夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『アルキメデスの大戦』

2019年08月26日 09時55分56秒 | Weblog

アルキメデスの大戦

 

冒頭は坊ノ岬で戦艦「大和」が沈没していくシーンから始まる。開始から心を突かれてから、大和建造に至る場面へと切り替わっていく。

昭和8年(1993年)第二次世界大戦前の日本。日本帝国海軍の上層部は超大型戦艦の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六(舘ひろし)は航空母艦こそがこれからの戦争には必要となると捉える。そこで、上層部の動きに危険を感じた山本は、その戦艦建造の予算の少なさに注目。天才数学者・櫂直(菅田将暉)を招き入れ、彼の卓越した数学的能力をもって高額の費用を試算し、軍の陰謀を暴こうとする。

この作品は真実ではない。「週間ヤングマガジン」の連載、三田紀房のコミックが原作。櫂直という実在の人物もいない。監督は『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズ、『永遠の0』の山崎貴が務めた。

VFXの第一人者である彼の技術が、ドラマティックな展開へと誘う。

そして、大型戦艦を推奨する軍部側の上官である田中泯が最後に櫂に語る台詞。あれが事実と関連するとしたら、もう。怖くて、心が震える。あの台詞があるゆえに、大和のその悲劇性が際立つ本編となっている。さらに、櫂が味方だと思っていた側からの思惑もまた・・・。

出演はほかに、柄本佑、國村隼、橋爪功、笑福亭鶴瓶、浜辺美波など。菅田将暉と柄本佑の関係性にも注目。

 


『僕のワンダフル・ジャーニー』(試写会)

2019年08月22日 09時23分25秒 | Weblog

僕のワンダフル・ジャーニー

犬と人間との絆を描いた『僕のワンダフル・ライフ』の続編。“ジャーニー”とは、旅行ということ。前作は、飼い主と再開した犬のベリーが、今度はその孫娘を守るために奮闘。どんな旅行になるのか?のお楽しみ。

 

愛する飼い主のイーサン(デニス・クエイド)に会うために50年で3回生まれ変わり、ベイリーはイーサンと再開した。

イーサンは、妻のハンナ(マージ・ヘルゲンガー)とともに農場で暮らしていたが、ある日、娘のグロリアが孫娘のCJを連れて出て行ってしまう。

 

ベイリーは悲しみに暮れるイーサンとハンナを見て、あることを決意する。

 

ベイリーは種類の違う犬に3度生まれ変わる。種類が違っても、飼い主が変わって名前が違っても、やることは同じ。CJを守り抜くこと!

おかしくて、じんわりとくるストーリー。愛犬家の中には、涙する人もいるかも?

前作の監督ラッセ・ハルストレムは製作総指揮にまわり、ドラマシリーズ「フレンズ」のゲイル・マンキューソが監督となった。犬の声のジョシュ・ギャッドは続投している。

公開は9月13日。製作に中国の通販最大手のアリババが絡んでいるようで、進出してるなーと感じた。


『ピータールー マンチェスターの悲劇』(試写会)

2019年08月06日 10時36分38秒 | Weblog

ポスター画像

ナポレオン戦争が終結した数年後の1819年。

英国では貧困問題が深刻化していたが、王室、政治家、軍人などの上級階層は娯楽に興じている。

8月、選挙権を求める労働者階級の市民数万人が集会に参加。マンチェスターのセント・ピーターズ広場に集結し、自分たちの権利を平和的に主張しようとする。

それを、資本家に召集された義勇軍と政府か派遣した正規軍が武力弾圧し、多くの死傷者を出す。

英国のマンチェスターで起きた「ピータールーの虐殺」を『ヴェラ・ドレイク』などのマイク・リー監督が手掛けた。監督は、マンチェスター出身ながら、この事件については知らなかったとのこと。それだけに、事実だけを描こうと努めているように思えた。

冒頭の市民の暮らしの背景と衣服などが、まるで絵画。有名画家の描写が実写として動いているかのよう。

だが、当時の英国はオーストラリアを植民地とし、軽微なことで罪人をつくりだし送還していて、階級制度にも厳しい国だった。

セントピーターズ広場の群衆を武力弾圧するシーンなどは、天安門事件を思い出す…天安門事件など歴史になかったようになっているらしいが、30年前のことである。このピータールーの虐殺のように、知らされていない歴史はたくさんあるのでしょうね。

 

今はまたイギリスでは、EUから離脱することが決まった。民主主義が成熟したイギリスの市民が投票して起こっていること。200年を経て、また時代は動きそうだ。

 

映画としては、2時間35分と上映時間が長め。監督の情熱は伝わるが、もう少し短くできたと思う。