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床の不陸調整&床張り その3

2023年11月23日 | 増築&リフォーム、DIY、手作り等 古い日記

依頼リフォームの続きです。

 

さて、 先週末は、洋室に改装中の2階和の不陸調整と床張りをしましたが、 今週末は隣の洋室の不陸調整。

 

まあ、古い建物ですから、ある程度の不陸が有るのは仕方ないにしても、 和室で約4cm そして今回の洋室で約3cmと、

床のトップから同じ室内でそれだけ不陸が有るのは、大体にして建物基礎が割れて沈んでたり、シロアリに土台食われて沈んでいたりするのですが、 

調べたところではそうした形跡は無く、 単にいい加減な建築をしたということ。

 

でしょうかね

 

まあそんな事はどうでも良いとして、 今週末に洋室の不陸を直して床張り、 その後は廊下、 そして再び和室に戻りクローゼット造りと、次から次にやることがあります。

 

さて、作業開始。

以前、この部屋を一度レーザー測定しているのですが、そのときは赤レーザー(紛失?)で、すでに床の一番高い処は出ています。

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ただ、この時はドア枠が有った事から根太の位置を大まかでやっており、今回は正確にラインを引いていきます。

 

黄色矢印のラインは以前のですが、今回は根太(緑矢印)が露わになっているので、それを基にして新たにラインを性格に引き、

そのラインから303mmごとに平行線を描いていきます。

ちなみに、不陸調整後に張る合板は24mm厚のもので、これは根太レス工法に使える物ですので、910mm間隔で良いわけですが、

前回の和室床みたいに新しい根太を造りませんので、 その代わりに303mmごとにメッシュ線を引き、その交点全てに不陸調整材を置いて合板を張ります。

根太にはもちろんですが、床の全面に応力を分散する方法。

 

新しい床板は15mmでも良いわけですが、フローリングを張らない(クッションフロアのため)事と、下に断熱材を入れるスペースが無い事、24mmという厚みからもたらされる合板そのものの断熱性を使います。

 

まあ、実際には新しく張る床の下に不陸調整材によるエアスペースが出来、その下には既存の12mm厚フローリングが二重に重ねて張られているので、24mm程有ります。

床の構成は24mm+エア空間(0~24mm)+24mm合板となりますので、下の部屋からの影響、この部屋の温度の影響をエアスペースが受けにくくなります。

この空間ですが、一番考えねばならないのは結露でして、隣の和室は床板を隙間空けて並べた物でしたので、24mm合板に断熱材をピタリと密着して取り付け、結露を防ぎました。

初めは、その空間に発布ウレタンを充填することも考えましたが、今回は上記の様に幾層にもなって厚みがある事から、

冬の冷気と暖房、夏の冷房と酷暑に対して、さほどの影響は無いと判断しました。

*使う材料が薄いほど、結露は考慮しなければなりません。

 

さて、レーザーを使いながら、ラインを引き、 そして一番床の高いところにレーザーを載せて床全面の不陸を測ります。

まずは全体の見渡し。

ドアの突き当たりにある窓の角(部屋の隅)なのですが、ここは柱が有り、沈みが無い事から床が少し高いです。

一番沈み込みが激しいのは、出入り口の対面の壁の処ですが、巾木の処をパッと見ている限りは、特に沈み込みは感じられません。

しかし・・・・よ~く見てみると、完全に波を打っています。 

この沈み込みは下の基礎である根太や大引き、梁の高さそのものでして、という事は、何の不陸調整もせずにそのまま床を張ったと言うこと。

 

如何に、この家を造った?もしくはリフォームした大工職人がバカだった!?という事の完全なる証明でも有りますが、 実際に職人の仕事なんて10人中8~9人はこの程度です。

自分は職人では無く、技術屋でして、建物設計もやりますので、現場が以下にいい加減で酷いかを嫌という程見てきていますから。

 

まあ、そんなどうでもいい話は置いておいて、作業に入ります。

不陸がベコベコに見て取れます。

約8畳ほどの大きさのある部屋ですが、全面に交線を引き、その交点一つ一つの高さを床に記載して行きますが、

これがかなり時間を取ります。

 

以前の仮測定の数値を消して、新しい数値に書き換えていく・・・・・

一番低いところですが、138mmですから、 138mm-104mm(レーザー発光部高さ)=24mmの床沈みになります。

床全面の線引きと数値記入が終わると、 薄いベニア&ある程度適する廃材があればそれをカットしてシムを造り、固定していきます。

見ての通り、奥に行くほどシムの厚さが増しています。

この作業、実はかなりカッタルイ作業でして、

写真の様に2mの定義を縦、横、そして45度斜めと、貼り付けたシムの上に当て、全ての交点の誤差を0.5m(±1mm)以内にするのですが、

一度固定しても高さが揃わない場合、取り外してシムを追加、又は取り外ししますので、やたらと時間が掛る+かなりの忍耐力が要ります。

 

ただ、これをほんの少しでもいい加減にやると、床にペコペコする処が出てきたりするので、完全で無いと駄目なんです。

まあ、24mm厚ですので、実際は起きませんけど (笑) 

 

で、朝の8時から作業開始して、 途中で材料を買い出しに行き、 その後は3時までずっと作業。

丸鋸でのカットが、とにかくかったるくて・・・・ シム調整するポイントが200くらい有りますので。

 

終了した写真、 水色丸はシムの不要なところです。

 

下の写真は部屋の出入り口に向けて対面からの撮影。 

あっ!1カ所抜けている・・・・・・・ 汗。 

ここには調整した後のシムを置いていたのですが、 留め忘れていて、撮影の為に片付けている時にウッカリ持って行ってしまったのがで原因です。

 

廃材置き場で探してこの場で固定すれば良いのですが、さすがに疲れてやる気無し。

なので、次の時にやります。

根太の方向から、床板はこの様に8枚置きます。

千鳥張りが良いのですが、長手方向の突き当たり部分下に大引きが有りますので、このまま張ります。

 

ボード一枚の下に支え点が28点、 床は、畳一枚の面積に対して、設計加重として約180kgに耐えるようになっているので、

その半分程度100kg(ボードの重さ含む)の重さが掛かるとして(机や本箱、人間の加重等)、交点一つあたりに掛かる加重は約3.5kgですので、

何ら問題はないでしょう。   この家の設計がまともならですが・・・・

 

ちなみに、一点に僕が乗って飛び跳ねてもビクともしません。

シム自体は殆ど合板で、上からの圧力に耐える力が大きいのですが、 強度の無い物だと、

潰れてはみ出し崩れます。なので組み合わせ方も、大きな物から小さな物へとピラミッド状にするか

大体同じサイズを積み重ねる。

 

不陸調整はかなり正確にやりましたけど、実際に床を張ると普通に強度が出て、15mmよりも24mmの構造用合板の方が主さが全体的に分散して良いわけです。

さて、次回はこの部屋の床張りです。

 


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