戦前、カナダのバンクーバーに野球チームがあり、差別に耐えながら野球で認められようと頑張った人たちの歴史。まず、こんなことがあったんですということで軽く歴史が知れる。
野球のことでは、この時代にはすでに日本の戦い方である〝リトルベースボール〟が生まれていた…という歴史も軽く知ることができる。
が、それだけ。すごい名作感を出しながら、湧き立つものがない。不思議な感覚を覚える映画。
妻夫木聡、勝地涼、亀梨和也、上地雄輔という演じることができるキャスト、野球ができるキャストが揃ったのに生かしきれていない。脚本でなんとかしないと…。
宮崎あおい、高畑充希、佐藤浩市も出演している贅沢な映画。
ラストにある老人がインサートされるが、紹介はなし。野球のメンバーだったのか?メンバーだとしたら誰なのか?映画を観る限りわからない。
いろいろなしがらみはあったのかはしれないが、石井裕也監督には自由に撮ってほしかった。『舟を編む』がおもしろかっただけに、残念だ。
ただ、ハードルを高くして観てしまったのもしれないが。
(11月26日、試写会にて鑑賞済み)