明石家さんまと日本テレビ演出家・水田伸生が織りなす舞台。前回の「7人ぐらいの兵士」
(再演)から4年半ぶりに開催されている。
今回の脚本はドラマ「あなたの番です」の福原克則で、注目の強力なタッグとなっている。
大阪公演は、大阪城公園内に新しくできている〝COOL JAPAN OSAKA〟のWWホールで
26日まで行われている。
出演陣は、温水洋一、山西淳、八十田勇一、中尾明慶といった常連に、佐藤仁美、犬飼貴
丈といったメンバーが加わった。
1865年 慶応元年。
雨降る笹子峠の茶屋で鳥居房蔵(中尾明慶)は、父・鳥居嘉十郎の仇討ちを果たすべく、長
年の宿敵である浪人・尾長泉之丞重忠(明石家さんま)を待ち構えていた。房蔵の手助けを
するのは、アイヌ忍者のアシリ(温水洋一)とマキリ(犬飼貴丈)と松前藩の書状係・松林
貞慥(八十田勇一)。房蔵は現れた尾長に挑むが敵わない。
そして、当の尾長は猿橋宿で酒や女やらで騒ぎ、ぐうたらな日々を満喫し、飯盛女の巳久里
(佐藤仁美)は宿の主人・惣八(吉村卓也)が止めるのも聞かず、尾長に惚れ、貢ぎこんで
いた。
また、竜田藩での同僚・喜多村忠三郎(山西惇)は自らが率いる自衛集団猪ノ者隊に尾長を
引きいれようと猿橋宿にやってくる。
房蔵も再び尾長を追い、仇討ちを狙う。人々は幕末という動乱の世の中を生き延びることは
できるのか??
明石家さんまという〝怪物〟をメインにそれぞれのキャストが埋没することなく個性を生か
しながら演技をすすめているのが凄い。
独特の〝間〟をつかみながら、明石家さんまのその時の観客の空気で繰り出されるアドリブ
についていきつつ、邪魔をしない。チームの温かさが伝わる作品だ。
さんまさんの勢いに飲まれつつ、凄さを感じつつ、複雑な楽しさを感じつつ、何かと堪能し
た。また今度やるなら観たいが…いつになりますやら??
〝天才〟という言葉で済ませていいのかなぁ…。