夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「笑福亭鶴瓶落語会」

2021年10月30日 12時57分42秒 | Weblog

なかなか取れない鶴瓶師匠の落語会チケット
そのうえ、コロナ感染拡大防止のため、笑福亭鶴瓶落語会も中止になったりして久しぶりの落語会への参戦となった。
30日、31日は13:00からの上演となる。

冒頭は、雑談。いわば、噺。
ただ、今回は「鶴瓶噺」ではないので、「ちゃんとあとで落語はします」と言いつつしゃべりまくり笑わせていた

余談だが私の前席の男性は、私の膝に当たらんばかりにのけぞって大笑いしていた。


だが、携帯での何かの通信音や通電などがそこかしこであり、鶴瓶師匠本人が「電話とって、とらんほうが気になる。

あとで落語のときはやめてほしいけど」とやんわり注意など入れながら、軽妙にトークから落語の世界へと誘っていった。

前半の演目は山名家浦里


これは、ブラタモリで森田一義氏が吉原へ出向いたときに聞いた話で、笑っていいとも!のときに鶴瓶師匠

「こんな話を聞いたんだよ、落語にしたらおもしろくない?」


ということで、鶴瓶師匠が落語にしたもの。さらには、その鶴瓶師匠の落語を聴いた先代の中村勘九郎が歌舞伎の演目に

するという発展を見せた。芸達者どおしが刺激しあった関係が素敵で、もうそれもないと思うと寂しいが息子たちがその

演目を引き継いでいて、本年11月、赤坂大歌舞伎で再演される。

「吉原」という限られた中でしか生きられない女性が、外の世界のことを知りたいと願うその姿が浮かぶ。

中入り後はお直し

これも吉原が絡んではいるが、視点は全く違う滑稽ものだ。


満席の落語会。みんな笑えるときを待っていたと思われる。

31日まで大阪公演があったあと、岡山、東京、福岡、新潟、富山、北海道と続いていく。

で、最後に。

「落語のときは困る」と鶴瓶師匠が言っていた携帯問題。落語が始まってからも携帯がそこここと何かしらの音を発していたので、

休憩中もスタッフさんがひっきりなしに回って注意喚起していた


せっかく、江戸時代にワープしているときに、現代音。興ざめするし、落語集中の妨げになるので気をつけたいものである


『Our Friend/アワー フレンド』

2021年10月26日 11時16分53秒 | Weblog

Our Friend アワー・フレンド

「Esquire」誌に掲載され、全米雑誌大賞を受賞したエッセイをガブリエラ・カパースウェイトが映像化。

製作総指揮の一人にリドリー・スコットの名前が挙がっている。

 

二人の幼い娘を育てながら、懸命に生きているジャーナリストのマット・ティーグ(ケイシー・アフレック)と妻のニコル(ダゴダ・

ジョンソン)。しかし、ニコルが末期ガンに冒され、余命宣告を受けたことから、日常が一変する。

妻の介護と子育ての負担が大きくのしかかる。そこに救いの手を差し伸べたのは、夫婦の親友であるデイン(ジョンソン・シーゲル)。

デインは過去、二人に救われたという思いがあり、手伝うためにニューオリンズからアラバマ州の田舎町フェアホープまでやってきた。

ティーグ家に住み込みサポートすることになる。だが、その時は確実に近づいてきて…。

 

物語は、二組の夫婦と宣告前の日常が行ったり来たり。タイプライターのように画面に打ち込まれていく映像で現在と過去を確認

することが必要だ。家で看取ることの大変さと苦しさと向き合う。

そして、このような作品と出会うとアメリカと日本の死生観のようなものの違いも感じ…。

 

久しぶりの洋画鑑賞で、似た者同士の夫婦が登場するので、当方の洋画鑑賞時点の苦手が出た。〝どっち〟問題。

劇場での入場時に冊子が配られていたので、後でチェックすることができたが、登場人物が少ないのに判別ができないという

この混乱はいけないと思ったのである。

☆報知新聞で当たった鑑賞チケット。きちんと行かせていただきました。ありがとうございました


『護られなかった者たちへ』

2021年10月25日 10時37分56秒 | Weblog

護られなかった者たちへ

ベストセラー作家。中山千里の同名小説を、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で主演した佐藤健と監督した瀬々敬久のコンビで映像化。

を握る刑事として阿部寛が共演している。

 

東日本大震災から9年後。

宮城県内の都市部で全身を縛られたまま放置され、餓死させるという凄惨な殺人事件が2度連続して起こる。

空き家になっており、長年誰も使っていない場所。そんな物件を把握しており、土地勘のある者の犯行であることがうかがえた。

宮城県警捜査一課の笘篠(阿部寛)など刑事たちが聞き込むと、被害者はいずれも〝善人〟〝人格者〟だという。

やがて、その2つの事件に共通項があることを見つけ出し、利根泰久(佐藤健)を容疑者として浮かび上がらせる。

利根は、放火犯として傷害事件を起こして服役後、刑期を終えて出所したばかりだった。そんな中、第3の事件が起こってしまう。

 

それは、笘篠自身も経験している辛い記憶の中にあることとも関係していた。

やがて、事件は思わぬ方向へと…。

 

少しでも、“福祉”(大雑把にでも)のことを知っているかどうかで、映画の視点が変わるのかも。

それぞれの立場で、行き過ぎた行動をとってしまったり、行政のおざなり仕事に反応してしまうこともあるだろう。

独り暮らし世帯が増加している。そんな中で、助けてもらえる親戚を探るというのは難しくなっているのかもしれない。

兄弟、姉妹、子ども、親戚。関係性の薄い親族までにも連絡されるので、自分が生活保護を受けようとするのがわかってしまう。

この映画はその、生活保護がテーマ。震災時の物語現在が行き交う。冒頭は大震災直後の場面から始まる。

お国に迷惑はかけられない、恥ずかしいという気持ちが軸にある人と、権利として使えばいいと割り切れる人。

そんな制度があることさえ知らない人

 

生活保護は国民の税金で成り立つもの。本当に必要な人が受給できる制度でないといけない。

その信念をもって生活保護のワーカーを務めている円山幹子を演じるのは清原果耶。

生活困窮で亡くなってしまう老女・遠島けいを倍賞美津子が演じる。

笘篠のバディを組む刑事・蓮田智彦には林遣都。円山の上司・三雲忠勝を永山瑛太、その上司・城之内猛は緒形直人が演じる。

福祉政策の充実を掲げる政治家・上崎岳大は吉岡秀隆と、厚みのあるキャストだ。

 

清原果耶はこの映画、朝ドラ「おかえりモネ」と東日本大震災時の傷を抱えた役どころ。

長きにわたり大震災にかかわる問題と向き合ってきたと思う。この映画では、新たな一面を見せる。静の演技と動の演技の使い分け。

大物女優への道…を歩み始めるだろう。

 

個人的には、今年一番うならされた作品だ


『燃えよ剣』

2021年10月18日 13時25分57秒 | Weblog

燃えよ剣

新選組副長・土方歳三の生涯を描いた司馬遼太郎の歴史小説を『関ヶ原』の原田眞人監督と主演の岡田准一が再タッグを組んで映像化した。

江戸時代末期、黒船の来航により外国から日本を守るため、幕府に権力を回復させようとする佐幕派と天皇を中心とした新政権を目標とする

倒幕派が対立を深めていた。武州多摩の農家に生まれた土方歳三(岡田准一)は「武士になりたい」という思いで、近藤勇(鈴木亮平)、

沖田総司(山田涼介)らと京都へ向かう。

「鬼の歳三」と恐れられる土方だが、討幕派制圧のために京で活躍する。

だが、その運命は…。

 

土方が生涯愛する女性お雪に柴咲コウ、芹澤鴨を伊藤英明、山南敬助を安井順平、斎藤一を松下洸平が演じる。

 

中学生のころ、親戚の家の書庫から難しそうや…と思いながら持ち帰った司馬遼太郎の燃えよ剣

そのころの記憶もほんの少し思い出しながら本編を鑑賞した。

わずか約150年ほど前の出来事。江戸時代からそんなに経っていない気がする不思議。

岡田准一は俳優として日本アカデミー賞最優秀俳優賞を受賞以来、大作での主演が増えている上に、その責任も重くなっているようだ。

今作でもアクション監督を務めているし、時代劇を背負っていくことにもなるようだが、お茶目な部分も忘れずにいたいところだ。

 

 


『マイ・ダディ』

2021年10月12日 11時06分39秒 | Weblog

マイ・ダディ

朝ドラ「ごちそうさん」で名演して以来、仕事が絶えないムロツヨシの映画初主演作品。「TSUTAYA CREATOR'S PROGRAM FILM 2016」

準グランプリを受賞した金井純一が自ら企画した「ファインディング・ダディ」を監督した。

 

小さな教会で牧師を務める御堂一男(ムロツヨシ)は、8年前に最愛の妻・江津子(奈緒)を不慮の事故で亡くした

それ以来中学生になる一人娘のひかり(中田乃愛)を男手一つで育ててきた。

教会を維持するため、そして生活のために牧師をしながらガソリンスタンドでアルバイトを続ける日々。決して裕福とは言えない生活。

お人好しで、優しく、誠実であるため、多くの人に慕われてきた。

そんなある日、ひかりが白血病に侵されていることが判明する。骨髄移植に備えていち早く検査をした一男だったが、型が一致することは

なく、そればかりかある事実が判明する。

愛する娘ひかりに生きていてほしい。そのためだけに、一男はある行動に出る。

 

娘は、ドナーについて聞く。激しく葛藤する一男。

そのドナーが誰であるかは関係なく手術を受けてほしいと願う父に、娘はお父さんとお母さんの子どもだから、愛し合っていた二人の子どもだ

から手術を受けるという。

江津子の元彼には毎熊克哉。毎熊克哉は最近のドラマではイケメンぶりを発揮していたが、ここは安定のクズっぷり。安定のクズ男が久しぶり

一男がある依頼をする探偵には小栗旬。

白血病を告げる医師を徳井健太が演じている。

娘のためになりふり構わずドナーを探す一男の姿に心を打つ。この展開はわかり切ったことなのだが、浄化作用は働く。

そして、ひかりと同級生男子の淡い恋を盗み見。楽しい青春時代に不幸はいらない。

 

 

 

 


「友達」

2021年10月10日 18時02分16秒 | Weblog

演技集団、シス・カンパニー公演。


安部公房の戯曲原作をドラマ脚本「俺のスカート、どこ行った?」の加藤拓也が演出した。

加藤は1993年生まれ。演出・脚本家で若手注目株の人物である。

独り暮らしの男の部屋に、ある日、見も知らぬ9人の家族がやってくる。彼らは親しげで笑

みを浮かべ、戸惑う男を気にすることもなく、

あっという間に部屋を占拠していく

わけがわからない男は警察に連絡するが、被害が出ていないのだから何もできないといい、

婚約者に話すと知らない年ごろの女性もいて、

男の言うことが信じられないという。

さらに、弁護士にも相談するが自分も2ヶ月前からそういう状況にあり、最近はその状況

に慣れてきて〝そういうものなのだ〟と、逆に説得されてしまう。

仕事も辞めることになり、お金もなく、追い詰められていく男。

男の行く末はどうなってしまうのか?

 

戯曲のもとになっている短編小説「闖入者」に改訂版の戯曲も合わせて今回の上演作品と

なっている。「闖入者」は、ラジオドラマ、テレビドラマ化を経て「友達」というタイト

ルに変わり、67年に青年座で初演された。

昨年からのコロナ禍で、外に出られず家で1人の状況の人も多かったと思われる。誰かが

いれば、と思いながらもどこまで他人に家で受け入れられるのか。善意と悪意の境目は

どこなのか?

ユーモアと恐怖が交差する。長女と次女の対比もあり、そこに怖さを抱える。最後は衝撃

的だ。

安部公房スタジオ出身の浅野和之が祖母(祖父ではない)、父と母は山崎一とキムラ緑子。

長男を林遣都、次男は岩男海史、三男に大窪人衛。長女を富山えり子、次女は有村架純

末娘に伊原六花。

男を演じるのは青年座出身の鈴木浩介。婚約者を西尾まり。弁護士は内藤裕志、警官は長

友郁真と手塚祐介、管理人を鷲尾真知子が演じる。ベテランの舞台俳優とテレビでお馴染

みの人気俳優が混じり、古典的で普遍的な物語がどう反応しているかが見物となる。

スピーディーに話が進みながらも、なんで今この題材?と思うがしかし、パンフレットを

読んで、観劇後に家族や友達の定義についていろいろ考えた作品。


9月3日から26日まで新国立劇場小劇場で行われたあと、10月2日から10日まで大

阪のサンケイホールブリーゼブリーゼでの公演だった。


『空白』

2021年10月04日 15時58分39秒 | Weblog

空白

森田剛主演『ヒメアノ~ル』を手掛けた吉田恵輔監督によるオリジナル脚本。この作品は古田新太が主人公を演じることを念頭に

書かれたもので、松坂桃李が共演している。

女子中学生の添田花音(伊東蒼)は、スーパーで万引きの疑いをかけられ、店長の青柳(松坂桃李)から逃げようと走り去る。

しかし、青柳に追いかけられた末に花音は車に轢かれ亡くなってしまう。

花音の父の添田充(古田新太)は激怒。離婚後、花音を育ててはいたが、今まで娘に寄り添ってきたとは言えなかった。せめて、

娘の無実を証明しようと、青柳を問い詰め、スーパーを見張ったり、学校に押しかけていじめがあったのでは!!と、事件に関

わる全ての人へ攻撃的になってしまう。

 

父親、スーパーの店長、学校とそれぞれの立場での〝正義〟がぶつかる。苦しくて、逃げ場を失くし、観ているほうも動転

してしまう。生きていくことの窮屈さがある現代、怒りをぶつけたり、喜びを分かち合う場所もなくなっている。

辛い展開であるが、惹きつけられる内容で秀作である。

添田の別れた妻に田畑智子、花音の担任を趣里、青柳のスーパーに勤めるベテランパートタイマー・草加部を寺島しのぶが演

じる。この人たちの在り様も、観てほしい。

 

追記

伊東蒼は、今期の朝ドラ「おかえりモネ」で、モネの母(鈴木京香)の教え子として出演していた。