夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『つやのよる』

2013年01月29日 09時07分27秒 | Weblog
『世界の中心で愛をさけぶ』の行定勲監督最新作。最近、『春の雪』などで文学的な雰囲気がしてきた監督の映画作品。この作品も、芸術的であり、エロティックな部分も含めて文学的な雰囲気がする。“人を愛する”とはどういうことかを問う。

松生の妻・艶が危篤に陥った。艶は、性に対して自由奔放な女で、何度も松生は泣かされてきた。松生自身も、艶に家族を捨てさせられた。妻の介護をしながら、松生は、妻と関係があったと思われる男たちと連絡をとることを試みる。

さまざまな立場に立たされた男女が、どう自分と向き合っていくのか、オムニバスのようでいて、一つに物語はつながっている。

文学的であるので、少々理屈っぽさも感じる。しかし、次から次と出てくるキャストの存在感と演技が凄くて、妙に納得させられてしまう。特に、ラスト近くの大竹しのぶのあるシーンには目が離せない。

直木賞作家・井上荒野の同名小説が原作。出演は、阿部寛、小泉今日子、野波麻帆、真木ようこ、忽那汐里、大竹しのぶ。羽場裕一、荻野目慶子、渡辺いっけい、岸谷五朗、永山絢斗、奥田瑛二、田畑智子。

『きいろいゾウ』(試写会)

2013年01月22日 09時07分52秒 | Weblog
お互いのことをツマ、ムコと呼び合う夫婦。彼らには、実は内緒にしていることがあった
原作は西加奈子の同名小説。この本をオススメの一冊にあげていた向井理と、ツマ役をやってみたいと語っていた宮崎あおいの共演である。

知り合ってすぐに結婚したツマとムコ。田舎に移り住み、ムコは介護施設で働きながら小説を書いていた。一見、おだやかに見える生活。しかし、ムコは日記を書き、ツマはその日記を読んでいた。新しい小説ができ、ムコは東京へ行くことを決意。それは、過去と向き合い、ある決着をつけることでもあった。

宮崎あおいが堺雅人と共演した『ツレがうつになりまして』よりも、画面から伝わってくるエネルギーが低いように感じた。なんかちょっとしっくりこなかったのは気のせいか。

動物や自然と話ができるツマ。声の出演だけ、あの人やこの人が…。ツマが、誰とどんな話をするかは、物語のナビゲーターでもある。監督は『ヴァイブレーター』『軽蔑』などの廣木隆一。

(2月2日公開作品)


『渾身』

2013年01月19日 22時30分32秒 | Weblog
隠岐の島で育った多美子は、夫と娘の三人で暮らしている。前妻の娘・琴世は、まだ多美子のことを「おかあちゃん」とは言ってくれないが、幸せだ。

20年に一度行われる古典相撲の大会の日が迫っていた。英明は黙々と稽古を続けるが、番外大関になると思われていた。英明は、過去に島を出て行った経歴があった。しかし、英明の努力が認められ、最高位の正三役大関に推挙される。地区の名誉と誇りである正三役。英明は、地域の人々と、家族への想いをかけて、土俵に上がる。

不器用で、武骨。簡単に表にはあらわさないけれど、気持ちは伝わる。かっこ悪いけど、かっこ良い。言葉ではうまく言えない作品。日本だ、ホッとする。〝感動する〟という言葉も適切ではないような気がするので、控えたい。隠岐の島は景色が綺麗とか、いい人たくさんいるでしょ、とか、押しつけてはいない映画。それだけに、ただ、何かに気づき、心のどこかに落ちていく。大層にも、とりわけ重くにも描かれていないのが、かえっていい。

監督は「RAILWAYS~49歳で電車の運転士になった男~」などで島根を舞台にしてきた錦織良成。隠岐の島あげての全面協力を得た。2トン余りの塩をまいての応援も力士たちを盛り上げる。島で生きる芯の強い女性・多美子に伊藤歩。古典相撲に挑む夫の英明には、劇団EXILEの青柳翔。多美子と英明を支える島の人々には、財前直見、甲本雅裕、宮崎美子、笹野高史などの個性豊かな面々が揃った。個人的には、財前直見と甲本雅裕の役柄がツボ


『ストロベリーナイト』(試写会)

2013年01月19日 00時27分19秒 | Weblog
人気ドラマの映画化。重い過去を背負った主人公が、過去と向き合いながら刑事となり、難解な事件を解決していくという内容が人気となった。

ドラマを見ていた人は途中から、映画化されるんだろうな…と思いながら見ていたかもしれない。
今回、姫川班が立ち向かうのは、9年前の殺人事件が絡む複雑なもの。踏み込んではいけない領域…そこに入り込んでしまい、試練がやってくる。

直感と行動力で数々の難事件の真相に迫り、ノンキャリアで成り上がってきた警視庁捜査一課の姫川玲子。ある日、姫川が率いる管轄内で殺人事件が発生する
左目が縦に切り裂かれた4つの死体。殺人の手口が似ていることから、合同捜査本部が設置される。本格的に捜査を開始しようとした矢先、姫川は「犯人は柳井健斗」という、不審な電話を受ける。

しかし、「柳井健斗には触れるな」という上からの指示。上司の指示に納得できない姫川は単独で捜査を進める。そして、柳井健斗の住むアパートを見張っていると、牧田と名乗る男がやってきて…。
犯人は同一犯なのか、なぜ柳井健斗の捜査をさせてもらえないのか。真相は隠されていた。そして、牧田と知り合ったことが、姫川自身も狂わせていく

連続ドラマからの気になる 姫川と菊田の関係。そこはきちんと結論を出し、ズルズル引っ張ってはいない。どういう展開で真実の気持ちと向き合うのかがポイントとなる

主要キャストはドラマと変わらず、姫川玲子を演じるのは竹内結子。姫川の部下で、姫川へ秘めたる想いを抱く刑事、菊田は西島秀俊。姫川班のメンバーには、小出恵介、宇梶剛士、丸山隆平。ほかに、渡辺いっけい、遠藤憲一、高嶋政宏、生瀬勝久、武田鉄矢、津川雅彦など。また、映画からのキャストには、大沢たかお、三浦友和。豪華なキャストがいいとは限らないが、メインとなるのは竹内結子と大沢たかおなので、じっくり観ることができる。

原作は誉田哲也の「インビジブルレイン」。監督は、佐藤祐市がつとめた。
姫川の心の闇は深い。行き場をなくして、また居場所を見つける。生きる目的をみつけるのは、至難の技に違いない。

しっかり芝居ができる俳優陣が揃い、映画の迫力にも負けていない。ちなみに、まだ続けようと思えば、続けられる要素がある…。どうするの?フジテレビさん。

(1月26日公開)