に青柳なりの結論を出すことになる。大学時代のエピソードが、物語の本線につながっていく。
 元恋人・晴子には『ジェネラル・ルージュの凱旋』でも堺雅人と共演した竹内結子。ほかには、大学時代の後輩に劇団ひとり、親友・森田には吉岡秀隆など。原作は『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』の伊坂幸太郎。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」で伊坂作品を手がけた中村義洋。
(1月30日公開)

「ラブリーボーン」(試写会)

2010年01月21日 10時01分45秒 | Weblog
 映画紹介では、ファンタジー作品としているかもしれないが、個人的にはファンタジーというべきか、ホラーサスペンスというべきか、悩む。不思議な作品。言うなれば、とても現実感のあるファンタジー作品であるこということであろう。
 冒頭は、物語の導入部分となるので、衝撃的ではあるが、見逃せない。この作品の特筆すべきところは、14歳の少女・スージーが殺されてから、メインとなる物語が始まるところである。そして、家族の崩壊と家族の成長、再生。また、亡くなった少女の心の成長と、“ラブリーボーン”(愛する骨)になるまでを描く。主人公のスージーが1人称で語り、進行する映画のスタイル。
 学校の帰り、14歳の少女が殺される。犯人は、近所に住む男、ミスター・ハーヴィ。警察は捜査に乗り出すが、強力な証拠はなく、捜査は遅々として進まなかった。少女をとても愛していた父は自暴自棄となり、母も精神的に強いショックを受ける。また、自分の死を受け入れられないスージーは、現実と天国の境にいて、家族を見守っていた。そして、スージーは、大切な人たちへ想いを伝えるために、奔走する。
 主人公スージーには『つぐない』でオスカー候補となったシアーシャ・ローナン。スージーの父にはマーク・ウォールバーグ。スージーの母にレイチェル・ワイズ。スージーの祖母にスーザン・サランドンなど。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンで、原作は世界30ヶ国で1000万部以上売り上げたベストセラー小説。製作総指揮はスティーブン・スピルバーグ。そのため、アカデミー賞最有力候補とも言われている。

 ところで、洋画を観ると、日本とは違う死生観を感じることがあるが、この作品には仏教的死生観を感じた。キリスト教がどうで、仏教はこうと、詳しくわかっているわけではないし、多分、これは映画を観るに際し、正しい捉え方ではないのであろうが。
 鑑賞後は不思議な感覚が残る。
(1月29日公開)

「きみに微笑む雨」

2010年01月10日 22時27分25秒 | Weblog
 『私の頭の中の消しゴム』が、日本で大成功を納めたチョン・ウソンの最新主演作。
 前作の『グッド・バッド・ウィアード』と違い、甘くせつないラブ・ストーリーが今作である。
 スタンダードなラブ・ストーリーであるが、セリフのほとんどが英語で、中国の四川・成都が舞台。杜甫の詩がストーリーをアシストする。
 中国の四川に出張にやってきたドンハ。ふと立ち寄った杜甫ゆかりの場所で、アメリカ留学時代に恋心を抱いていたメイと10年ぶりに再会する。メイは四川出身で、そこで観光ガイドをしていた。
 昔話に花を咲かせようと、ドンハはメイに語りかけるが、大切な思い出を彼女は覚えていない、ととぼける。それでも、四川滞在の時間を楽しく過ごし、1日帰国を延長したドンハだった。しかし、ドンハはメイの秘密を知ってしまうこととなり…。
 人は何かがあっても、前を向いて歩いていかないといけないことがある、そんなふうに軽く背中を押してくれる内容。
 ただ、ストーリー全体が、とても綺麗に納まり過ぎ?という感じがある。とは言え、チョン・ウソンの優しい微笑みが魅力的で、ファンにはたまらないだろう。ついでに言えば、チョン・ウソンの韓国語をもっと聞きたかった。韓国語での熱いセリフを今度は聞きたい。
 共演は中国の若手人気女優、カオ・ユアンユアン。悲しい過去を背負った役柄をしっかり演じている。
 監督は、『八月のクリスマス』や『四月の雪』など、美しい映像ともどかしくもせつないラブ・ストーリーで定評があり、‘恋愛の達人’と呼ばれるホ・ジノ。

「ガールスカウト」(韓国)

2010年01月05日 16時11分21秒 | Weblog
 昨年、日本女性が選ぶ好きな韓国人女優のナンバー1になったキム・ソナ。その彼女のドラマ『私の名前はキム・サムスン』以後の初の映画主演作が「ガールスカウト」である。
 コメディの女王キム・ソナ主演で、コテコテのコメディ路線かと思いきや、最後は自分の娘が誘拐されるという、サスペンスタッチのものとなっているのが特徴。キム・ソナのアクション炸裂…主婦なのに、で大奮闘する内容だ。
 弁当屋を始めるため、同じ町内の女性4人は資金を調達。店舗契約するものの、詐欺であったことがわかる。騙されたお金を取り戻すべく、4人は犯人を探し出そうとする。
 しかし、関係がこじれ始め、複雑なこととなり…。
 出演は、キム・ソナの他にナ・ムニ、コ・ジュニなど。ナ・ムニは、キム・ソナと3度目の共演。最初は母娘役(映画『Sダイアリー』)、2度目は恋人の母(ドラマ『私の名前はキム・サムスン』)、3度目の共演となる今回は、同じ町内のおばさん役となっている。その二人の掛け合いも見所の一つ。
 ‘サムスン’後、キム・ソナは『木曜日の子供』というタイトルの映画を撮影していた。しかし、制作会社が3回、監督が5回変わるという中(結局『セブンデイズ』というタイトル、主演は『シュリ』のキム・ユンジンで上映された)で、キム・ソナ自身もその作品が絡んで誹謗中傷され、渦中の人となり芸能活動が自由にできなかったいきさつがある。それを乗り越えて、復帰作となったのが今作である。
 キム・ソナの個性が生かされた、佳作。もちろんコメディ要素もあり、笑える場面も多し。
 韓流シネマフェスティバル開催中。シネマート心斎橋にて。
(2008年韓国公開)

ベスト5

2010年01月04日 22時59分26秒 | Weblog
 遅ればせながら、非公認、09年日本公開の映画私的ベスト5(映画館での鑑賞限定、順不同)
 ①チェイサー、②母なる証明、③グラン・トリノ、④愛を読むひと、⑤なくもんか
 ベスト10になると、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』、『牛の鈴音』というドキュメンタリー作品が入る。また、嘘か真かの本来の人間性さながらに?偽医者を見事に演じた笑福亭鶴瓶の『ディア・ドクター』も外し難い。
 ただ、『スラムドッグ・ミリオネア』を始め、気になりながらも劇場で観ることができなかった作品があるので、残念ではあります。
 そして、気の早い話をすれば、試写済みの『今度は愛妻家』は、2010年の私的ベスト10に入ってくるでしょう。