夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『366日』

2025年01月14日 22時57分42秒 | Weblog
20年前の沖縄。母親が亡くなり希望を失っていた湊(赤楚衛二)は、高校の後

輩・玉城美海(上白石萌歌)と出会い、初めての恋をする。湊は「いつか湊先

輩の作った曲、聴きたいです」という美海の言葉を受けて東京へ。2年後には

美海も上京し、再会。二人は幸せに暮らし始める。「こんな幸せな日々が、365

日ずっと続きますように」そう願っていた二人のはずだったが、ある日、湊は

突然別れを告げて美海の前から去ってしまう。その理由は、美海には知らされ

ないままだ。

失恋の悲しみを抱えたまま美海は沖縄へ帰郷する。そして、二人は別の人生を

歩むことに…。

2024年2月29日の東京。

音楽会社に勤務する湊の元へ、一人の少女が訪れる。戸惑う湊に彼女が渡した

のは、一枚のMD。そこに入っていたのは、15年前に別れた恋人・美海からの

メッセージだった。

あの時伝えられなかったお互いの想いや、果たすことができなかった約束。

今の美海の状況を知った湊は、ある決断をする。

これまで何作か上白石萌歌の映画を観たが、これまでで一番かわいく、美しか

ったと思う→見かけではなく、演技が。子どもの抱き方も上手。美海の幼馴染

で湊の後輩を演じた中島裕翔も懐の深い、いい役。

何度も共演している赤楚衛二と上白石萌歌だが、少しだけ時空を超えて異次元

的?な場面はある→主演二人が出ていたあの電車が脱線するドラマではありま

せん😁 

そして、何といっても引っ張られてしまうのが子役。。。とも言えないが。。。の

二人。上白石の娘役を務める稲垣来泉(「ちむどんどん」『そして、バトンは渡さ

れた』)とその幼馴染の齊藤潤(『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける

者』)。さすがに天才的でこの二人のシーンにやられてしまった😭

上白石萌歌の両親を国仲涼子(舞台が沖縄だけに)と杉本哲太が務めている。

湊の大学時代からの友人で同じバンドメンバーには玉城ティナ。他に、溝端淳

平、石田ひかりが出演している。

inspiredとしてHYの「366日」、主題歌はHYの「恋をして」となっている。

監督は恋愛もの映画に定評のある新城毅彦。

MDプレーヤーで日常をつないでいくのがこの作品のキモ。この世代を象徴す

るアイテムとして登場している。「恋をして」は、「366日」のアンサーソング

である。

『映画 グランメゾン★パリ』

2025年01月11日 09時53分42秒 | Weblog
人気ドラマの映画化。監督は塚原あゆ子、脚本は黒岩勉。“グランメゾン東

京”の場面もあるので、どこで登場するかお楽しみに。

「グランメゾン東京」が日本で“三つ星”を獲得してからの時が経ったパリ。

尾花夏樹(木村拓哉)は早見倫子(鈴木京香)と「グランメゾン・パリ」を立

ち上げ、アジア人初となる、ミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘してい

た。

名だたる巨匠たちがしのぎを削る本場のフランスにおいて、フランス料理

で“三つ星”を獲得することは尾花の悲願。だが、異国での日本人シェフにとっ

ては満足のいく食材を手にいれることは至難の業だった。高い壁を越えて“三

つ星”に選ばれることなど夢物語。しかも、個性が強い尾花の要求にスタッフ

はついていくことはできず、気持ちがバラバラな状態となっていく。

そして、あるあるガラディナーでの失態が原因で、かつての師と「次のミシュ

ランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束を

交わしてしまう。

尾花は、挫折や国境の壁を乗り越え、仲間とともに“三つ星”を手に入れること

はできるのか。。。更なる奮闘が始まる。

キャストは木村拓哉、鈴木京香の他に、パリ編からオク・テギョン、正門良規

(Aえ!group)。ドラマレギュラーの玉森裕太(Kis-My-Ft2)、寛一郎、吉谷

彩子、中村アン、冨永愛、及川光博、沢村一樹。

展開に驚くことはない。予定調和と言ってもいいぐらいだ、だからこそ安心し

て観ることことができるとも言えるので、それはそれでオッケーだろう。パリ

の景色は映画だからこそのアングルもある。そして何より、フレンチは“だから

フレンチなのか!”と気づかされることもある。

この映画で出てくるフレンチのフルコース、いったいいくらするのだろう😓 

食べたくても無理なのだろうね、味も想像できない。が、お腹は空くかもし

れないので、何か食べておくことをおすすめする😋

料理監修はアジア人で初めて、フランスでフランス料理の三つ星を獲得した

『Restaurante KEI』の小林圭氏。


舞台「桜の園」

2025年01月07日 22時36分03秒 | Weblog
この添付されたポスターでは解りづらいが、出演者が豪華!というか、演劇の

プロたちが揃いも揃っていてエグかったという感想をまず。

シスカンパニー公演。原作はアントン・チェーホフ。上演台本・演出はケラリ

ーノ・サンドロヴィッチ。なんか凄くない?と思って獲ったチケット。当方は

初チェーホフで、初の天海祐希の舞台鑑賞である。ミュージカルではない井上

芳雄も初かもしない。ケラさんの演出舞台を観劇するのも久しぶり。とにか

く、最初は天海祐希と井上芳雄の名前に惹かれてしまったけれども…。

「かもめ」(2013)、「三人姉妹」(2015)、「ワーニャ伯父さん」(2017)と紡が

れてきた KERA meets CHEKHOV チェーホフ四大戯曲上演シリーズの

最終章が「桜の園」となる!!

19世紀末のロシア。桜の木に囲まれた広大な領地は、すでに抵当に入り、まも

なく競売にかけられる運命にある。

ラネーフスカヤ夫人(天海祐希)は、金銭感覚がなく、男にもホイホイとお金

を渡してしまう。親の財を失くしてきた。トロフィーモフ(井上芳雄)は大学

生を何年も続け、卒業できる見込みはなく、まるで学生には見えない。ラネー

フスカヤの兄(山崎一)もお人よし。父の代から仕えるフィールス(浅野

和之)は、すでに腰の曲がった老人となっている。

桜の園がある家に集まった人たち。

厳しい現実をよそに過去の栄華にしがみつく者。ある者は新しい時代を夢見て

前を向く。人々の思いが交差する中、競売の日がやってくる。

アーニャ・大原櫻子、シャルロッタ・緒川たまき、ワーリャ・峯村リエ、ドゥ

ニャーシャ・池谷のぶえ、ロバーヒン・荒川良々、ヤーシャ・鈴木浩介、エビ

ホードフ・山中崇、ビーシチク・藤田秀世というキャスト。当方としては、改

めて池谷のぶえと峯村リエが一緒て何??(テレビでは近所のおばさん的な役

柄でお馴染みだが、池谷のぶえさんは讀賣演劇賞主演女優賞を受賞していま

す)凄ないここ!!となった。二人ともかなり若い役で、池谷のぶえは少女の

ような声で演じていた。

井上芳雄はいつ登場しているのかわからない見かけ。やっと声でわかった。当

方は原作を読んでいないので、登場人物にかなりの新鮮度を感じた。天海祐希

の存在感は圧倒的で言うまでもなし。荒川良々も鈴木浩介も舞台が主戦場で、

さすがとしか言いようがないのである。緒川たまき(ケラさんの妻)は、やは

り妖艶。謎の女が似合うわあ。

舞台転換はほぼ出演者たちで何気なく行う。部屋の中も桜の園も素敵な景色

となっている。こういうところも、舞台作品のいいところだ。

人の驕りや、努力、環境、情報の精査能力について考えさせられる作品。親の

財産は自分で築いたものではないということ、貧しくて学ぶことができなかっ

たとしても世に出ることはできることを教えてくれているのではなかろうか。

せめて、前へ進むことができればいいが。

通りすがりの男及び下男・猪俣三四郎、下男・矢部祥太、駅長と下男・吉澤宙

彦の役柄と名前も記しておく。

当方は大阪公演初日の1月6日を観劇(東京公演は終了している)。13日まで

SkyシアターMBSで公演のあとは、福岡公演(キャナルシティ劇場)1月

18日~26日までが控える。






『劇場版 DoctorーX FINAL』

2024年12月31日 10時09分13秒 | Weblog

まず、当方はテレビドラマの「DoctorーX」シリーズを一話でも最初から最後

まで見たことがない。

何かの番組を見るために早めにチャンネルを合わせる、たまたまチャンネルが

そこに合わせられていたという程度の視聴で、長くても数分単位。ゆえに、歴

代の出演者すべての関係性を理解できているわけではないのだが、映画として

鑑賞することができるのでドラマとしての先入観はなしで。

フリーランスの天才外科医・大門未知子(米倉涼子)は、某国の大統領選挙の

命を救うために日本を離れていた。

一方、東帝大学病院では、神津比呂人(染谷将太)が新病院長として現れる。

比呂人は凄腕の外科医で政財界にも顔が利き、双子の弟・多可人(染谷将太・

二役)は医療開発会社で資金のバックアップを行っていた。徹底的な合理化を

図られる上、手術数も増え、次々とクビを切られていく医師と看護師たち。か

つての同僚・森本(田中圭)に東帝大学病院に呼び戻された大門は、比呂人と

意気投合。だが、大門の師匠である晶(岸部一徳)と会った比呂人は顔色を変

える。比呂人が東帝大学にやってきた目的とは?

また、森本は大門の過去を探りに広島・呉にやってきていた。そこで森本は外

科医・大門未知子誕生の秘密を知ることになる。やがて大門は史上最大の危機

に直面する。

そして、大門はある方法で手術を行う。それは、医師免許をはく奪される“悪

魔のオペ”だった。

いつも“私、失敗しないので”と語る大門未知子。その理由もわかる。

おそらく、≪FINAL≫にふさわしいラストになっている。ドラマを全編視聴し

たことがない当方でさえ、謎はなく、納得できた。ドラマを視聴してきた人を

裏切らないはずである。

出演は、内田有紀、今田美桜、勝村政信、鈴木浩介、遠藤憲一、西田敏行など

は変わらず。泣いたり笑ったりをすべてわかっている安定のメンバーに、呉の

場面では綾野剛が登場する。

脚本は中園ミホ、監督は田村直己。主題歌はAdoが歌う「Episode X」。

蛇足…染谷将太は二役と言いたいところだが、人格としては三役に取り組んで

いると言っていいのではないだろうか。そこは、映画らしいキャストで魅了

し、あっと言わせる。

西田敏行、遠藤憲一、米倉涼子の息のあったところ。もう見ることができなく

なりました。西田さん、この時は台詞もはっきりしていて、悪と善を見事に演

じ切ってました。流石です。ありがとうございました。


「夢の三競演 三枚看板・大看板・金看板」

2024年12月27日 22時50分01秒 | Weblog
 SkyシアターMBSにて(12月25日)

いつも取れるわけではないチケット。貴重な落語会が今年はオープン
したばかりのSkyシアターMBSにて開催された。

三人揃っての口上では、鶴瓶氏がヤフーニュースになったことに触れ
(車いすに乗る姿が見られたというような)、立ち上がったり、歩い
たりの姿を見せるように文珍氏に促されていた。
また、この公演の前にロケが行われ、正月3日に放送されることが発
表された。駅伝が始まる前にMBSで。わちゃわちゃした様子が見るこ
とができるようです。

 開口一番  笑福亭べ瓶

 「三年目」  笑福亭鶴瓶

 ????  桂  文珍(申し訳ない。3分の1居眠りしてしまい
            ました😭 )…間違えてしもた、とのこと
  (中入り)

 「文七元結」 桂 南光

半ばで集中が切れてしまい、残念な限り。
クリスマスということもあり、手ぬぐいが三人から客席に投げ入れら
れた。ただ、当方のいた一階半ばの座席までは全く届かずで、これも
残念でした。ただ、サービス精神は旺盛だし、みなさん元気でよかっ
た。またチケットを取っていきたい公演である。それぞれに事務所が
異なる三人であるだけに貴重だ。

国立国際美術館 常設展示

2024年12月23日 19時54分02秒 | Weblog
  
               現代美術館のため、価値観にとらわれず
               いろいろな作品があらゆるところに展示
               されています。
   
 上や下や横、あらゆる角度で鑑賞して作者と作品名が載っているキャプショ    
 ンを探してみてください。
  

国際美術館 コレクション展「彼女の肖像」 ⑥

2024年12月17日 21時08分25秒 | Weblog
 
         
                  →ズームした写真
この作品の不思議な世界観。ものすごく丁寧。キャプションに、ベルベット
とあるのが確認できるだろうか。思わず写真を撮りたくなる作品のひとつ。


 下の作品2点。片山真理作。
額縁も含めて作品である。キラキラしている。目を引く作品。
  


    


  

   

このフロアの全体的なイメージ。手に触れたり、足で踏んでみたりは、もちろんなってはいけないゾーンなので注意したい。現代展のおもしろさ。

現在の展示は1月26日まで。興味ある方は足を運んでみては??


「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」

2024年12月14日 18時31分23秒 | Weblog
全世界累計発行部数1000万部を突破した「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリ

ーズ。2013年に刊行された廣崎玲子作、jyajyaの絵による大ヒットシリーズ

は、子どもたちの心を動かし現在も大人気継続刊行中である。

新米教師の等々力小太郎(大橋和也)は、赴任した小学校でふしぎな駄菓子屋

の噂を生徒たちから聞く。その店の名は「銭天堂」。生徒によると、ものまね

がうまくなったり、テストの点数が上がっているという。

店を訪れると店主の紅子(天海祐希)がいて、ぴったりのお菓子を選んでくれ

るという。ただ、食べ方や使い方を間違えると大変なことになる。やがて、小

太郎が片思いをする友人・陽子(伊原六花)までもが銭天堂で買った駄菓子を

食べてしまうが、人に認められたいというその思いが暴走する。

小太郎は密かに銭天堂を探すが、別の店「たたりめ堂」の存在に気づく。その

店には、不気味に笑う店主・よどみ(上白石萌音)がいた。人の恨みや嫉妬

を好物にしていた。

願いがかなう駄菓子を手に入れ、願いが叶ったとしてもそれはある意味一瞬だ

けのこと。それをどう継続するのかは、結局は自分次第である。駄菓子はきっ

かけでしかないということをさりげなく示す物語。

令和の子どもたちが訪れる昭和感あふれる駄菓子屋。そのお菓子のネーミング

のおもしろさとわかりやすさにクスクスする。

天海祐希は恰幅良い装い。言葉も「ござんす」口調でいつもとは違う役柄だ。

一方、上白石萌音はラストに名前が出るエンドロール。この映画では、バラエ

ティでよく使われる上“黒”石萌音が満載の出演。かわいさも、けなげさも一切

なし。

この役柄に上白石萌音をキャスティングした人は、黒い部分をよくわかってい

るなあと思う。映画の中では、どのように紅子さんにやっつけられ、退場とな

るのかお楽しみに。少しホラーさもあるのだが、監督が中田秀夫だからかもし

れない。

そして、主演はこの人ではないかというほど奮闘していた大橋和也に注目

を、、、と書くまでもなく出番が多い。

当方は原作は未読。以前の職場に置いてあり、おもしろいから読んでと勧めら

れていたのに、読まないままだった。映画化されると聞き、ちょっと後悔。

が、映画は映画として十分に楽しめるのでぜひ。映画を観て気になる人は原作

を手にしてもいい。

国立国際美術館 コレクション展「彼女の肖像」 ⑤

2024年12月14日 08時05分14秒 | Weblog
第5章 個人と国家
 第二次世界大戦後、冷戦下のアジアでは、朝鮮戦争が勃発しました。アメリカ占領下の日本には多数の米軍施設が置かれ、基地を経由して兵士たちが戦場へと送られました。本章では、国家の引いた境界線が女子たちにもたらした現実と、その中で生きる人々の姿や痕跡を見ていきます。

   

 敗戦後、基地の置かれた横須賀には、米軍向けの歓楽街が準備され、そこで働く女子たちが集められました。10代を横須賀で過ごした石内都は、キャバレーやバーなどの立ち並ぶ基地の通りは、「横須賀ではなくアメリカ」であり、衣類手はいけないと聞かされ育ちます。一度横須賀を離れた石内はカメラを
持って基地の近くの街並みを撮影しに戻り、1981年に、通りにあった元キャバレーを会場に写真展を開きました。米兵向けの慰安施設の神奈川県での第一号となった呉楽荘が取り壊される前の様子も撮影しています。
(章解説より抜粋)

            
この写真はどのように見えるだろうか。離れて撮影した原作の写真を撮影すると、花々が咲いて綺麗に見える。だが、その写真をズームすると
                ↓

          
 赤い花だと思っていたのは、      こちらはピタリと揃えられた
 赤い服を着て白い花を持って      プラカード。
 手を挙げている女性たち。 
この写真のタイトルは「ピョンヤン」、アンドレス・グルスキーの作品である。昔、テレビのニュースで見た記憶あり?
 アンドレス・グルスキーは、2007年に北朝鮮の平壌で行われたアリラン祭を撮影に訪れました。この国家規模のマスゲームを実現するためには数万人の国民が動員されます。グルスキーはスティッチング(画像合成)の技術によって、目を見張るようなスぺクタルを構成する女性たち一人ひとりの顔にピントを合わせ、国家という共同体を形づくる個人の存在を浮かびあがらせています。
(章解説より抜粋)  

また、動画なので撮影を控えたが、山城知佳子は沖縄出身。
山城知佳子の多くの初期作品の多くには、自身の姿が登場します。亀甲墓の周りを黒衣で弾みながら踊る姿から一転して、金網で隔たれた土地の回りを淡々と歩く足取りは重く、金網の奥に見える墓の側には近寄ることができません。海岸線を超えて海まで続く有刺鉄線という、ひときわ場違いな「境界線」は、現在まで続く沖縄の困難を物語ります。(章解説より抜粋)
先祖代々の墓が米軍基地の中にある人たちの思いはどこに、、、

そして、撮影が付加な石川真生の作品
沖縄は1972年まで占領下におかれ、基地面積はほとんど変わらず、一部は増設されます。沖縄で生まれ育った石川真生は、米兵を撮影するため、1975年から77年にかけて基地の近くのコザや金武町の黒人向けバーで働きました。しかし、石川のカメラはやがて、同僚である女性たちに惹きつけられるようになります。米兵の男性たちと心を通わせ、働き、逞しく暮らす沖縄の女性たちの写真は、石川から彼女らに捧げられた賛歌です。(章解説より抜粋)
*ぜひ見てほしい。開催後半から作品が交換されている

国立国際美術館 コレクション展『彼女の肖像』 ④

2024年12月11日 20時02分12秒 | Weblog
第4章 労働と移動
 本章では、家庭の内外で働く女性たちや、経済の不均衡を背景に移動する女
性たちの働く姿を紹介します。 20世紀のアメリカで、工場で働く人々を写
したルイス・W・ハイ写真。働いているのはまだあどけなさを残す幼い少女たちです。当時のアメリカでは、少女や少年たちが安価な労働力として過酷な労働に従事しており、ハインの写真は公にされない悲惨な現状を告発するための重要な証拠でした。彼の膨大な記録は、やがてアメリカ児童労働法の成立の機運を高めることになります。

放置された建物や解体される建物を撮影してきた写真家の宮本隆治は、1987年に香港にある巨大なコンクリート街、九龍城砦を訪れます。イギリスと中国の管轄の真空地帯となった九龍城砦には、難民たちが流れ込み、住民の数は時代ととみに膨れ上がっていきました。スラムや違法な商売の巣窟として名を馳せた九龍城ですが、宮本の写真には、生業に従事し、子どもたちを養い、暮らしを営む女性たちの姿が写っています。1993年、政府による立ち退き要請のあとに、九龍城砦は10ヶ月で完全に取り壊され、跡地には公園が建設されました。住民が去った九龍城塞の姿はかつての面影と、そこに生活していた人々の行方を偲ばせます。
 ジャオ・チアエンによる3映像では、ベトナムやタイ、フィリピン、インドネシアといった東南アジア諸国から台湾へ働きに来た人々が、最近みた夢の話をします。1990年代、少子高齢化による介護福祉分野の労働力不足を補うために、台湾では海外移民を積極的に受け入れました。その結果出稼ぎ労働者や国際結婚が増加しますが、当時台湾にやってくる移民のほとんどが女性でした。彼女たちの見る夢には、故郷に残した家族への思い、生まれた土地から遠く離れた場所で働く不安な心情があらわれています。
(章解説より抜粋)

   ルイス・W・ハイン
「海老取りの少年たち、ミシシッピー州」などを含めて4作品が展示されている。

  

  

宮本隆司「九龍城砦」9作品が展示してあるが、ズームにすると人々の暮らしが垣間見える。

   

小沢剛「ベジタブル・ウェポン     「ベジタブル・ウェポン
      ー舞台鍋/ソウル」     ーさんまのつみれ鍋/東京」

銃が野菜なら戦争はなくなるかな。みんなで仲良く鍋を囲みながら、、、を想像

*ジャオ・チアエンの作品は個室形式。カーテンの中にモニターが設置されている。
(キャプションより抜粋
≪レム睡眠≫は、台湾政府の政策変更があった1990年代に、同地にやってきたインドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム人の短期労働者の夢を抽出したドキュメンタリー作品である。)