夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『スリー・ビルボード』(試写会)

2018年01月26日 12時26分21秒 | Weblog

今年度のアカデミー賞で作品賞にノミネートされたことが発表されたばかり。ホットな状況の中での試写会となった。

 ベネチア国際映画祭脚本賞、トロント国際映画祭観客賞を受賞。オスカー女優のフランシス・マクドーマンドが強い母を、警察署長にウディ・ハレルセン、その部下をサム・ロックウェルが演じている。監督は『セブン・サイコパス』のマーティン・マクドーナー。

7ヵ月前、ミルドレッドの娘がレイプされて死亡した。だが、警察の捜査が全く進まず、地元にあった廃れた3つの広告の看板に目をつけ、そこに、警察を非難する広告を出すことを思いつく。

そこから周りの環境が一変。味方だった人や信頼していた人が思わぬ行動を取り始める。そして、犯人らしき人物が現れるのだが…。

アメリカ映画。日本とは文化が違い、人種も違う。それを踏まえて、自分ならどうするか?こんなやり方があるのか?という見方はできると思う。

 

復讐と言うか、やっつけ方というか、気持ちの振り方というか、日本映画とは〝成敗〟の仕方が違うなぁ。

 

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『祈りの幕が下りる時』(試写会)

2018年01月22日 11時15分54秒 | Weblog

 ドラマからの人気シリーズ「新参者」からの映画化。連続ドラマ、スペシャルドラマ、映画『麒麟の翼 劇場版・新参者』に続く。原作は東野圭吾の人気推理小説。阿部寛が主人公の加賀恭一郎を演じる。

これまで描かれなかった父との確執、母の失踪といった加賀自身の謎も明らかになる。

東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人は姿を消し、なぜ滋賀県在住なのに東京で殺されたのか、なぜやって来たのか。その住人と押谷との接点が見つからず捜査は難航する。

そんな中、押谷が中学校の同級生である舞台演出家の浅居博美を訪ねていたことが判明。浅居と加賀のつながりも含めて、徐々に事件が解明されていく。

浅居博美を演じるのは松嶋菜々子。ほかに、小日向文世、山崎努、及川光博、伊藤蘭、溝端淳平、田中麗奈などが顔をそろえた。

大袈裟な犯人追跡や追い込みがないのが、本シリーズの特徴である。普通に平穏に過ごしたいと思っている人が、何かのボタンの掛け違いで、誰でも殺人を犯してしまう可能性がある。そういったことを描いてきたが、今回も同じ。監督が福澤克雄になってもスタンスは変わらず。真面目に生きてきた人がなぜ犯罪に手を染めたのか?犯罪の影の部分、人物の背景や環境を映し出すことに努めている。刑事ドラマというより人間ドラマの観点にあるので、鑑賞後にすっきりできてしまう。

(公開は1月27日)

 

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『嘘八百』

2018年01月21日 00時11分39秒 | Weblog

大物狙いで空振りばかりしている古物商の小池則夫(中井貴一)は、お宝を探しに大阪の堺にやってきた。
ひょんなことから出会ったのは、腕は立つのにくすぶれていた陶芸家の野田佐輔(佐々木蔵之介)。

お互い不平を言いあっていたところ、ある大御所鑑定士(近藤正臣)にいっぱい食わされ、足を引っ張られていたことを知る。
そこで、小池と野田は結託して、〝幻の利休の茶器〟をつくりあげ、大御所鑑定士に一泡吹かせようと一発逆転の大勝負を仕掛ける。

ベテラン俳優たちが、丁々発止。バラエティー豊かで、誰もがコメディ向きというなんとも言えないキャスト。芸達者たちが、軽妙に物語を進める。
誰がどうだまし、だまされているのか、最後にちょっとしたオチも。

日本人向きの日本人らしい骨董ロマンがちりばめられているが、大どんでん返しな展開はないので、なんといっても高齢者はとっつきやすい作品だろう。大阪では、堺が舞台ということもあり、撮影場所を知っているといった話が聞かれた。

中井貴一の娘には森川葵、佐々木蔵之介の息子には前野朋哉。ほかに、友近、堀内敬子、坂田利夫、芦屋雁之助、近藤正臣など。
監督は『百円の恋』の武正晴。

 

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プルートゥ PLUTO

2018年01月12日 09時06分42秒 | Weblog

手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」を漫画家の浦沢直樹とストーリー共同制作者の長崎尚志がリメイクを切望し、手塚プロダクションの許諾を得て、手塚眞の監修のもと、誕生した『PLUTO』。
多くの命題を提示した原作を、舞台化した。
森山未來のアトムと永作博美が演じるウラン/ヘレナの初演を経て、今回は再演となり、ウラン/ヘレナの二役が土屋太鳳に変更となった。
森山未來と土屋太鳳という踊れる二人となったことから、演出・構成も変更された。

プロジェクションマッピングや、セットの移動の仕方、造り方など、巧妙に絶妙に練られた作品。
すごい迫力!。
そして、とても立体的で躍動感!
いわゆるストレートプレイでありながら、それだけではない奥行きがある。


ロボットと人間が共存し、人間がロボットに助けられることがあるんじゃないのか?そんな世界がきたらどうするの?など、いろいろな課題が複雑に入り込むが、多様性のある展開。
人間のエゴが生み出す悲劇。そして、地球の未来は?


さすがに森山未來が、とてもすごい!ダンスの軽さ、しなやかさ。それを見るだけでも価値あり。それに、舞台初出演の土屋太鳳がくらいつく。この作品が初舞台なのは恵まれた環境ではないか、のびのびやれていると思う。ウランとヘレナの演じ分けに注目

また、ヘレナの夫を演じるゲジヒトの大東駿介。最近テレビで見ないと思っていたら、舞台で実力をつけていたとは。物語を引っ張る大事な役どころを見事にこなし、驚いた。

脇を固めた吉見一豊、吹越満、柄本明といったベテラン俳優たちは、やっぱりそれぞれの個性が生きていた。


原作は未読。一見、とっつきにくい内容のように思えるかもしれないが、表現したいこと、言いたいことは十分に伝わる。そして、ものすごく原作が気になる。

いいものを観た。


(シアターコクーンにて。ヨーロッパ公演を経て、大阪公演もあり)


2017年のマイベスト映画5選

2018年01月04日 09時35分53秒 | Weblog

①彼女がその名前を知らない鳥たち…

 蒼井優と阿部サダヲの共演。蒼井優が気だるい、やる気のない女性を素晴らしい演技。それを阿部サダヲが熱く支えていて、バランスが良かった。小資本映画の手本のようなキャストと中身。

②愚行録…

 これも小資本の良作映画。主人公を妻夫木聡。その妹を満島ひかりという実力のあるキャストで。妹は自分の子どもを本当に殺したのか?なぜ殺したのか?という重苦しい展開である。悲しい理 

 由がラストに。

 

③幼な子われらに生まれ…

   浅野忠信と田中麗奈が再婚の夫婦役。思春期の子どもをもつ親の葛藤と子どもの気持ちを繊細に描いている。

 

④ラ・ラ・ランド…

   アカデミー賞候補となり、日本でも高い評価を得た作品。冒頭の高速道路でのダンスシーンからして圧巻。向こうに小さく映っているダンサーまで踊っていた長回しや幾多のダンスの場面でいろいろな映像づくりにチャレンジしているなあ、と思った。物語としては、前半は楽しく、後半は哀愁を感じた。

 

 

⑤この世界の片隅に…

    アニメは苦手ながらも、 『君の名は。』や『打ち上げ花火下から見るか?横から見るか?』は鑑賞した。その中でもこの作品が秀作。戦火の中の市井の人を取り上げた作品。戦争は兵士だけが戦っているわけではないと、改めて。

 

 

 

昨年は『君の膵臓をたべたい』が30億円を超える興行収入を上げ、北村匠海と浜辺美波の新人2人が注目された。が、その話題を知りつつ他の作品を鑑賞してしまっているので、あしからず。