夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ウェディング・ハイ』

2022年03月28日 23時49分27秒 | Weblog

ウェディング・ハイ

『地獄の花園』『殺意の道程』などで、脚本家としての才能も発揮しているお笑い芸人、バカリズムのオリジナル作品。
新田遥(関水渚)は、元カレと別れたあと、友人の紹介で石川彰人(中村倫也)と知り合う。彰人もまた、友人が次々と結婚していき、寂しい日々を送っていたので自分もそろそろ、、、と思っていた時期だった。
付き合って1年が経ち、無事に結婚の運びとなり、彰人はできうる限り彼女に気を使いながら、そして敏腕ウェディングプランナー中越(篠原涼子)に支えられながら結婚式に関するあれこれを進めていく。

迎えた結婚式当日。少しでも安く、と選んだので、あとにも結婚式が詰まっている時間帯。長引くことはできず、時間厳守となる。
ところが、後輩(中尾明慶)が作った新郎新婦のVTR、主賓挨拶の上司・財津(高橋克実)、乾杯の音頭と、次々と個人の思い入れの強さが暴走する。その結果、予定時刻より1時間がおしてしまう。時間延長ができない中、新郎新婦の協力を得て中越は知恵と工夫で時間を取り戻すべく奮闘する。

だが、その裏でさらにドラバタ劇が繰り広げられていた。

春休みの時期は子ども向けの映画が多く、鑑賞作品に悩んでしまう。そのため、映画館に行ってちょうどいい上映時間のものを選んだ。予告編を観ていたときは正直、どうしよ??と思っていたのだが、期待していない分、、、失礼しますが褒めてます、、、こんな展開が待っていたのかと楽しめた。ただ、それを楽しめるかどうかは微妙なところもあるとは思う。

監督は『勝手にふるえてろ』の大九明子。この作品も女性目線が生かされている。

新郎新婦の父親であるには尾美としのりと六角精児。ほかに片桐はいり、皆川猿時などたが、向井理と岩田剛典の登場に注視したい。


『ドライブ・マイ・カー』

2022年03月26日 21時46分06秒 | Weblog

ドライブ・マイ・カー

第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞ほかを受賞した。
この受賞がスタートとなり、アカデミー賞作品をも受賞するか?とされているのは言わずと知れたところ。

俳優であり演出家でもある家福(西島秀俊)は、心から愛する妻・音(霧島れいか)と何の不満もなく日々を送っていた。
しかし、ある秘密を残したまま亡くなってしまう。
その、2年後、、、。広島で演劇祭が開かれることになり、愛車で向かった家福は、専属ドライバー・みさき(三浦透子)をつけられる。
オーディションでは、日本人たけでなく香港や韓国からの応募者があり、その中にはかつて音から紹介された高槻(岡田将生)もいた。多国籍な分、意思疎通などの問題はあるが稽古は順調に進んでいく。ところが、ある事件が起きてしまう。

そして、ニコリとも笑わず寡黙なドライバーみさきだが、家福はその運転技術に感心し、信頼を寄せていく。
若いみさきが広島でドライバーをしているわけを聞き、家福は妻が抱えてきた秘密を話し始める。
このあたりのラスト20分は息を飲む展開となる。

この作品の映像化を熱望し、自ら脚本も手がけたのは濱口竜也監督。『寝ても覚めても』でも注目された。


村上春樹の短編小説、劇中劇が多国籍キャストでそのままその国の言語で上演されるところ、人権問題が絡んできたり、それぞれに“事情”を抱えているところなどの背景を考えると、昨今のアカデミー賞の傾向から見ると、この作品が作品賞を取るかもしてない、と思わされる内容ではあった。
約3時間という上映時間。うまく構成されていると思った。


印象派光の系譜

2022年03月24日 15時35分48秒 | Weblog


モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガンなど。イスラエル博物館が所蔵する美術展をあべのハルカス美術館で。
4月3日、日曜日までの期間で終了が迫っているせいか、行列のできる人気となっているようだ。


また、今週の月曜日の菅田将暉主演ドラマで大阪でやっている印象派展に出向いているシーンがあったが、この展示を観たのだと思われる←撮影は去年のうちに終わっているはずで、よくここを出してきたと思った。

誘われてしまう印象派展。まだ見ていないモネの睡蓮を見たいと思う人も多いかと思う。

そして、印象派とは関係なく思い出してしまうこと。ゴッホとゴーガンの絵を見ると、昔観劇した三谷幸喜の舞台作品「コンフィダント 絆」の記憶が蘇る。短いが、二人が共に暮らしていたときの話。
けんかしながら、仲間から刺激を受けながら、もがく。そして、ゴーガンほタヒチへ。
と、これはまったくの余談である。

美術館では好きな絵をじっと見ていればいいと思う。
自分が館内で撮影したモネの睡蓮の池は、ぶれぶれとなってしまい、掲載できません。。。


『KAPPEI カッペイ』

2022年03月19日 20時38分54秒 | Weblog

KAPPEI カッペイ

「デトロイト・メタル・シティ」で知られる漫画家・若杉公徳が手がけたギャグ漫画「KAPPEI」を実写化。

1999年7月に世界が滅亡するという「ノストラダムスの大予言」を信じ、終末の救世主となるべく、人里離れた場所で修行にあけくれていた勝平(伊藤英明)。

しかし、世界は滅亡することなく、師匠(古田新太)に「解散」を言い渡される。「終末の戦士」たちは、それぞれの場所へ。そして、東京へやってきた勝平はその“世界”についていけないでいたが、偶然、気弱な大学生・啓太(西畑大吾)を助ける。

それをきっかけに、啓太と同じ大学に通う山瀬ハル(上白石萌歌)と知り合い、人生で初めての恋を知る。そんなとき、かつての修行仲間である守(大貫勇輔)や正義(山本耕史)、英雄(小澤征悦)と再会する。

“終末の戦士”では、北斗の拳を彷彿させられるが、40歳オーバーしているおじさんたちが大まじめにギャグをしている純情物語。エロいシーンには要注意。

ヒロインをつとめる上白石萌歌と主要メンバーとは親子ほどの年の差があるので、突っ込みを入れたくなるが、それも含めてこの映画のおもしろさになっていると思う。上白石萌歌か憧れる先輩を演じるのは岡崎体育で、役得な立ち位置である。

何も考えず観ることができるのがいいところだ。←褒めてる

監督は平野隆がつとめている。


舞台「千と千尋の神隠し」(帝国劇場にて)

2022年03月16日 17時55分36秒 | Weblog

  

スタジオジブリのアニメーション映画『千と千尋の神隠し』が舞台化されている。

上白石萌音の千尋と夏木マリの湯婆婆・銭婆で鑑賞した。←観るならこの二人の時に!と思い、

キャストはこの二人で一本狙い。

上白石萌音はこれまでミュージカルも含めて舞台経験が豊富。


その経験から、この作品ではアニメーションでの細かいしぐさや立ち姿にこだわって演じて

いると思われる。声色も高めで、澄んだ声を響かせて10歳の子どもになりきっている。

やはり、この人は舞台女優なのだと思う。


湯婆婆・銭婆についてはアニメーションと同じく夏木マリが演じているのでリアルに湯婆婆

・銭婆の楽しみがあった。

鑑賞したのは二階最後列席。チケットがこれしか取れなかったとき、帝国劇場で最後列…ど

うしよう??と思い、地元での公演での鑑賞をしたいと探ったがまったくチケットは取れな

かった。だが、心配は無用。セット全体を見渡せたし、もしかしたら下の階にいた人では見

えなかったところが見えたということもあったかもしれない。

冒頭とラストはジブリのアニメーションが登場する。

そして、映画を観た人なら感じるであろう、あのシーンはどうなるのか?と浮かぶ箇所の

いくつか。

それらは、ほぼ手作業だ。思うよりもアナログ。流行りの映像技術は使っていない。

それがまた舞台制作として秀逸で、その“アナログ技術“に感心してしまう。

想像も掻き立てられる。


どこがどうとは書けないし、チケットは容易く取れないのでぜひ劇場へ!とも言えない。

映画に忠実。

それでいて、映画のようで舞台作品。映画を越えてしまっている舞台。

ストレートプレイのようでいて、ミュージカルのようにも思える。

贅沢な時間を過ごした。

ほとんどのキャストがダブルキャスト。千尋の役は、橋本環奈もつとめる。その鑑賞は

できないので、あやふやに触れることはしないでおこうと思う。

演出は「レ・ミゼラブル」「ナイツ・テイル 騎士物語」のジョン・ケアード。当方は、

昨年に再演された「ナイツ・テイル 騎士物語」以来の上白石萌音の出演舞台観劇とな

った。

(3月14日、帝国劇場にて鑑賞)


『余命10年』

2022年03月09日 09時33分36秒 | Weblog

刊行前に、原作者である小坂流加氏自身が難病により亡くなる。著者のプロフィール欄を見て驚いた読者が多いと思う。

2017年の発売以来、SNSを中心に反響があり、ベストセラーとなった原作小説の映画化である。

「余命10年って笑えるよね、長いんだか短いんだか、どっちなんだって感じ」

数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った20歳の茉莉(小松菜奈)。

彼女は恋だけはしないと心に決めていた。生きることに執着しないように。

しかし、中学時代の同窓会に参加し、和人(坂口健太郎)と再会してから、これまでと違う生き方が動き始める。

この系統の作品を観ていつも思うことは、生きていくということは、生きて逝くということ。自分なりに精一杯生きることが大事ということである。

この作品も決して“お涙頂戴“だけにはなっていない。

家族や友人に支えられながら、生きてる。そう捉えられる。

茉莉の両親を演じるのは、松重豊と原日出子。姉を黒木華。

キーとなる友人は、山田裕貴と菜緒が演じている。

脚本は、多くの若者のラブストーリーを描いてきた岡田惠和と渡邉真子が担った。音楽はRADWIMPS。

キャストの中で特筆すべきことがあるなら、黒木華である。

姉でありながら、母性的な面が溢れる演技で、さすがだ。

あとは、個々に自由に感じることはあるだろう。

松重豊をみて、“虚無さん!”と思ってしまった朝ドラフリークて申し訳ないと思いつつも‥。

監督は『新聞記者』『やくざと家族 The Family』の藤井道人。堅い作品とラブストーリーという相反する作品を演出している。