夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『男はつらいよ50 おかえり寅さん』(試写会))

2019年12月18日 09時38分08秒 | Weblog

男はつらいよ お帰り 寅さん

『男はつらいよ』が始まって50年。

97年の『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花特別篇』以来の新作。監督はもちろん山田洋次がつとめている。

亡くなった主演の渥美清を現代の技術でよみがえらせ、この作品に登場させており、甥である満男(吉岡秀隆)に寄り添う存在としている。

 

妻が亡くなって6年。7回忌の法要に柴又の実家に満男の両親(さくら・倍賞千恵子、博・前田吟)、満男の娘(桜田ひより)などが集まる。

満男はサラリーマンを辞めて、駆け出しの小説家となっていた。

嫌々ながらに出版社からの要請で引き受けたサイン会。そこに、国際的に活躍していてたまたま日本を訪問をしていたかつての恋人・泉(後藤久美子)と再会する

リリー(浅丘ルリ子)の店で語らい、実家に連れていき懐かしいひとときを過ごす。

そんな光景に触れながら、こんなときにはいつも、〝あのあじさんがいたなあ〟と記憶がよみがえる満男だった。

 

現役の人も鬼籍に入った人も!のオールスターキャスト。歴代マドンナがワンポイントと登場するだけで、その時の人気と時代が感じられる

まさに、〝寅さん〟シリーズの集大成といっていい。

この作品のために23年ぶりに女優に復帰している後藤久美子。彼女がこの仕事を受け入れたからこそ、この作品の内容ができている。

オープニングの主題歌は桑田佳祐が歌う…ここにも遊び心が

出演はほかに、夏木マリ、美保純、橋爪功などだが、編集者をつとめる池脇千鶴がいい味を出しているので見てほしい。

昭和感満載であるが、時代は突然に令和になったわけではない。経過を踏まえながら、今この映画を上映する意味も考えてみるのもいいかも。

また、NHKドラマ「少年 寅次郎」を見ていた人は、映画だけを見ても雰囲気が理解できるであろう。

中学生以下は特別価格となるようなので、お正月に祖父母と孫で楽しんでみては?

☆試写会の観客は年齢高めだったかもだが、エンドロール後には拍手が起こっていた。

 吉岡秀隆が小説家ということで、若干『ALWAYS』シリーズが頭をかすめ、過去の出演者が登場すると現在の昼ドラのことも思い出したりして、

複雑に頭が入り組んで不思議な感覚があった。

 

(12月27日公開)

 

         

 

 

 


『カツベン!』

2019年12月16日 09時44分54秒 | Weblog

カツベン!

無声映画時代に、日本映画では活動弁士という職業があった。それぞれの映画館には活動弁士がおり、客は活動弁士によって映画館を選んでいたとか。

活動弁士…略してカツベン。映画が娯楽の最前線だった時代の、約100年前を舞台としたとある話。活動弁士を目指す主人公とそれを取り巻く人々を描く。

徳川夢声という名を知っている人もすでに、限られてくるのか…。

『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』などの周防正行監督作品。本線の映画進行だけでなく、劇中の無声映画の撮影方法と周防組とも言える出演者にも注目だ。

 

偽の活動弁士として泥棒一味の片棒を担ぐ生活にウンザリし、そこから抜け出したかった染谷俊太郎(成田凌)はスキをみて一味から逃亡。とある町の映画館にたどり着き、雑用係りとして働き始める。本当の活動弁士になることを目標にし、楽しい日々を送るが、館主や先輩弁士は曲者揃い。

近くに新しい映画館ができたことをきっかけに、過去とも向き合うこととなる。

館主夫婦には竹中直人と渡辺えり。スター気取りの弁士を高良健吾が酒好きの先輩弁士を永瀬正敏が演じる。

俊太郎の幼馴染で女優を目指すヒロインを黒島結菜が務めた。ほかには、井上真央、小日向文世、竹野内豊などが出演している。

 

昔の街並みや映画館の風景を知らない人でもなつかしさが感じられるはず。カツベンは日本独自の映画文化であり、味わい深いと思う。

成田凌、高良健吾、永瀬正敏それぞれの弁士が三者三様である。