夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『繕い断つ人』

2015年02月16日 09時39分27秒 | Weblog
頑固に、その人だけの“夢の服づくり”にこだわり、ブランド化を断り続ける南洋裁店の二代目店主・市江。市江が手がけるのは、一代目の祖母が作った服の仕立て直しとサイズ直し。そして、祖母のデザインを流用した新作。南洋裁店に通い続ける藤井は、市江によりそっていくうちに、市江のある想いに気づいていた。


安い大量生産の服より、自分の服を一生かけて大切に着たい…至極当たり前のことを世間の流れの中で忘れてしまっている。いや、なかったものにしようとしている。大量生産大量消費で泣いてきた、職人のみなさんへ。本物を知らない世代の人へ。響くものがあるはず。
主演の市江を演じるのは、中谷美紀。自然な演技で、まさに市江そのものである。物語の舞台は神戸のため、神戸の街を中心にオールロケ。中谷美紀は、『阪急電車』、大河ドラマ「軍師 官兵衛」と、兵庫とゆかりが深い関係が続いている。

監督は『しあわせのパン』の三島有紀子。低予算作品にも関わらず、こちらも本物にはだわっており、市江の仕事場に差し込む日差しは照明ではなく、自然光。華美な映画ではないが、良質素材を感じる1作だ。

デパート勤務で、市江にブランド化の話を持ちかける藤井を三浦貴大が演じる。ほかに、余貴美子、片桐はいり、黒木華、中尾ミエなど。

主演する作品で、脇役ながらもキラリと光る演技を見せる黒木華は、この映画でもいいとこで登場し、おいしいとこ持っていってます。

主題歌は平井堅の『切手のないおくりもの』。