夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「接吻」(DVD)

2009年04月29日 23時28分23秒 | Weblog
 住宅街を歩く男。冒頭から怪しい雰囲気をたたえて、引き込まれる。一言もセリフを発しない男(豊川悦司)の存在感が光る。
 白昼の住宅街。男は、鍵のかかっていない家を探して侵入する。そして、一家3人を殺して逃げた。ニュースでは事件を大きく取り上げているが、それをあざ笑うかのように、犯人からマスコミ各社にメールが届く。また、男は銀行で被害者の口座から50万円を引き出すとともに警察に犯人が自分であると通報する。 
 遠藤京子は、いわゆる普通の会社のOL。同僚に残業を任されても嫌とは言えず引き受けている。家に帰っても一人、親しい友人もいないのでいつも孤独だ。 
 逮捕された男は坂口秋生。取り調べでも、裁判でも何も話さない秋生に、弁護士の長谷川は手を焼く。
 テレビのニュースで、坂口秋生のことを知ってから、京子は坂口に゛親近感゛を感じ、会社を辞め、裁判の傍聴をしたり、手紙をやりとりするようになる。そして、心を通わせるようになり…。
 坂口が殺人を犯すことについて語る姿と、京子と面会した後の姿が対称的に描かれていて注目。
 最後は意外なラストが待ち受ける。
 殺人犯である坂口秋生に興味を抱き、愛するようになる遠藤京子に小池栄子。一家三人を殺害する犯人・坂口秋生に豊川悦司。弁護士の長谷川に仲村トオルが扮している。小池栄子は、ベテラン二人に挟まれてプレッシャーのかかる位置だが、思い切りのいい演技を見せている。(2006年、ジェネオン)

「ぐるりのこと。」(DVD)

2009年04月25日 22時37分15秒 | Weblog
 90年代からの事件を背景に10年の歳月をかけて、ある夫婦の過ごす年月を描き出す。日々の暮らしは何も起こっていないようで、起こっている現状。社会と日常で負の部分はありながらも、誰にも未来はある。誰にでも起こりそうな日常を丁寧に扱っている作品である。女性の化粧の仕方に服装や髪型と、゛時代゛を表していて懐かしさを感じる世代もいるだろう。
 何事もきちんとしないと気がすまない妻・翔子と飄々としていて、細かいことにはこだわらない夫・カナオ。この夫婦の゛ぐるり゛(身の回りのこと。自分たちをとりまく環境のこと)を中心に物語は進む。
 小さな出版社で勤める翔子と、法廷画家をしているカナオは゛できちゃった結婚゛。しかし、子どもを亡くしてから翔子はうつになってしまう。徐々に夫婦の歯車が狂い始めるが、それでも二人はさまざまな出来事を乗り越えて行く。
 カナオの職業が法廷画家なため、随所に法廷シーンや社会的な出来事が登場する。加瀬亮、新井浩文などが出る法廷シーンにも注目したいところだ。
 妻・翔子を演じるのは、これが映画初主演の木村多江。夫・カナオには『東京タワー』の原作者でもあり、マルチな才能を見せているリリー・フランキー。他にも、実力派が多数出演しているが、セリフの内容ややり取りを聞いて楽しむのも妙味である。
 大手資本ではない今作。しかも本来は脇役で活躍している木村多江が、繊細な演技を見せ、日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を受賞した。
 原作・脚本・編集・監督は、前作「ハッシュ!」(02)がカンヌ映画祭などで話題となった橋口亮輔。

「レッドクリフPartⅡー未来への最終決戦ー」

2009年04月18日 22時33分19秒 | Weblog
 昨年秋に公開され、大ヒットとなった『レッドクリフPartⅠ』の続編。
 孔明の奇策により曹操軍を撃退した、孫権と劉備の連合軍。今回は、ついに赤壁の戦いとなる。曹操軍80万の兵に、2000隻の戦艦。これに対する連合軍の作戦は…。
 赤壁の戦いと言えば゛10万本の矢゛!。孔明がどう矢を集めるかが見所の一つ。また、熱き男たちの戦いだけでなく、女性たちが戦いの鍵を握るのが特徴。 キャストは、前回同様にトニー・レオン、金城武、リン・チーリンなど。
 3Gを駆使し、スクリーン全体に迫力を感じる。ただ、後半にいくほど、ワイヤーアクションや3Gと、やりすぎな感もあり、興ざめする場面もあったのが残念。
 監督も、前回と同じジョン・ウー。
 お金かけてます。
 
 

「鑑識・米沢守の事件簿」

2009年04月01日 18時39分12秒 | Weblog
 人気ドラマシリーズ「相棒」のスピンオフ映画。ドラマで鑑識班・米沢守をメインにストーリー化されたもの。派手なアクションや大掛かりな仕掛けはなし。しかも本来脇役が主演となっているので、地味な感じはするのだが、全体的な構成で秀作となっている。米沢が事件のことで悩むところで2度、あの「相棒」たちが登場する。
 『東京ビッグシティマラソン』で連続殺人事件が解決後、米沢は元妻・知子がマラソン大会に参加していたことを知る。知子を探し出そうとしていた矢先、知子の死体が発見される。現場に向かった米沢だが、そこには元妻そっくりの遺体があった。更に、知子の元夫と名乗る所轄の刑事もやってきて…。
 知子の自殺に納得がいかない二人は、極秘に事件の真相を探ろうと動き出す。しかし、捜査の行く手には゛権力゛が立ちはだかるのであった。
 今作の主演は、主演そのものが初となる六角精児。鑑識の米沢と共に捜査をする刑事には萩原聖人。ほかに、市川染五郎、紺野まひる、伊武雅刀、片桐はいりなど。
 エンドロールのあと、相棒シリーズの主演のあの人…からのメッセージがあるので、席は最後まで立たない方がいいでしょう。しかも、エンドロール自体が凝っていて面白いですよ。