夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

舞台「七転抜刀!戸塚宿」

2020年02月25日 11時24分57秒 | Weblog

明石家さんまと日本テレビ演出家・水田伸生が織りなす舞台。前回の「7人ぐらいの兵士」

(再演)から4年半ぶりに開催されている。

今回の脚本はドラマ「あなたの番です」の福原克則で、注目の強力なタッグとなっている。

大阪公演は、大阪城公園内に新しくできている〝COOL JAPAN OSAKA〟のWWホールで

26日まで行われている。

 

出演陣は、温水洋一、山西淳、八十田勇一、中尾明慶といった常連に、佐藤仁美、犬飼貴

丈といったメンバーが加わった。

1865年 慶応元年。

雨降る笹子峠の茶屋で鳥居房蔵(中尾明慶)は、父・鳥居嘉十郎の仇討ちを果たすべく、長

年の宿敵である浪人・尾長泉之丞重忠(明石家さんま)を待ち構えていた。房蔵の手助けを

するのは、アイヌ忍者のアシリ(温水洋一)とマキリ(犬飼貴丈)と松前藩の書状係・松林

貞慥(八十田勇一)。房蔵は現れた尾長に挑むが敵わない。

そして、当の尾長は猿橋宿で酒や女やらで騒ぎ、ぐうたらな日々を満喫し、飯盛女の巳久里

(佐藤仁美)は宿の主人・惣八(吉村卓也)が止めるのも聞かず、尾長に惚れ、貢ぎこんで

いた。

また、竜田藩での同僚・喜多村忠三郎(山西惇)は自らが率いる自衛集団猪ノ者隊に尾長を

引きいれようと猿橋宿にやってくる。

房蔵も再び尾長を追い、仇討ちを狙う。人々は幕末という動乱の世の中を生き延びることは

できるのか??

明石家さんまという〝怪物〟をメインにそれぞれのキャストが埋没することなく個性を生か

しながら演技をすすめているのが凄い。

独特の〝間〟をつかみながら、明石家さんまのその時の観客の空気で繰り出されるアドリブ

についていきつつ、邪魔をしない。チームの温かさが伝わる作品だ。

さんまさんの勢いに飲まれつつ、凄さを感じつつ、複雑な楽しさを感じつつ、何かと堪能し

た。また今度やるなら観たいが…いつになりますやら??

〝天才〟という言葉で済ませていいのかなぁ…。


『ヲタクに恋は難しい』

2020年02月17日 12時03分46秒 | Weblog

ヲタクに恋は難しい

26歳OLの桃瀬成海は、転職した会社で幼馴染の二藤宏崇と再会する。成海はBLを愛する腐女子、宏崇は重度のゲームヲタク。成海は「ヲタバレ」するのを恐れていたが、宏崇はヲタク同士付き合ってみない?と提案する。

恋愛は、ヲタクだろうが何だろうが一筋縄ではいかない、ということを踏まえたら、普通の恋愛もの。

ただし、中身はミュージカル。ヲタクの『ラ・ラ・ランド』を目指して、「勇者ヨシヒコ」『銀魂』シリーズの福田雄一監督が挑戦した。

舞台「ピーターパン」出身で歌と踊りに定評がある高畑充希を中心に据え、山崎賢人や賀来賢人とムロツヨシ、佐藤二朗といった〝福田組〟常連のメンバーががっつり参加している。

 

見どころは、高畑充希

本来の演技のうまさがあるので安定ぶりはもちろん、ヲタク独特の専門用語を早口でセリフをいうなど、さすが。

ただやっぱり、高畑充希の歌が凄くうまくて。舞台経験もあるから動きも軽やかで。圧倒的!!

特に、幕が暗転してキャストの名前が出始めるときの歌!!あるアニメを彷彿させるのだが、それがもう圧巻である。

ヲタがばれて会社を辞める、彼氏とうまくいかないなどの件は、〝トクサツガガガ〟か、と軽く突っ込んでみた。

出演はほかに、斎藤工、菜々緒など。全員がキャラ立ちしている、福田監督独特のコメディ。ちなみに、山崎賢人の〝壁ドン〟もあり。

2018年、テレビアニメ化された人気コミックの映画化となっている。


『ロマンスドール』

2020年02月10日 09時43分31秒 | Weblog

ロマンスドール

冒頭の高橋一生のナレーションからラストが予測できる。そこから10年を遡って、本題はスタート。

大人の噓と真実の物語が展開していく。

 

哲雄(高橋一生)は、乳房再現の型枠モデル募集でやってきた、美人で優しい園子(蒼井優)に一目惚れして結婚。

哲雄は、ラブドール職人として働いていることを隠していて、ずっと言えずにいた。

また、園子にも抱えている悩みがあり、そのことを哲雄に告げられずにいた。

 

『九月の恋と出会うまで』などの高橋一生と『彼女がその名を知らない鳥たち』などの蒼井優が共演のラブストーリー。高橋一生と蒼井優は、岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』以来の共演。『ふがいない僕は空を見た』『お父さんと伊藤さん』のタナダユキ監督自身の著書を映画化した。

質素さとその中のエロさ。この対局なふたつを演じさせたら、蒼井優のほかにはいない。そこに、強さもプラスしてもいい。

高橋一生は、通常から、そこはかと流れる闇のようなもの秘めていると感じており、そこが魅力でもある。

そんな二人が秘密を抱えた夫婦を演じるのだから、見逃せない。

〝ロマンスドール〟制作へかける情熱と進化も受け取りました。技術者は努力はここにも。

この映画とは関係ないが、是枝裕和監督の『空気人形』がちらりと頭をかすめた。


『パラサイト 半地下家族』

2020年02月03日 10時40分21秒 | Weblog

パラサイト 半地下の家族

本家のアカデミー賞候補作品。監督は、若い頃から韓国の奇才と言われてきたポン・ジュノ。
このところ、韓国映画やドラマとはご無沙汰していたが、この映画を観に行った理由はふたつ。
ひとつは、韓国映画がカンヌ映画祭でパルムドールを取り、それがポン・ジュノ監督作品だったから。名作『母なる証明』の衝撃から、この作品はいかに?
ふたつめは、韓国の貧困家庭を描いていることで、日本作品でパルムドールを取った『万引き家族』との低所得階層との描き方の違いを確認したかった、ということ。

ポン・ジュノ監督作品でもある『グエムルー漢江の怪物』にも出演した韓国の大物俳優ソン・ガンホがこの作品でも主演をつとめている。注目の作品とあって、このところ観客数も増えてきている。

半地下住宅に住むキム一家は、全員が失業中。内職で細々と暮らし、生活に困窮していた。
ある日、長男のギウ(チェ・ウシク)が友達の紹介で、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸で家庭教師をすることとなる。ギウがその豪邸に入り込むことができたことから、次々と物語が進んでいく。

韓流という言葉ができる前から、韓国映画を観てきたり、
韓国ドラマにはまって見てきた人は、半地下に暮らしたり、屋根裏部屋で暮らしたりという設定の家族はよく目にしてきたと思う。
その貧しさから、のしあがろう、大金持ちになってやろうと奮闘する。そんな物語をたくさん見てきただろう。

欧米の人は、韓国の文化や貧困を知らなかったり、目にする機会も少ないかもしれない(もちろん、欧米にも貧富の差は存在する)。それが、新鮮であり、パラサイトで描かれる様子も驚きであったかもしれない。
ポン・ジュノ監督のような大物監督にはかなりの投資がされているはず。貧はとことん貧で、富はとことん富として描かれているて、その点のエンタメ感は日本よりもすごいとも言えよう。

ただ、韓国映画を見慣れている人は、ハードルを高くして行かないほうがいいかも。途中まではいわゆる韓国映画らしい展開なのに、最後がうまくまとまり過ぎていて、どうしたの??となる可能性が。

劇場に来ていた人からも、微妙なリアクションを感じ取れた。