夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「十三人の刺客」

2010年10月15日 23時37分00秒 | Weblog
 1963年上映のリメイク作品(工藤栄一監督)。リメイクで、しかも豪華キャストということで、製作段階から、いいこと悪いことがあれやこれやと話題になっていた。今年は時代劇の上映が相次ぐ。内容は、軽いもの重いものいろいろあるが、この作品は重くて骨太。濃厚な141分だ。
 江戸時代末期。明石藩家老の間宮(内野聖陽)が、老中・土井家の門前で自決する。間宮の死は、明石藩主・松平斉つぐ(稲垣吾郎)の暴君ぶりを訴えるものだった。
 斉つぐは将軍・家慶の弟で、明年には老中になることが決まっていた。事態を重くみた土井(平幹二郎)は、御目付役・島田新左衛門(役所広司)に斉つぐ暗殺の密命を下す。
 刺客集めに奔走する新左衛門の下に、御徒目付組頭・倉永(松方弘樹)、剣豪の浪人・平山(伊原剛志)、新左衛門の甥・新六郎(山田孝之)などが集まる。
 暗殺計画は極秘に進められていたが、斉つぐの腹心である鬼頭半兵衛(市村正親)がそれに気づく。
 そして、参勤交代の時がやってきた。江戸へ向かう途中の落合宿で、斉つぐを待つ新左衛門たち。そんな中、明石藩は200人以上の多勢となって新左衛門らの前に現れる。
 明石藩主・松平斉つぐを演じているのは稲垣吾郎。この藩主が最悪。その残虐ぶりは目を覆うばかり。自分の退屈しのぎに民を殺すかのようだ。見ているこっちが暗殺したくなるくらい憎たらしい。 ラスト50分は、映画CMのとおり斬って、斬って、斬りまくる。まさに“時代劇エンターテインメント”。ただし、冒頭から残忍なシーンのオンパレードなので、覚悟が必要。怖くて目を伏せても、音がまた怖さを表現するので心の準備を。監督は、『クローズZERO』シリーズの三池崇史。
 将来の安政のために、暴君を殺さなければならない“大義”と、暴君であっても主君は守らねばならないという“大義”。そのために戦う。この時代は、こうだったんだろうなぁ、と思わされる。
 ただできれば、治世の下にいたい。今の日本は?