夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

これぞ大人の青春物語『フラガール』

2006年10月30日 15時46分12秒 | Weblog
 東北の炭坑で有名な町をハワイに…というとてつもなく嘘のような話を実現し、゛炭坑の町゛から脱皮し、フラダンスを根付かせ成功した、ご存知、常磐ハワイアンセンターができるまでが舞台。炭坑娘が立派なフラガールになるまでが、女優陣がフラガールに成長するのと同じように、ドキュメンタリーのようで、感動的。しかも、随所で炭坑夫たちの人間ドラマもあり、心を揺さぶられる。
 熱い、ただ熱い涙がとまらない。映画がドラマに手に加えたものではなく、まさに映画でなくてはならない作品。
 注目の若手女優、蒼井優から目が離せないのはもちろんのこと、南海キャンディーズしずちゃんの不器用だが心を打つ演技はチェックしておきたい。
 すでに評判が高い映画だが、ぜひ観てほしい。

『桂小米朝 落語の世界』ー平成18年度文化庁芸術祭参加公演

2006年10月27日 23時13分41秒 | Weblog
 桂小米朝のライフワークとも言える「桂小米朝の落語の世界」。今年は初のというか、小米朝あこがれの大阪松竹座で開催された。大作の愛宕山など含め、力作ぞろい。小米朝のちょっとキレてる話っぷりが、いい感じでした。欲を言えば、ゲストの春風亭小朝の古典落語が聞きたかったです。新作で、十分感動しましたが…。
ー 演目と出演 ー動物園 桂こごろう狸の賽 桂小米朝
親子酒 桂雀三郎
愛宕山 桂小米朝
  ー中入りー
晴れの日
  春風亭小朝
猫の忠信 
   桂小米朝

ただ単純におもしろい『ナチョ・リブレ 覆面の神様』

2006年10月25日 23時51分55秒 | Weblog
 あの「タイガーマスク」の原案とも言われるメキシコの伝説的ルチャドール(レスラー)フライ・トルメンタの実話を元にしたエンターテインメントムービーが「ナチョ・リブレ 覆面の神様」である。
 教会の修道院で育ったナチョは、子どもがそのまま大人になったような人物。賄いを任せられても満足に食材を集めることもできない。しかし、町で偶然見かけた「新人ルチャドール求む!」の張り紙が彼の運命を変える。孤児たちのためにバスを買う。また、ダメな自分を変えるために、彼は覆面レスラーを選んだ。 この役のために、真剣にレスリングの練習を積んできた主演のジャック・ブラック。デブだけど、鍛えた体を披露している。監督はジャレッド・ヘス、脚本は「スクール・オブ・ロック」のマイク・ホワイトで、ジャック・ブラックと最強トリオを形成している。
 ストーリーが単純。だから、おもしろい!

樋口一葉の生きざまを描く『書く女』ーシアター・ドラマシティーにて

2006年10月21日 23時34分21秒 | Weblog
 今の新しいお札が出た時、樋口一葉は「お金に縁がない人だった(お金づかいが荒いとかなんとか)」と聞いたことがある。「書く女」、とにかく家計を支えるため、彼女は゛書く女゛で生きていくことを選択する。
 1894年の「おおつごもり」から「たけくらべ」「十六夜」と「奇跡の十四ヶ月」を経て、肺結核により1897年に24歳で亡くなった樋口一葉。しかし、ずっと貧乏なままでの一生だった。
 時代は「文学界」や「国民之友」など文芸雑誌が出て、文学が活気づいていく。樋口一葉亡き後、与謝野晶子が出、平塚らいてうが「青鞜」を発行するのは1911年のことである。
 樋口一葉を演じるのは寺島しのぶであるが、さすがは演技派、絶妙の間合いやしぐさで観客を魅了する。樋口一葉の師匠的立場である半井桃水(なからいとうすい)を筒井道隆が演じているが、優柔不断な男をやらせたら、本領を発揮する人なので期待は裏切らない。
 二兎社公演、作・演出は永井愛。公演はこのあと、愛知や滋賀、静岡などを周り、23日山口情報芸術センターまで続く。

『16ブロック』

2006年10月20日 23時56分51秒 | Weblog
 テンポ良く進む展開で、緊迫のドラマを伝える。
 中年刑事のジャックは、仕事にやりがいを見いだせず、アルコールに溺れながら仕事を続けていた。夜勤明けで署に戻ったジャックは、囚人を裁判所まで送り届ける任務を与えられる。それは、わずか16ブロックを車で移動するだけの、簡単に終わる任務のはずだった。しかし、ある秘密を握る囚人を証言台に立たせたくない汚職刑事たちが、彼らを襲撃する。
 ピンチの時に救命救急士の妹が出てくるのが隠し玉。最後は、ホロリとさせられるシーンも…。
 監督は「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー。落ちこぼれの中年刑事に、ブルース・ウィリス。ブルース・ウィリスが、アクション俳優から抜け出そうともがいている作品と言えるかも。

ミリオンセラーの愛の物語が映画化『天使の卵』(試写会)

2006年10月17日 22時38分03秒 | Weblog
 「卵は天使から与えられたプレゼントなの。大事に育てないといけない形になっているの」春妃(はるひ)は、歩太(あゆた)にその印象的な言葉を残した。 歩太と夏姫(なつき)は、19歳で同級生。二人は傍目には、仲の良いカップルである。
 歩太は美大を目指して1浪し、予備校に通っている。路面電車に乗っていた歩太の目の前に、手に包帯を巻いた美しい女性が立つ。一目ぼれをした歩太だが、その女性は、長く入院している歩太の父の新しい担当精神科医・五堂春妃で、夏姫の姉だった。傷つきながらも愛を深めていく歩太と春妃。しかし、二人の幸せな時間はある日突然、消えてしまうこととなる。
 原作は直木賞作家、村山由佳の「天使の卵エンジェルス・エッグ」。一途に人を愛する主人公・歩太に一本槍歩太に市原隼人、歩太より8歳年上の精神科医に小西真奈美、歩太を慕い続ける春妃の妹・夏姫に沢尻エリカという、今をときめく若手俳優たちが演じている。
 「シュガー&スパイス 風味絶佳」「ただ、君を愛してる」など、いわゆる若者の純愛をテーマにしているのが今年の゛流れ゛なのだろうか。この作品もそんな一本だが、今作では、小西真奈美と沢尻エリカの陰と陽の役柄の対比を楽しんではいかがだろうか。


ミュージカルでなく、ストレートプレイでもない…それが『THE CONVOY SHOW』

2006年10月10日 22時41分36秒 | Weblog
 CONVOY(コンボイ)結成から20年、その記念の年に選ばれた作品は、あの!『ATOM』だ。
 10年前、『ATOM』の初演を観たあの北野武が「死ぬまでに一度は観るべき」と絶賛したことで、CONVOYは一躍メジャーになり、今や公演は即日完売でチケットはプラチナだ。
 さて、そのCONVOY SHOWはもちろん人気に火がついたのは北野武の一言はきっかけ。その舞台は単なる芝居やミュージカルではなく、ダンスでもない、形容の仕様のないもの。いくつかの要素がありながら、それぞれに洗練されたものが表現されているからこそ、ここまできたと言える。まさに、エンターテインメントがその舞台にはある。ぜひ舞台を観て、心を躍動させてほしい。
 今回は『ATOM’06』でのタイトル。「時が流れようとも、会いたくなったら会えばいい。それだけでいい。仲間は君を見捨てない」が、ATOMの主題。それぞれの時代を取り入れながら、作品は進化している。 CONVOYの創立メンバー3人は゛Tap Tips゛出身。その名を知っている人は、通と呼べるかもしれません。

『ただ、君を愛してる』(試写会)

2006年10月02日 22時29分08秒 | Weblog
 ゛人は、一人の人を幸せにする力を持っている。だから、その幸せを待ってる人に渡してあげないと゛…。映画の冒頭近くで黒木メイサが玉木宏に゛人を愛することの大切さ゛を気づかせる言葉を投げかける。ラストにもつながって行くこの言葉は、『ただ、君を愛してる』のメインテーマだと言えよう。
 あるコンプレックスがあることで、人と距離を取って生きてきてしまった誠人(まこと)は写真が唯一の趣味。誠人と知り合い、誠人といることで幸せを感じる静流(しずる)。静流は、誠人にカメラを教えてもらいながら、自分の生きる意味を見いだすのであった。いつもスモックを着て、子どもっぽく見える静流には、誠人には言えない大切な秘密を持っていた。
 静流を演じる宮崎あおいに、最初はあまりにも不自然さを感じるが、ラストに近づくに連れてその演出の意図がわかる。いろいろな伏線がラストに向けて張り巡らされているので、要注意を。原作は市川拓司の『恋愛寫眞 もうひとつの物語』。