夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『帰ってきた あぶない刑事』

2024年05月26日 21時44分22秒 | Weblog

 1986年、テレビ放送によるドラマシリーズが始まり、劇場版7作品が製作

されてきた。人気シリーズ8年ぶりの劇場作品。

 刑事を定年退職し、ニュージーランドで探偵事務所を開業していたタカ・鷹

山敏樹(舘ひろし)と、ユージこと大下勇次(柴田恭兵)が8年ぶりに横浜へ

と戻り、「T&Y探偵事務所」を開設した。ある日、香港在住の日本人弁護士が

何者かに殺害される。その事件に何か引っかかりものを感じたタカは、二人と

関係のある男・劉飛竜(リュ・フェイロン/岸谷五朗)の元を訪ねるが、タカ

はそこにいたフェイロンのビジネスパートナーであるステラ・リー(吉瀬美智

子)に見覚えがあるような気がしていた。

 その頃、二人の探偵事務所に永峰彩夏(土屋太鳳)という女性が現れ、母親

を探してほしいと依頼してくる。その母である夏子はタカとユージの旧知の女

性だった。しかも、彩夏は二人のどちらかが父親の可能性がありそうで、浮足

立つ。夏子の探索を開始した二人だったが、横浜は事件が多発。やがて、爆弾

が仕掛けられるかもしれないという情報が入る。

 懐かしい映像が差し込まれ、ファンにはたまらない名場面が出てくるかもし

れない。これまでの楽しい記憶が呼び起こされる。続編があってもいいのに…

とも思うが、きっともうドラマでは表現することができない不適切な映像とな

るのであろう。そこがおもしろいのに。

 そして、ラストは“タカのショータイム“。ハーレーを豪快に迫力たっぷりに

乗りこなす舘ひろしのカッコ良さ。柴田恭兵は若いころから、独特の走りは変

わらず。お二人ともに70代となったが、スターは違う。仲村トオルや浅野温子

といったレギュラー陣の出演に加え、西野七瀬や早乙女太一などが参加してい

る。


中之島 香雪美術館「北斎と広重 冨嶽三十六景への道」

2024年05月21日 22時06分30秒 | Weblog

 → 北斎の冨嶽三十六景「凱風快晴」

プロローグ 広重、絵師を目指す→安藤徳太郎(歌川広重)10歳の時に描いた絵からスタート

第 1 章 風景画への道ー北斎のたゆまぬ努力

      (1)北斎「冨嶽」に至る道

      (2)西洋絵画の影響

第 2 章 葛飾北斎「冨嶽三十六景」の世界

第 3 章 新たな風景画への道ー広重の挑戦と活躍

      (1)「東海道五十三次之内」での新境地

      (2)広重の江戸名所

      広重の忠臣蔵

第 4 章 広重、“富士”を描く

エピローグ 広重の残したもの

   計224点の作品が紹介されている。5月26日までの公開のため、平日でも混み合って

   いる。見ごたえがあった。スマホで作品のほとんど写真が撮れるが、光が入ったり、自分

   が映りこんだりするので要注意だ。

   絵師と擦り師の技術が合わさって名作が出来ていると感じた。広重の前にはいつも北斎が

   いて立ちはだかっていた。“あお”色の美しさと、日本らしい構図と感性は、西洋美術にも

   影響を与えている。“広重ブルー”をぜひ堪能してほしい。

   

   (江戸東京博物館コレクションより)


『鬼平犯科帳 血闘』

2024年05月18日 21時43分56秒 | Weblog

鬼平犯科帳 血闘」は時代劇に“新たな希望”を灯すことができる ...

  これまで二代目・中村吉右衛門など幾度も映像化されてきた池波正太郎のベストセラー小説

「鬼平犯科帳」シリーズを吉右衛門の甥である十代目・松本幸四郎主演で新たに映像化された

劇場版。2024年1月放送のテレビスペシャルから続く本作は、鬼平こと長谷川平蔵の過去と現

在を交差させながら描かれる。若いころの平蔵を幸四郎の息子である八代目・市川染五郎が演

じている。

 長谷川平蔵のもとに、彼が若いころに世話になった居酒屋のおまきがやってくる。密偵にな

りたいと申し出るが、平蔵はそれを断る。だが、おまさは平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔

を持つ鷺原の九平を探していることを知り、独断で探し始めるが…

 テレビドラマ同様の出演者は、本宮泰風、浅利陽介、山田純大、久保田悠来、柄本時生、仙

道敦子、火野正平。劇場版ゲストとして、志田未来、北村有起哉、松本穂香、中井貴一、柄本

明が出演している。

 現在の松本幸四郎は中村吉右衛門に似せているのか、似ているのか、似てきたかの表情が見

られた。若いころより、かなり貫禄が出てきた。殺陣もさすがの迫力。いいよなあ、時代劇と

思える作品。これまでの鬼平犯科帳シリーズに詳しいわけではないが、十分楽しめた。

 


『ミッシング』

2024年05月18日 20時47分52秒 | Weblog

石原さとみ“覚悟の現場”を涙ながらに振り返る「ずっと体調も悪くて。でも……」 注目作「ミッシング」特別映像公開

 とある街で起きた幼女失踪事件。あらゆる手を尽くしても見つからないまま3ヶ月が過ぎた。

沙織里(石原さとみ)は娘の美羽の帰りを待ち続けるが、少しずつ世間の関心は薄れ、焦って

いた。夫の豊(青木崇高)との温度差もあり、夫婦げんかが絶えない。頼りになるのは、事件

を取材し続けてくれている地元のテレビ局記者・砂田(中村倫也)ぐらいだった。

 その取材の映像で、娘の失踪時に人気アイドルのライブに行っていたことが明らかになると、

沙織里はネット上で“育児放棄をしている母”との誹謗中傷を受ける。世間に好奇の目で見られた

り、偽善のチラシ配りと晒されたことで、沙織里の言動は徐々に過剰になっていた。

 一方、砂田には局の上層部との意見があわず、視聴率獲得のために沙織里の弟の圭吾(森優作)

をも世間からの関心を煽るような取材をするよう指示が下る。圭吾は、事件の当日に美羽と最後

にいた人物だったのだ。のらりくらりとインタビューに答える圭吾は、その印象がよくなかった。

 それでも、沙織里は“ただ娘に会いたい”という強い思いで世の中にすがり、訴え続ける。その

先に、光を見つけたい…と。

 

 石原さとみは、『ヒメアノール』を監督した吉田恵輔のファンで、監督の作品に出演すること

を熱望し続けた。この作品は、出産後に初めての石原さとみの主演作となった。母になった今だ

からこそできた、そう語る渾身の一作。

 この映画のチラシのコピーには“失くしたのは、心でした。”とあるが、前半の石原さとみの演

技はその言葉そのもの。喚き、嘆き、悲しみ、嗚咽して、毒を吐き、粗暴。その不安定な心情を

“母”としての立場で演じている。夫役の青木崇高が不器用ながらも妻を支える役どころを好演し

ている。中村倫也の記者としての立場も、社会人として辛いところだ。ネットの嘘の情報に振り

舞わされるのも怖い。そして、行方不明さがしのチラシを作るのもわかってはいるが、生活の負

担だ。


「カラカラ天気と五人の紳士」

2024年05月10日 09時06分44秒 | Weblog

 ある日、ある場所に“棺桶”を担いでやってきた5人の紳士(堤真一、溝端淳平、野間口

徹、小手伸也、藤井隆)たち。

 この“棺桶”はどうやら、5人のうちの1人が懸賞の外れくじでもらった景品だ。せっか

くのもらい物を役立てようと、男たちは考え始める。仲間の誰かが死んで、この棺桶の中

に入ろうと、あれこれ議論が始まる。どのように死ねるのかと模索する5人のところへ、

ショッピングバッグを抱えた不思議な女性2人(高田聖子、中谷さとみ)が現れる。彼女

たちのペースに巻き込まれていく5人だが、彼女たちこそ、同じ懸賞の一等くじの当選者

たちだった…。そして、その景品とは…。

 

 別所実のブラックユーモアが溢れる不条理なコメディ。濃厚キャラで芸達者の役者たち

が、馬鹿馬鹿しいやりとりを淡々と演じ切る。その台詞は内容は刺激的。心も体も、脳も

カラカラな5人の紳士たちの会話劇。いざというとき、男性よりも女性の方が思い切りが

いい…決意は固いと思わせる。悩める大人たちのお話。

 なかなか揃うこともないであろうキャストが魅力。笑いと謎が交差し、強烈なオチがや

ってくる。野間口徹は前半、ほぼ客席に背を向けている。その始まりは、序章でしかない。

 70分という短い上映時間。集中して鑑賞したい。

☆東京、岡山での公演を経て、大阪は5月7日から11日まで。

 その後は、福岡で15日・16日での公演となる。