夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

2013年『私的映画ベスト10』

2013年12月29日 22時25分44秒 | Weblog
テレビドラマの流れの作品が興行収入の上位にくる昨今。2時間の特番でいいんちゃう?という映画も鑑賞しているが、映画らしい映画を中心にあげたいと思う

① 『舟を編む』…〝まじめ〟な松田龍平の演技に引き込まれた。辞書をつくるという過程に真摯に向き合う。
奇を衒うことなく、ストレートなつくりで秀作。辞書をつくる苦労や大変さを知り、日本語を大切にしたいという思いがわく。

② 『くちづけ』…解散した東京セレソンデラックスの人気舞台作を映画化。宅間孝行の演技も素晴らしく、率直に感動した。障害者と家族など、人間関係の描き方がストレートに感情を揺さぶる。本来、今作をNo.1にしたいが、舞台作なので一枚下げた。劇団の主催者でもあった宅間孝行は、サタケミキオ名義で人気ドラマシリーズ『花より男子』の脚本もつとめていた。この才能の落差が良い

③ 『渾身』…隠岐の島の伝統相撲を扱った映画。人気役者が出演していたり、派手な作品ではない。ただ、画面から伝わってくるエネルギーがすごく、地方の力強さを感じた。相撲の取り組前に撒く塩の量がハンパない(^-^)迫力。

④ 『そして父になる』…赤ちゃん取り違え問題を扱った、是枝裕和監督の意欲作。親子の定義って何?親子とは?と、問う。
福山雅治が主演した。子どもの目線に寄り添う手法が是枝作品の特徴である。

⑤ 『クラウドアトラス』…トム・ハンクスをはじめ、一人の役者が何役もつとめた壮大なストーリー。過去の人物が現代の人物にどう結びつくか、どんな人生をおくるのかがポイント。輪廻転生、こうして人の命が繋がれてきた

⑥ 『四十九日のレシピ』…NHKでドラマ放送された作品の映画化。永作博美が主人公を演じた。エピソードの一つ一つが後半ジワジワときいてくるが、映画独自のラストシーンには賛否両論あるに違いない。

⑦ 『永遠の0』…ミリオンセラー小説の映画化。海軍一の臆病者と言われた祖父がなぜ特攻を志願し、亡くなったのかの謎を孫が追う。太平洋戦争を、先祖たちはどう生きて、どう死んだのかを知る手だてとして鑑賞したい。宮部久蔵を演じる岡田准一の笑顔にも注目。

⑧ 『ハッシュパピー』…唯一で洋画をリストアップ。沈んでいく島で生活する女の子ハッシュパピーの物語。貧しいながらも、力強く生き抜く姿が印象的。日本ではもはやつくれなくなってしまったテーマ。

⑨ 『奇跡のリンゴ』…無農薬リンゴの栽培に成功した実在する農家がモデル。阿部サダヲが快演。妻役の菅野美穂もピッタリはまっていた。日本人の忍耐力を見せつける物語と言える。実話なので、最後はわかっているのに心地良く観ることができた。

⑩ 『横道世之介』…内容がまとまっていた。懐かしさのある映像も好印象。高良健吾と吉高由里子は『蛇にピアス』とは真逆のキャラクター。高良健吾ファンということもあり、ランクイン

★番外 『アルゴ』…昨年の公開作だが、鑑賞が今年になった。
あの人質事件の真実がコレだったということに驚き。

全体的には低調な公開作年だったと感じた。




『ゼロ・グラビティ』

2013年12月26日 12時27分02秒 | Weblog
上演開始から終了まで、ずっとテーマパークのアトラクションにいるよう。
サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーも格好いい。

宇宙から無事に帰還できるかどうかのわかりやすい話。お金がかかってそうだし、ハリウッド映画ってすごいですわ。そして、宇宙にはゴミが多いということが知れた( ̄ー ̄)

『永遠の0』(試写会)

2013年12月18日 09時14分52秒 | Weblog
原作者の百田直樹氏が登壇。
これまで4回の映画化オファーがあったが、脚本で納得できずOKを出さなかったこと。
また、自分たちの世代の親は、太平洋戦争においてどのように戦い、命を散らし、生きてきたかを知ってもらいたかった。岡田准一演じる宮部久蔵は自分たちの親世代。三浦春馬が演じる久蔵の孫は自分たちの息子世代。自分たちはその間にいて、歴史をつないでいくことの使命があると思います、と語った。

祖母の死によって、本当の祖父がいることを知った孫。その祖父は、生きて帰ることに固執し、臆病者と言われた零戦のパイロットだった。しかし、その祖父がなぜ特攻を志願し、亡くなっていったのか。そこに隠された真実とは何か…を追う。

物語は現代から、戦争時へと展開する。後半は重要な場面が続く。特に、崩壊していく岡田准一の演技には凄みさえ感じる。注目せざるを得ない。

そう、岡田准一をはじめとするキャストに問題があったり、不満があるわけではないが、原作は上下巻がある長編小説。本を読んでから映画を観るか、映画を観てから本を読むか悩んでいる人には、映画を観てから本を読むことをオススメする
本のあの場面は映画のシーンではないの?と思ってしまうのは、約2時間にまとめないといけない映画の限界か。仕方ないことなのだろうが、物足りなさを感じるのはなぜ?

ただ、太平洋戦争は遠い昔のことではなく、親や祖父世代のごく近い時代のできごと。そのことは、若い人たちに感じてほしい。


久蔵の妻・松乃には井上真央。このほか、ベテランや若手の俳優が集結し個性を発揮している。現代の祖父を演じる夏八木勲さんの遺作でもある。
メガホンをとったのは『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督なので、VFXには期待していい。

(12月21日公開)