ある一定の世代ならニュースや新聞で目にしたことがあると思われるスキージャンプの原田雅彦と西方仁也のライバル争いと、西方の葛藤。
リレハンメル五輪では、原田、西方、岡部、葛西が団体のメンバーとして選出され、最後の原田が失速し銀メダルとなった。
ただ、原田は単純に失速した失敗ジャンプではなかったのも今となっては知られるとこである。
この映画は裏方であるテストジャンパーとして長野五輪スキージャンプ団体優勝を支えた者たちの物語である。
1998年。自国開催となる長野五輪。スキージャンプ陣悲願の金メダル獲得の大目標を掲げ、代表選出基準となる大事な試合が続く中、西方は腰の故障により大けがをしてしまう。
ライバルの原田は好調だったが、西方は代表メンバーの8人から外れてしまう。自分の方が勝てる、そう思う西方をコーチはテストジャンパーとなることを勧める。裏方に甘んじる屈辱を味わいながらも、それぞれの思いを抱えて集まったほかのテストジャンパーのメンバーたちと合宿していた。
五輪本番1本目のジャンプ失敗に日本は逆転を狙うが、猛吹雪のため競技は中断。審判員たちは「テストジャンパー25人が全員無事に飛べたら競技を再開する」という決断を下す。誰かが失敗したら、日本はメダルさえ逃す。そのプレッシャーの中、テストジャンパーたちは飛んでいく。
西方仁也を演じるのは出演作品が多く待機している今が人気の田中圭。その妻・幸枝は、これまでにも田中圭と夫婦役共演経験のある土屋太鳳。
原田雅彦を『カメラを止めるな!』の濱津隆之が演じる。この原田は、本当の原田選手にそっくり。笑ってしまうくらいそっくりなのだ!
他に山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、古田新太など。
監督は『荒川アンダーザブリッジ』『虹色デイズ』の飯塚健。
スポーツ経験者とそうでない人との興味の度合いは違うかも。集まったテストジャンパーにとっても、このテストジャンプの機会は一生に一度となる可能性があり、強い思いを持ってそこにいるということだ。
主題歌はMISIAの「想いはらはらと」で、選手たちの心に優しく寄り添うイメージとなっている。