久しぶりにフランス映画を観た。ヨーロッパ映画には、美しい景色を堪能できることや、芸術性が高く感嘆する、ということがあるが、この作品はその視点ではない。障害者を取り上げた作品は社会へ向けたメッセージ、ということもあるが、タイトルは『最強のふたり』。これが確かに、最強なのだ。
障害者介護の仕事をするための面接会場。そこには、経験のあるもの、ないもの、多くの人が面接に来ていた。ドリスもその一人だったが、彼の目的は仕事に就くことではなく、生活保護をもらうこと。就業活動を3回すると、手当てがもらえる。だから、書類にサインしてほしい。それが彼の希望だった。
だが、ドリスは採用される。面接した会場は雇い主の自宅
で、雇い主のフィリップは大富豪
だったが、不慮の事故で全身麻痺になっていたのである。
ここから、ドリスのフィリップへの容赦ない障害者虐待が始まる…?
障害に対して、知識がないので、同情もない。そんなドリスを、フィリップは気に入っていく。そして、やがて二人の絆が深まっていく。
だが、ドリスを旅立たせないといけない時がやってくる。
介護者を面接する場面での、希望者のコメントがなかなかだ。それぞれの言葉 を使って自分をアピールしているのだが、言い方は違えど、内容は画一的。採用する側からすれば、一方通行な話でしかない。何人もの介護者に触れてきたフィリップには、障害者の自分がどう見られているのかは、お見通しなのだ。そこに、粗暴で無知、しかし純粋で楽しいドリスに出会い、唯一無二の関係となる。
雇い主と使用人、障害者と健常者、白人と黒人…など、上下関係ができても良さそうなのに、映画の中の二人は、あくまでもフラットだ。“垣根”がない。
まるでコメディのように、二人のやりとりに笑える。感覚が麻痺しているフィリップの足に、熱湯をかけても熱がらないフィリップを不思議がるドリス。そのシーンでさえも微笑ましい。 そして、映画『最強のふたり』のワールドにはまっていく。
フィリップを演じるのはフランソワ・クリュゼ。ドリスにはオーマル・シーが配された。日本では知られたスターではないが、内容で十分楽しめる。監督は、今作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの二人。
障害者介護の仕事をするための面接会場。そこには、経験のあるもの、ないもの、多くの人が面接に来ていた。ドリスもその一人だったが、彼の目的は仕事に就くことではなく、生活保護をもらうこと。就業活動を3回すると、手当てがもらえる。だから、書類にサインしてほしい。それが彼の希望だった。
だが、ドリスは採用される。面接した会場は雇い主の自宅



ここから、ドリスのフィリップへの容赦ない障害者虐待が始まる…?
障害に対して、知識がないので、同情もない。そんなドリスを、フィリップは気に入っていく。そして、やがて二人の絆が深まっていく。
だが、ドリスを旅立たせないといけない時がやってくる。
介護者を面接する場面での、希望者のコメントがなかなかだ。それぞれの言葉 を使って自分をアピールしているのだが、言い方は違えど、内容は画一的。採用する側からすれば、一方通行な話でしかない。何人もの介護者に触れてきたフィリップには、障害者の自分がどう見られているのかは、お見通しなのだ。そこに、粗暴で無知、しかし純粋で楽しいドリスに出会い、唯一無二の関係となる。
雇い主と使用人、障害者と健常者、白人と黒人…など、上下関係ができても良さそうなのに、映画の中の二人は、あくまでもフラットだ。“垣根”がない。
まるでコメディのように、二人のやりとりに笑える。感覚が麻痺しているフィリップの足に、熱湯をかけても熱がらないフィリップを不思議がるドリス。そのシーンでさえも微笑ましい。 そして、映画『最強のふたり』のワールドにはまっていく。
フィリップを演じるのはフランソワ・クリュゼ。ドリスにはオーマル・シーが配された。日本では知られたスターではないが、内容で十分楽しめる。監督は、今作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュの二人。