帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

瞬間13m の爆風と セーリングカヤック

2015年07月19日 | フイッシングカヤック

ウインドの道具積んだハイエースは修理工場に入院中。

代車の軽じゃ~ウインド道具を積めないし、 そんなわけで、今日はファルコンのテストをする事にしました。 

 

台風明けという事で、 早朝に湘南港の風速計を見たら、朝から8~11mの風。

「こりゃ~ 下手すると13m位になるかも・・・」 恐ろしいぞい!

 

普通のフイッシングカヤックに自分で設計した装具を載せ、トリマランタイプのセーリングカヤックとなった” ファルコン”(自分で名付け)ですけど、あえて無謀で危険な風の中で初テストをすることにしました。  キリッ!

設計では風速6m(瞬間8m)を風域としていますので、あえてその倍に挑戦という事です。

耐えられるのか? 耐えられなければどこに問題があるのか? 一気に噴出する可能性の高い問題点をすべて暴き出してやろう! 

という、ある意味無謀すぎる、というか乱暴な僕の性格がそのまま出ている・・・・  汗

 

この風をなんなくクリアできる物にまで完成されれば、 設計目標の風で安全に走れるようになるからです。

 

当初 テスト場所は 和田長浜海岸にしようと思っていたのですが、 それだとオフショア(沖へ連れて行かれる風)に今日はなっていたので、クロスオンの三浦海岸に変更。

最悪の場合でも、も風に押されて浜には着けますので・・・・

海岸に到着したのは10時頃、 その頃にはすでに8~10mの風 

この写真だけをとって、後は艤装しましたけど、目に砂が入りまくりで、汗だくの体にも砂がびっしり。 

さてといよいよファルコンを海に出しますが、 ここで問題。

 

当たり前ですけど台風の残りと風で海が荒れていて。

船を出すときにガンガンと波をかぶるので、その際にコックピット内に水がどかっと溜まる。 

此処で問題が一つ。 

水抜きのゴムを外していないと この水が全てシートすぐ前の黒いハッチから内部に入り込んでしまうんです。 その量が半端ない。

何のために有るんだ~このゴム栓は???? 邪魔なだけ

まあ、本来こんな条件下で出る様なカヤックでは無いのですから、当たり前と言えばあたりまえですけど。

「こんな物は要らんわ!」 と、あわててゴムを全部外し、ハッチの中に放り込みますが、 数回ドカット満水になった為に、この時点で大分内部に水が入り込みました・・・・

排水するためには、浜に戻って船をひっ繰り返すしかないので、そのまま出ることに。

 

まずは船の上に這い上がりますが、アウトリガーの恩恵が凄くて、何の問題も無く乗れてしまう。 

でもって、ジブセイルとメインセイルをコントロールして、沖へ・・・

ブローで時々13m近い風の為、3㎡程度のセイルでもパワーがスゴイ。

ガッ!!という感じであっという間に加速して沖へ向かいます。

 

が、ここで問題発生。 

アウトリガーには基本的にイレクターの部品を使っています。

これの接着というのは本当にいい加減な物でして、 接着出来ている様に見えるけど、その実は強度が無いことが多い。

波に叩かれている内に、アウトリガーに角度着け支えているネック部品の接着がOUT

そうだよな~と 再確認した僕 

右側のアウトリガーが水平になってしまった・・・・ 

構造的に船体から離れていくようには造っていないのでカヤックから分離したりはしませんが、 完全に抵抗となってる。 

ある程度沖へ行くと、上り角度を見るためにダガーボードを水面下に投入。

とたんに上り角度を取れるようになりましたけど、ここで次の問題。

 

まな板は柔らかすぎた~・・・・・・・・・・ぎゃはははは! 大爆笑!!

水中でへにゃ~と曲がっていて、 カヤックが横流れするのを支える物ですから、 当然横の力を受けてそうなるのですけど、

いかんせん ファルコンの速力が早くて、そのせいも有るんです。 

風速6m位ならともかくも、13mの風で出る速力は半端ないですから。 これは一度破棄して丈夫な木製の物に造り直しが必要ですね。

 

さてさて、しばらくしたら、また次のトラブル。

舵が効かなくなった~!・・・・・・・・・・・・・ステアリングを真っ直ぐにしても、船が風上へと回ろうとする。

致命的ですこれは

 

実はこれ、初めから懸念していた事の一つで。 ステアリングラインに使っているダイニーマは

強度も半端ないですけど、滑りの良さもピカイチ。

故にクリートにかかりにくい(外れやすい)面が有るのです。

浜で艤装の時に 余りの飛砂でウンザリして、 丁寧に取り回さなかったという僕も悪いのですけど、   仕方ないので、カヤックの上でシートロープを引きますが。

十分に引き切れない。

片方はフルに舵が切れて、もう片方は直進という感じとなり、帰りが困ったなと・・・・

 

しかし速力が早い・・・・浜から500m位まであっという間に到達。 

ただし途中でトラブルの原因追及と対策等々をしているので、トータルの時間はかなり消費しています。

「そろそろ帰らないとまずい・・・・」そう思ってタックしますが、舵はおかしいし、アウトリガーは抵抗になっているし、なのでパドルをつかって強引に方向転換。 

するとさらに次の問題が、  だははは! 

今度はセイルに受ける風のパワーに負けて、 サイドステイが伸び始めた・・・・ バンザ~イ!

なわけが無い・・・・・  だからナイロンは嫌いだ。

 

サイドスティは、写真の赤矢印のようにマストを横方向から支えるロープですけど、常用加重四〇kgのロープがこうも簡単に伸びるとは・・・・

そんなこんなでトラブル対策をしている内に、流された距離と、船の上り角度を考えると元に戻るのは無理になってしまった。

故に帰着地点を変更して、隣の浜に変更しました。 

 

しかし・・・・・それは良いのですけど、 サイドスティがゆるゆるでマストが傾き、 抵抗になってもらいたくない方のアウトリガーは横になって抵抗となっているし。

相変わらずステアリングは直線か、片方にフルに切れるかだし。 

最悪なのが、爆風で小波が沢山起き初めて、それがコックピット内にどかどかと流れこんできて、ハッチからカヤック内部へと入る量が限界を超えたのか?、テールが沈み始めた。

ステアリングのライン取りこみでテールに穴が空いていることも原因の一つ。

 

折りしもウインドサーフィンの大会をやっているので、そこに流れてしまったりしたらひんしゅく物。 

そこでセイルをフレークして全部降ろすと、浮力有るアウトリガー側に座り直し後はパドリング一本で強引に浜まで戻りました。 疲れた・・・・

さすがに疲労困憊、一息着くと艤装を全部解除。 

この一回のセイリングにて、改善すべき点は全て露出したので、さすがに今日はもうでる気になりません。

 

というか危険すぎるし 

最後のパドリングで精根尽き果て、疲れていたのも有り、1時には帰途につきました。

 

さて、これで懸念していた問題部分が全て出ましたので、次はそれを基にして、

13mの爆風でも耐える 最高性能のセーリングカヤックへとモディファイ& チューニングをする予定です。