夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「インセプション」

2010年08月29日 18時57分12秒 | Weblog
 他人の夢に潜入して、刻まれた記憶を盗みとる。それがコブの仕事だ。その仕事を遂行するには、夢を共有できる装置と仲間が必要となる。
 日本の大手企業の代表であるサイトーから、ライバル企業の跡取り息子の夢に、ある情報を植え込み《インセプション》を依頼されたコブ。以前に植え込み作業をしたことがあり、失敗したと考えていたコブはその依頼を断ろうとするが、サイトーは、そのミッションに成功すると、コブを母国に帰国させるということを約束する。
 その条件に飛びついたコブは、仲間を集めて作戦を成功させようと奮闘することとなる。
 夢の世界は階層に分かれている。時間軸を動かしながら、夢と夢。夢と現実を行ったり来たり。そこにコブの心の闇や、跡取り息子の苦悩を描き出す。サイトーは、その仕事を見学する“観光客”として参加することになるが…。
 コブの夢の中に再三登場する最愛の妻。コブを演じるのは、レオナルド・ディカプリオ。最愛の女性が物語りのカギを握るという意味では、『シャッターアイランド』と少し似ているが、あまりこだわると話がややこしくなるので、ここは気にしない方がいいだろう。
 レオナルド・ディカプリオが『ダークナイト』の監督、クリストファー・ノーランの作品に出演するということで上映前から話題になっていた。サイトーを演じるのは、『バッドマン ビギンズ』以来、ノーラン監督の作品は2度目となる渡辺謙。 渡辺謙も、重要な役所だ。
 物語りをわかりやすく説明するのは難しい。リピーターも出現しているだろう。

「浮気日和」

2010年08月22日 16時29分01秒 | Weblog
 主役の女優二人が対比されている。静と動。浮気しようと思いながら、カマトトぶりなかなか先に進ませないチャングンセと、堂々とそして大胆なイスル。それぞれの夫婦は、冷めているけれど、別れられないという関係が続いている。
 そして、チャングンセは証券マンと、イスルは大学生と逢瀬を重ねている。しかし、ある日、ホテルに警察が乗り込んで来て…。
 姦通罪がある韓国。不倫は罪なのだけれど、それを明るく楽しく描いている。ただ、現実的には女性が自分らしく生きるには、まだしんどい部分もあるのかも。しかし、そこは力強くて明るい韓国の女性たち。それを示すように、この作品はエネルギッシュで韓国映画らしい。
 ちなみに、イスルを演じるキム・ヘスのセリフと性描写部分はかなり大胆であっけらかんとしている。この役柄を許されるのは、キム・ヘスだからだろう。チャングンセを演じるのは『オールド・ボーイ』のユン・ジンソ。監督・脚本は「幸福な葬儀屋」のチャン・ムニル。
※韓流シネマフェスティバルにて(2007年、韓国公開作品)

「ちょんまげぷりん」

2010年08月22日 10時08分12秒 | Weblog
 映画『スイートリトルライズ』を観に行ったときに、狭い劇場に若い子を中心に行列ができていた。何なんだろうと、見てみたら舞台挨拶つきの前売り発売日だった。その映画が今考えたらこの『ちょんまげぷりん』。当時は、ポスターを見ながら“これはないなぁ”と思った。しかし、日増しに気になってきたこの映画。どうやら大人も十分鑑賞できるらしい、ということで、その『ちょんまげぷりん』。
 180年前の江戸時代の侍・木島安兵衛は、現代の巣鴨にやってきた。何をどうしていいやら、どこに行けばいいやらわからないところを、遊佐ひろ子に助けられ、同居することになる。そこで初めてプリンをご馳走になる安兵衛。そして、安兵衛はひろ子が外に仕事に出ていることを知り、住まわせてくれる恩返しとして、家事を手伝うことにする。そのうちに安兵衛は菓子づくりの達人となり…。
 昔の感覚と現代感覚のギャップがこの映画のツボ。
 シングルマザーの社会での生きづらさや閉塞感。古来からの?男性の役割や女性の役割の価値観をさりげなく描いている。そして、安兵衛が江戸時代の言葉をつかって、現代人に説教する。それが愉快で痛快。
 現代にタイムスリップしてくる江戸時代の武士に、錦戸亮。離婚後、息子を一人で育てる母には、ともさかりえ。監督は『ゴールデンスランバー』などの中村義洋。

「ベスト・キッド」(試写会)

2010年08月03日 16時52分10秒 | Weblog
 1985年公開の『ベスト・キッド』のリメイク。前作は、弱々しい高校生が空手の老師匠と出会い、修行を積むに連れ高校生が心身ともに成長していく姿を描いていた。今作は、オリジナルの概念は継承されているが、11歳の小学生が主人公である。
 アメリカのデトロイトから、中国の自動車工場で母が働くため、母と中国へ引っ越すドレ。しかし、文化の違いと言葉の壁から、新しい学校ではいじめの対象となる。いじめられっ子から脱却するために、カンフーの達人・ハンからカンフーを習うことになったドレだが…。
 いきなり、不景気なアメリカから経済大国の中国への引っ越し場面。現在の景気の力関係を表す、現実的場面だ。
 そして場面が進むごとに感じる。これは、今の中国は“心”がないエリート教育をしていると言いたいのか?と。勝負に勝つためには情け容赦なし。倒れている人間に、とどめまで刺す。勝つために手段は選ばないのだ。そんな中国を非難しているに違いない、と。とはいえ、子どもたちはいずれも好演。“本当のカンフー”と“偽物のカンフー”の戦いという簡単な構図。しかし、つい力が入って観てしまう。手に汗を握らずにはおられない。
 主人公のドレには、『幸せのちから』で名演技を見せたウィル・スミスの実子、ジェイデン・スミス。カンフーの達人・ハンには、この役柄がぴったりのジャッキー・チェン。監督は『ピンクパンサー2』のハラルド・ズワルト。
 前作では、師匠がお箸でハエを掴んでいたが、今作では…お見逃しなくとしか言いようがない。
(8月14日公開)