夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

どのように生きて、死んでいくか、名曲『卒業写真』にのせて…「Watch with Me~卒業写真~」

2007年06月20日 23時32分55秒 | Weblog
 津田寛治と羽田美智子が主演という、ちょっと地味かもしれないけど(失礼しました)、じっくりと確かな内容で進みそう、そんな感じがする映画の臭い…。゛生きていく゛とは、゛生きて逝く゛こと。どのように生きて、どのように死に逝くのか、現実として向き合っていかなあかんなぁ、と思うのであります。
 報道カメラマンをしていた上野和馬は、ガンを患い、余命半年と宣言され、余生は故郷で過ごしたいと、妻の由紀子を連れて東京から故郷の久留米に戻ってきた。そんな彼の元に中学時代の同級生が見舞いに訪れる。
 和馬は、死に直面しながらも、由紀子の協力を得て、故郷の風景や友人たちのスナップ写真を撮り、最後の写真集を作り上げることを決意する。
 タイトルのWatch with Me は、「私とともに目を覚まして祈りなさい」(新訳聖書・マタイによる福音書)の言葉で、近代ホスピスの創設者、シシリー・ソンダース女史はこの言葉にホスピスの基本精神を託して「死が近い人を見守る」という意味で使用したとのこと。舞台となるのは福岡県久留米市。懐かしさ感じる町並みと田園風景はオールロケされたものである。昭和55年前後に中学を卒業した人には、当時あこがれたファッションにも共感できるだろう。
 監督はベルリン国際映画祭でマスコミが絶賛した「千年火」を手がけた瀬木直貴。エンディングテーマはHiーFi SETの「卒業写真」。 

笑って泣かせてもらえます、藤山直美と沢田研二の再演「桂春団治」

2007年06月17日 21時17分33秒 | Weblog
 なんも言うことはありません。ご存知藤山直美の人情喜劇「桂春団治」。前半から中盤、そしてクライマックスへと三部構成ながら一気にたたみかけてくるので、時間の長さを感じず、しかもわかりやすい。藤山直美と沢田研二のコンビも安定していて、力強い。
(大阪松竹座にて)

人気の浅田次郎作品の映画化「憑神」(試写会)

2007年06月14日 23時06分22秒 | Weblog
 原作の映画化が続いている浅田次郎作品。ストーリー展開がドラマチックで登場人物のイメージがしやすく、人間描写がうまいのが、映画化になっている要素であるのではないだろうか。それだけに、読者を笑わせ、涙に誘うのだ。
 さて、そんな作者の原作を元にしているだけに、大笑いして、最後はやっぱりグッとくるという流れを損なうことなく映像化されているのが映画「憑神」(つきがみ)なのである。大ベテランの降旗康男監督が軽妙にして洒脱。しかも、ファンタジックな作品を作り上げた。
 時代は幕末。武士としてこれからというときに、婿養子に入った家から離縁され、妻と子を残したまま自分だけが出ていくことになった彦四郎。実家に帰った彦四郎だが、長男が家督を継いでいる実家には、彦四郎の居場所はない。しかも、貧乏神、疫病神、死神にとりつかれる。そんな彼に待ち受ける運命とは…。
 主演の彦四郎には若手一の人気俳優・妻夫木聡。妻夫木聡の人の良さそうな演技っぷりはお馴染みのとおり。脇を固める俳優たちのキャラクターに注目することが楽しみの一つとなるだろう。
 今日は梅田ブルグ7に降旗監督を迎えてのティーチイン試写会。そこで、監督は「原作の落語のようなテンポの良さの原作を生かしたかった」と話している。

話さなくなった時代だからこそ、話すことが大切なんです「しゃべれども しゃべれども」

2007年06月06日 21時02分18秒 | Weblog
 いわゆる、関東の落語と関西の落語は違うらしい。詳しく語ることはできないが、゛真打ち゛制度があるのは関東だけのことである。この「しゃべれども しゃべれども」では、二つ目の落語家・三つ葉を演じる国分太一。その二つ目の落語家が、゛真打ちの火焔太鼓゛を聴かせるラストに乞うご期待。 
 二つ目の落語家・今昔亭三つ葉は、ひょんなことから「話し方教室」を始めることとなる。「話し方」と言っても、三つ葉のできることは、落語だ。そこに、ワケありで話し下手な3人か集まってくる。ものすごく美人なのに、無愛想で笑うことが苦手な十河五月、しゃべるのが好きで好きでたまらないのに、クラスに馴染めない関西弁の小学生村林優、いかつい顔をしているのに、思った通りの野球解説ができない元野球選手・湯河原太一。そんな3人にやきもきさせられながらも、話すことの大切さを伝える三つ葉だが、実は彼自身も客にうまく落語を聴かせることができずにいた。
 しゃべれどもしゃべれども人には自分の思いが伝わらない、だからこそ話して、自分の言葉で伝えようということなのだ。それは、なかなか難しいことではあるけれど…。
 国分太一の頑張りについては、最初に述べたとおり。十河を演じる香里奈の無表情な演技も注目なのだけれど、村林優役の森永悠希くんの「まんじゅうこわい」もポイント。桂枝雀のDVDを見て落語を練習しているだけに、枝雀そっくりな仕草で笑わせてくれます。また、八千草薫演じる三つ葉の祖母は、下町のきっぷの良さ満載で楽しい。
 監督は「愛を乞うひと」の平山秀幸。「愛を乞うひと」でヘビーな家族愛を描いた同監督が、今作は一転、ほのぼのとした爽やかな作品となっている。