靖国参拝と中国の民主化

2006-04-24 05:55:31 | Weblog

 ブッシュと胡錦涛の米中首脳会談後の共同記者会見(06年4月20)で次のようなやり取りがあったという。、
 「中国は自由選挙のある民主国家になるのか」
 「あなたの言うところの民主国家の意味が何なのかよく分からないが、民主化なくして、現代化なしだ。中国の国情と人民の願いに沿って、政治体制改革を進め、社会民主政治の発展に努める」(06.4.22.『朝日』朝刊)

 翌4月21日のエール大学の講演での胡錦涛主席の発言とそれに対する解説を4月22日の『朝日』夕刊で見てみると、

 「他国の政治制度のコピーはしない」
 「中国の民主化を『国情に沿って進める』」
 「民主化を求める米国などを意識し、中国独自の『社会主義下での民主化』を推進する考えを改めて強調した」
「講演の内容は共産党独裁を前提にした発言に終始。米政府が前向きに評価した米中首脳会談後の『民主化なしに現代化なし』という発言にも言及したが、『原則』は譲らない姿勢を明確にした」

 中国の民主化を促すために、一党支配ではない複数政党制・自由選挙に則った民主化を条件に首相の靖国参拝の中止と国立追悼施設建設を約束して、戦没者の墓をそこに移して参拝場所とすることを中国に提案したらどうだろうか。

 靖国神社の参拝に拘っているよりも、実現したならの話だが、世界史に名の残る偉業となるのではないか。例え中国が内政干渉だとかの口実で拒否したとしても提案するだけでも価値がありそうに思える。中国が拒否した場合、少なくとも首相が靖国参拝を強行できる理由の一つになる。

 できないだろうな。現在中国が一党独裁であることが唯一日本が非難できる点であって、それを失ったなら、中国に対して胸を張ることのできて大事な宝物となっている優越性を自ら無効にする矛盾を犯すことになるばかりか、中国が民主化したら、そう遠くない将来、すべての点で日本は中国に超えられてしまうだろうから。その恐れへの予感が日本の反中国感情の土台にある。

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