古くは「どついたるねん」」、新しいところでは「ローレライ」と、比較的男臭い作品を手がけてきた阪本順治監督。阪本監督作品で女性をテーマにしたものと言えば名作といっていい藤山直美主演の「顔」があるが、「顔」は狭い世間で生きていた女性が妹を殺害後、これまでより世間に紛れて゛何とか生きていこう゛とする泥臭い女性の話。この「魂萌え!」は、普通の主婦が夫の死後、゛自分のこれから゛を見つけて生きようとする一般的と言っていい女性の話である。
定年を迎えた夫が、突然亡くなってしまう。途方に暮れてしまう敏子だったが、夫に愛人がいたことがわかる。子どもや愛人のことで振り回され、疲れてしまった敏子は家を飛び出し、カプセルホテルで少しの間を過ごす。カプセルホテルでの出会い、夫の仲間との出会い、同級生の仲間の励ましがあり、いろんな困難と向き合いながらも敏子は新たな一歩を踏み出して行く。
毎日新聞に掲載され、大反響を呼んだ桐野夏生の同名小説を映画化。主演に風吹ジュン、夫に寺尾聰、夫の愛人に三田佳子。敏子の同級生役である、藤田弓子、由紀さおり、今陽子の3人が仲のいい友だちを快演している。また、阪本作品常連の豊川悦司も、物語のスパイスとなる役として出演している。敏子の娘には、このところ「赤い月」などの大作で、゛大女優゛としての域に達したとも言える常盤貴子が、フツウの娘を演じているが、それが新鮮に感じられる。
夫の愛人役である三田佳子の演技に、もう少し゛品゛があった方が愛人を作るわけに納得ができた気がする。単なるヒール役に感じられたのが惜しい。
人は年を重ねるごとに、これまでできたことができなくなったりと、喪失するものが増えていく。身近な人が亡くなるというのも゛喪失゛である。゛喪失゛をうまく受け止めていくことで、新たな一歩を踏み出せるだろう。
定年を迎えた夫が、突然亡くなってしまう。途方に暮れてしまう敏子だったが、夫に愛人がいたことがわかる。子どもや愛人のことで振り回され、疲れてしまった敏子は家を飛び出し、カプセルホテルで少しの間を過ごす。カプセルホテルでの出会い、夫の仲間との出会い、同級生の仲間の励ましがあり、いろんな困難と向き合いながらも敏子は新たな一歩を踏み出して行く。
毎日新聞に掲載され、大反響を呼んだ桐野夏生の同名小説を映画化。主演に風吹ジュン、夫に寺尾聰、夫の愛人に三田佳子。敏子の同級生役である、藤田弓子、由紀さおり、今陽子の3人が仲のいい友だちを快演している。また、阪本作品常連の豊川悦司も、物語のスパイスとなる役として出演している。敏子の娘には、このところ「赤い月」などの大作で、゛大女優゛としての域に達したとも言える常盤貴子が、フツウの娘を演じているが、それが新鮮に感じられる。
夫の愛人役である三田佳子の演技に、もう少し゛品゛があった方が愛人を作るわけに納得ができた気がする。単なるヒール役に感じられたのが惜しい。
人は年を重ねるごとに、これまでできたことができなくなったりと、喪失するものが増えていく。身近な人が亡くなるというのも゛喪失゛である。゛喪失゛をうまく受け止めていくことで、新たな一歩を踏み出せるだろう。