Star Wars Episode IX The Rise of Skywalkerの公式ジュニア・ノベルの原書が4月21日に発売になりますが、こちらは鋭意翻訳中です。
https://www.amazon.com/Star-Wars-Skywalker-Junior-Novel/dp/1368054269
映画のドラマチックなセリフももちろんほぼすべて含まれています。
本日のGetUpEnglishはあのLuke Skywalkerの名ゼリフをご紹介します。
Rey. Some things are stronger than blood.
Confronting fear is the destiny of a Jedi.
Your destiny.
If you don't face Palpatine... it will mean the end of the Jedi.
And the war will be lost.
レイ、血よりも強いものがあるのだ。
恐怖との対決はジェダイの宿命。
きみ自身の定めだ。
パルパティーンから逃げれば……その時がジェダイのおわりだ。
もはや敗北しかない。
And the war will be lost.は日本語にするのがむずかしいかもしれない。英日翻訳のむずかしさのひとつに、「日本語ではこういう言い方はしないのでは?」と思える英語の言い方によく遭遇するということがあると思う。だが、よく考えると、それはわれわれが(少なくともわたしが)英語のネイティブスピーカーの話し方に通じていないからだということになる。「英語ではそういう言い方はしない」と英語のネイティブスピーカーが思う日本語がたくさんあるのと同じことだろう。
この場合はthe warが受身形になっているのがちょっとひっかかるのであって、そういうときは能動態にしてみればいい。
すると、And the war will be lost.にわざわざAndが付いていることから、その前の主語the Jediを指しているというか、「省略している」と思われる。
であれば、
They(the Jedi) will lost the war.となり、「ジェダイはこの戦いに負けるだろう」とすっきり意味が取れるはずだ。
もうひとつ、And the war will be lost.はなんとなくブツ切れの感じもあって、And the war will be lost by then.のby thenのような言い方が省略されているような感じがする。(少なくとも自分が英語を書くのであれば、by thenのような言い方を入れて、意味をすっきりさせたい。)
これを加味すれば、「そこでジェダイは戦いに負ける」「そこで終わりだ」「そこに待っているのは敗北だけだ」という意味になると思う。
ただ、英語を日本語に「等価」で伝えるということも英日翻訳には大切なので(日英翻訳もこの「等価」の考え方は同じように大切だ)、このブツ切れ感も出したい。そう考えて、上のようにしたのですが、いかがでしょう?
Star Wars Episode 9 The Rise of Skywalkerの公式ジュニア・ノベルにもこのセリフはもちろん出てきます。
最後のStar Wars作品なので、いつもよりページ数が多いうえに、ジュニア・ノベルとは思えない語彙レベルの高さで、かなり苦しい戦いを強いられていますが、(フォースを呼び込んで?)なんとか予定通りに訳了したいです。