夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ぶどうのなみだ』

2014年11月03日 12時32分11秒 | Weblog
 北海道・空知の雄大な景色と登場人物の再生を描いたハートウォーミング作品。主演は北海道といえば…の大泉洋。コミカルな演技に定評のある大泉洋だが、今回はおちゃらけ一切なし。うまくやりたいのにできない、心の葛藤と向き合う静かな映画である。

 都会で夢破れて故郷の空知に戻ってきたアオ。弟のロクとともに、父が残した小麦畑と葡萄樹のそばでワインをつくっている。
だが、納得いくワインをアオはまだつくれていない。何が問題なのか、いら立ちが続いている。

ある日、キャンピングカーでやってきた旅人・エリカが、アオの葡萄樹のとなりで穴を掘り始める。「アンモナイトを集めている」というエリカをアオは理解できないが、不思議な魅力を持つエリカを村人たちを受け入れる。

 エリカが嫌いだという自分の名前とアンモナイトにこだわる理由が後半に明らかになる。自分の過去と向き合うことになるアオとエリカに、自分らしい明日はやってくるのか。エリカが避けてきた母との再会と“エリカ”の真の意味を表すシーンが印象的

 出演はほかに、アオの弟を演じる染谷将太。エリカは、シンガーでもある安藤裕子がつとめる。村人には田口トモロヲ、りりィ、きたろうなど。どうして音楽ができる人がキャスティグされてるかというのも、この作品に意味があるかも。

監督・脚本は『しあわせのパン』の三島有紀子。北海道の美しい景色に憧れる人は多いだろう。しかし、自然と生きるのは憧れだけではできない。人間って小さいと感じる。