本日のGetUpEnglishは、アーサー・ミラーの『るつぼ』(Arthur Miller, The Crucible, 1952)の名セリフを紹介する。
この戯曲は、17世紀末のマサチューセツのセーラムを舞台に、「魔女狩り」の問題が描かれる。 魔女と疑われた女性の一人マーサ・コリー(Martha Corey)は、次のように言う。
○Practical Example
"I am innocent to a witch. I know not what a witch is."
「わたしは魔女ではありません。魔女がどんなものか、わたしは知りません」
●Extra Point
これに対して、ホーソーン判事(Judge Hathorne)はこう言う。
◎Extra Example
"How do you know, then, that you are not a witch?"
「魔女がどんなものか知らないと言うのなら、なぜ自分が魔女でないと言えるか?」
これは、テロリストを知らないと言うのなら、どうして自分はテロリストでないと証明できるのだ、と巧みに世界中の被疑者を追い詰める9・11以降のアメリカ政府のやり方と変わらないように思える。
☆Extra Extra Point
この芝居は、魔女とのかかわりを疑われて処刑されたジョン・プロクター(John Proctor)の妻エリザベス(Elizabeth)の次のセリフで幕を閉じる。
☆Extra Extra Example
"He have his goodness now. God forbid I take it from him!"
「夫は自分の善良性を今手にしました。わたしが夫からそれを奪うなんて、絶対に許されません!」
古い時代に設定して、その時代の古い英語で書かれているので、hasがhaveとなっていることに注意。