ドラマ「おひさま」で大注目の高良健吾。言うまでもないが、彼はドラマではなく映画を中心に出演してきた俳優である。『白夜行』『ソラニン』など、どちらかと言えば個性が強い役柄を演じてきたと言えるだろう。この作品では、資産家の家に生まれながら、真面目に生きようとしない放蕩息子を演じている。
カズは、地元を離れ東京の繁華街で遊び歩いていた。名家である実家にはお金はたっぷりあったが、親の愛情など感じたことはなく、孤独を抱いていた。新宿歌舞伎町の劇場でポールダンサーをしている真知子は、家族や親戚がおらず、いつも孤独だった。そんな孤独な二人が、愛し合うまでには時間はかからなかった。しかし、カズの親は真知子との結婚に反対。やがて真知子は東京へ戻り、支えを失ったカズは、ギャンブルで借金をつくり、破滅への道を進んでいた。
原作は、芥川賞作家の中上健次の同名小説。彼が生まれ育ち、愛した和歌山熊野は小説の舞台だ。しかし、映画では地元を限定していない。そのため、カズが生きてきた背景を感じることができない。なぜ、彼はあれまでも屈折した人生を送り、挫折していくのか、疑問のままだ。この映画のこだわりが、掴みづらい。
高良健吾とダブル主演となる鈴木杏は、家族がいない孤独の中で、ポールダンサーをしながら生きてきた、という女性を演じきった。舞台で演技を鍛えられ、年齢的にも“大人になったなぁ”と感じる。ポールダンスだけでなく、大胆なシーンを次々とこなし、女優魂を見せている。主演女優賞の中に名を連ねてもおかしくない。監督は『余命1ヶ月の花嫁』『雷桜』『ヴァイブレーター』の廣木隆一。今作は『ヴァイブレーター』のようなロードムービー的要素が感じられる。 出演は、カズの父に小林薫、母に根岸季衣。ほかに大森南朋、村上淳など。
(タナベキネマにて、30日まで『まほろ駅前多田便利軒』と2本立て公開中)
カズは、地元を離れ東京の繁華街で遊び歩いていた。名家である実家にはお金はたっぷりあったが、親の愛情など感じたことはなく、孤独を抱いていた。新宿歌舞伎町の劇場でポールダンサーをしている真知子は、家族や親戚がおらず、いつも孤独だった。そんな孤独な二人が、愛し合うまでには時間はかからなかった。しかし、カズの親は真知子との結婚に反対。やがて真知子は東京へ戻り、支えを失ったカズは、ギャンブルで借金をつくり、破滅への道を進んでいた。
原作は、芥川賞作家の中上健次の同名小説。彼が生まれ育ち、愛した和歌山熊野は小説の舞台だ。しかし、映画では地元を限定していない。そのため、カズが生きてきた背景を感じることができない。なぜ、彼はあれまでも屈折した人生を送り、挫折していくのか、疑問のままだ。この映画のこだわりが、掴みづらい。
高良健吾とダブル主演となる鈴木杏は、家族がいない孤独の中で、ポールダンサーをしながら生きてきた、という女性を演じきった。舞台で演技を鍛えられ、年齢的にも“大人になったなぁ”と感じる。ポールダンスだけでなく、大胆なシーンを次々とこなし、女優魂を見せている。主演女優賞の中に名を連ねてもおかしくない。監督は『余命1ヶ月の花嫁』『雷桜』『ヴァイブレーター』の廣木隆一。今作は『ヴァイブレーター』のようなロードムービー的要素が感じられる。 出演は、カズの父に小林薫、母に根岸季衣。ほかに大森南朋、村上淳など。
(タナベキネマにて、30日まで『まほろ駅前多田便利軒』と2本立て公開中)