夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『きみの瞳が問いかけている』

2020年10月26日 09時48分37秒 | Weblog

きみの瞳(め)が問いかけている

チャップリンの『街の灯り』にインスパイアされた韓国映画『ただ君だけ』を、吉高由里子と横浜流星のキャストでリメイク。主人公の年齢が年下の彼に変更された。

元となった作品は未鑑賞であるが、邦画のこのキャストはなかなかいい。

 

自分の運転する車の事故で両親を亡くした柏木明香里は、自身も視力を失っていたが、明るく生きてきた。

一方、あることがきっかけでキックボクサーとしての夢が閉ざされた篠崎塁は、酒類販売の手伝いと駐車場管理の仕事で細々と生計を立てていた。

そんなとき、二人は出会う。

目に障害がありながらも、明るく生きる明香里に塁は惹かれていく。

やがて彼は、自分の過去が彼女の失明と関係していることを知る。そして、塁にまた暗い影がさそうとしていた。

東京から舞台挨拶が中継された上映回で鑑賞。

吉高由里子は、映画館で舞台挨拶ができることに感動していた。

やわらかい空気をまといながらも独特の世界観で愛嬌を振りまき、この映画が自分よりも長生きしていってほしいと述べていた。

横浜流星はアクリル板がありながらも、三木監督と吉高由里子が話しているときは体を向け聞き、その真面目さがうかがえた。

映画での横浜流星の冒頭の格好良さに注目。鍛えた体にファンの人はさらにファンになると、吉高由里子のお墨付きだ。

キックボクシングジムのコーチとして、やべきょうすけ。会長に田山涼成が出演。ほかに、野間口徹、岡田義徳、風吹ジュン、町田啓太など。

監督は吉高由里子が主演した『僕等がいた』や『フォルトゥナの瞳』の三木孝浩。

これでもか!というくらいのドラマティック展開は韓流がもとだからか?もっと繊細に描けた部分もあるかもしれない。

とはいえ、王道のストーリーでわかりやすい。

何より、主役ふたりの演技がしっかりしているので、飽きることなく鑑賞できる。

 

 


『望み』

2020年10月12日 09時56分09秒 | Weblog

ポスター画像

 

一級建築士の石川一登(堤真一)と校正者の妻・貴代美(石田ゆり子)は、高校生の息子・規士(岡田健史)と中学生の娘・雅(清原果耶)とともに高級住宅に暮らしていた。

規士はケガをしてサッカー部を辞めて以来、荒れた生活になってきていた。そして、連絡が取れず行方不明に。

やがて、規士の同級生が殺害されたニュースが流れ、警察が石川のところにやってくる。規士は事件に関与している可能性が高いという。

行方不明になっているのは3人。そのうち、犯人とみられる二人は逃走中であると。

規士は加害者なのか、被害者なのか。

犯人であっても生きていてほしいと願う母と、息子は無実であると信じる父。

生きている=加害者であること。無実であること=被害者であること。

どちらの結果も、家族には地獄のような日々が待ち受けていた。

監督は堤幸彦。原作は雫井脩介のサスペンスであるが、この作品はどちらかというと、社会派ドラマとなっていて、これまでの堤幸彦監督とは違った方向性の作品とも言える。事件の発端は何気ないこと。これで大ごとになるのかは軽い感じもするが、少年事件ではあり得ることなのかもしれない。

 

こんな事件の時のマスコミは何がやりたいのかわからく集まってきて、事実をひとつの方向にもっていこうとも思える。

戒めと感じてほしい。

岡田健史と清原果耶については、役柄だけでなく、これからも頑張ってほしいと思う。

 


『弥生、三月』(DVD)

2020年10月01日 10時15分50秒 | Weblog

 ドラマ「家政婦のミタ」「女王の教室」など多くのヒット作を輩出している脚本家・遊川和彦のオリジナル脚本。

1986年3月1日の出会いから30年を3月の出来事だけで描いていく恋愛ドラマである。

 

運命的な出会いから惹かれ合いながらも、親友サクラ(杉咲花)が病死したことから、想いを告げるきっかけをなくしてしまった弥生(波留)とサンタ(成田凌)は、それぞれ別の道を歩んで行く。お互いの結婚式などで節目節目で再会しながらも、別の場所で時は経つ。

 

時を経るごとに、波留と成田凌は身体的な加齢を表現している。自分の思いどおりに進まない人生の中で、最終的に向き合うことになる避けて通れないこと。そこに改めて向き合うこととなる。

 

成田凌の枯れぐあいが秀逸。世間に刃向かう役も、枯れた役も何でもできる年齢である。伸びしろは大いにある。