夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『嘘八百 京町ロワイヤル』(試写会)

2020年01月23日 10時30分44秒 | Weblog

嘘八百 京町ロワイヤル 

 

売れない古美術商と陶芸家を中井貴一と佐々木蔵之介で繰り広げるコメディの第2弾。今回は、武将茶人・古田織部の茶器をめぐり、丁々発止のコンゲーム(騙しあい)で、次々とどんでん返しで以外な方向へ物語が進んでいく。
織部は、ひょげたもの…歪んだもの、割れて繋ぎ合わせたもの…の陶器にも興味を示していたという。

古物商・則夫(中井貴一)の店に、テレビ取材が入る。しかし、大御所鑑定人(竜雷太)からは商品を酷評され、憤慨する。そんなとき、陶芸家・佐輔(佐々木蔵之介)もあるところから偽物をつくるように依頼されるが、断ったことから苦境に。それを機に二人は再会することとなる。

そんなとき、謎の着物美人・志野(広末涼子)が則夫の店にやってくる。父の形見を取り戻したい、その思いにほだされた則夫は、テレビ番組を使って大手有名古美術店や大物鑑定人、人気の陶芸王子(山田裕貴)を巻き込みながら、一攫千金を狙う。

中井貴一は定評のあるコメディ作品。次々と展開していく物語にはオチがあり、飽きさせない努力をしているし、ベテラン陣が勢揃いで安定して観ることができるが、若い層を取り込むのは難しそう。

ヒロインの広末涼子は、着物での所作と煙草を吸う所作という相反するものに、気をつかったという。そこが、この映画のポイントのひとつ。

最後のシーンまで観るとをオススメする。シリーズ化を目指してる??…かも。


『ラストレター』

2020年01月20日 09時21分06秒 | Weblog

ラストレター

 

岩井俊二監督の名作『Love Letter』(1995年公開)。ファンタジーの要素がありつつ、現実的な手紙のやりとりで過去と未来がつながる。「お元気ですかー?わたしは、元気でーす!」と亡き恋人が眠る山に向かって叫ぶ中山美穂のシーンをご存知の方も多いはず。
単観系でありながら、口コミで長い行列ができていたのを思い出す。


そして、今作の『ラストレター』の主演は松たか子。岩井作品として、20年ほど前の『四月物語』以来の主演となる。
岩井監督の繊細で、人に寄り添う優しいタッチは相変わらずで、観るものの気持ちを落ち着かせる。映像の綺麗さもそれにはまる。

『LoVE Letter』の北海道から、今回は岩井監督の故郷である宮城県が舞台となり、監督が体験した出来事を基にした物語となっている。

漫画家の夫(庵野秀明)がいる岸辺野裕里(松たか子)は、姉・美咲の葬儀で美咲の娘・鮎美(広瀬すず)と再会する。

そこで、姉に同窓会の案内が届いていることを知る。そこで、姉の死を伝えようとするが、美咲の同級生たちに姉本人と間違えられ、言いそびれる。しかし、帰りのバスを待つ間に、裕里の初恋の相手で現在は小説家である乙坂鏡史郎(福山雅治)に声をかけられ、連絡先を交換。彼に手紙を送る。

しかし、その内の1通を鮎美に読まれ、裕里、乙坂、鮎美の不思議な三角関係の手紙のやり取りが始まる。

裕里は、高校時代の記憶が蘇ってきて…。

高校時代の裕里を演じるのは、裕里の娘役も演じている今注目の若手・森七菜。美咲の高校時代は広瀬すずが二役を、乙坂は神木隆之介が務める。

さらに、『Love Letter』に出演していた豊川悦司は美咲の元恋人・阿藤を、その同居人サカエを中山美穂が演じ、過去に絡む重要なパートを担う。

『Love Letter』の雰囲気をただよわせる手紙というツールが、懐かしさとともに途中までわくわくさせる。

ただ、今回は中途半端な雰囲気がしていて。

あれから20年以上がたち、当方の感性が錆びついている?一部キャストに好感触がないから?
脚本がそもそも前作を狙い過ぎたから?

惜しいと思ってしまった1作品。
あれがなんでああして、ああなった??😭と消化不良なのは私だけ?

しかし、前作に思い入れがなく、深く追求しなければ、ちょっと背中を押されて、前に進もうと思える作品ではある。観て損はない。

そして、庵野秀明演じる裕里の夫の仕事部屋を見てになる人もいるかと思う。

福山雅治と神木隆之介も安定の先輩後輩である。この作品の福山雅治は、クセがなくていい感じ。


2019マイベスト映画

2020年01月16日 10時45分25秒 | Weblog

すでに2020年1月も半ば。日本アカデミー賞の候補作品も決まってしまいましたが、遅ればせながら独自視点での昨年度の劇場鑑賞映画からマイベストを。昨年はいわゆる「この1本」がなかったような、、、。

◎『長い別れ』...父親が認知症となり、妻と娘が見守る物語。長女は竹内結子、次女は蒼井優。蒼井優は、こだわりの素材で料理を提供しようとするも空回りしてしまう料理人を演じる。こういう役柄、蒼井優は上手いと思う。ちなみに、結婚会見で山里氏が妻が作るグリーンカレーの美味しさを絶賛していたが、映画の中で蒼井優はこだわりのグリーンカレーを売っていて、家でも本格的なのを作っているんだろうな、とひそかに思っていた。
そして、認知症や看取り問題との付き合い方にも一石を投じている。

◎『閉鎖病棟-それぞれの朝-』...以前に原作を読んだことがある。映画化にあたり再読した。古い精神科の描写かな?と思うところはあるが、笑福亭鶴瓶、綾野剛、小松菜奈らが役をきちんと生きていた。

◎『記憶にございません!』...製作にテレビ局がバックにつくので映画賞は難しいかもしれないが。中井貴一の映画としての代表作と言ってもいいかも。サイテーと言われる総理大臣が記憶を無くし、まるでこれまでと人が変わったように善人に。それを軸に展開される三谷幸喜監督のコメディ作品。いままでの三谷映画の中でも、おもしろかった。

もう1つ挙げるなら、『蜂蜜と遠雷』を。原作を読んでいるので、言葉による音楽の描写、表現が完璧なのがわかっており、その圧倒的なイメージをどう映画にするのか注目していた。ヒロインの人間関係やコンクールの参加者などの出演者は極力減らして、音楽コンクールの舞台に特化させた。松岡茉優や松坂桃李、新人の鈴鹿央士などのキャスト陣はピアノ演奏の努力があったと思う。しかし、原作を読んでいると、物足りない部分もある。子どものころの挫折も強さもあまり伝わってこなかったが、映画としての限界に挑戦していた。

公開中にいけず、レンタルDVDからのものでは、『新聞記者』『キングダム』を挙げる。『新聞記者』については、いまの政治的課題がちらつき、よく描いたと思う。女性記者を演じたシム・ウンギョンも良かった。『キングダム』は原作がコミック。そのコミックについては疎いので知らないが、キャラクターが立っていて、映画として楽しかった。いまの日本映画ではお金をかけられない方向だが、山崎賢人や吉沢亮、大沢たかおや長澤まさみなど、よくベテランや人気どころのキャストが揃ったと思う。続編希望。