沖縄少女暴行/「知らない人に声をかけられても応じるな」は何歳までの注意なのか

2008-02-12 11:11:05 | Weblog

 沖縄で昨日の11日に当地駐留米海兵隊の38歳2等軍曹が14歳の女子中学生を車の中で乱暴したとして逮捕される事件が起き、沖縄県民はもとより、政府、マスコミを含めて轟々たる非難の合唱となったのは再び仕出かした度重なる事件であることから当然の光景かもしれない。

 沖縄県民若い男性「人間としては許せない」(08.2.11/NHKニュース)
 アナウンサーが、沖縄県教育委員長がアメリカ総領事館に強い憤りを伝え、再発防止を働きかけたと伝えていた。

 仲村沖縄県教育委員長「23万人のその、児童、生徒を預かる者としてですね、強い憤りを、覚えているところでありまして、謝罪の要求とですね、そして今後二度とこういうことが起こらないようにということで、再発防止のプログラムですね、是非米軍は沖縄県民に対して公開してほしいと・・・・」(同ニュース)

 岸田沖縄相は「大変遺憾なことで、あってはならない事件が発生し、強い憤りを感じている」(08.2.11/TBS「eニュース」)
 仲井沖縄知事「女性の人権を蹂躙する重大な犯罪で被害者が中学生であることを考えれば、決して許すことができず、強い怒りを覚える」(同TBS)

 仲井知事はメモを読み読み記者団に話していたが、これくらいのことを言うだけのことにメモに頼らなければならない地方首長の見解能力とはどの程度に位置づけたらいいのだろうか。

 小学低学年女児に対するワイセツ目的の誘拐、殺人事件が凶悪性のあったもので、90年、92年、94年と1件ずつ、97年は2件、01年1件、03年は2件、04年2件、05年2件、07年兵庫県加古川の小2女児の通り魔刺殺・未逮捕事件等々毎年のように頻繁に繰返されていることから、各地域団体の頻繁な防犯パトロールによって、あるいは小学校自身は児童に防犯ブザーを持たせたり、知らない人間に声をかけられても応じるな、身体を掴まれたら、大きな声を出して助けを求めろ、近所の家に駆け込めと教えて、それぞれ防犯に務めている。

 このうちの「知らない人間に声をかけられても応じるな」は何歳にまで教え込まなければならない注意なのだろうか。12、13歳から14、15歳までの中学生に「知らない人間に声をかけられても応じるな」と教え込まなければなければならないとしたら、日本の中学生は自己判断能力が著しく欠けていると言わざるを得なくなる。声をかけられて、知らない道を尋ねられただけといったこともあるその要求内容にどう応じるか、応じないかは中学生にもなったなら、自分で判断すべき事柄だと思うが、そうとはなっていないのだろうか。

 勿論、危険を察知して逃げようとしたが、力が勝る相手に身体を捕まえられて車に強引に押し込まれて連れ去られるといったことはなかなか避けようもないことだが、そのことと「知らない人間に声をかけられて応じる」かどうかの自己判断とは別問題に位置づけなければならないはずである。ドライブに誘われて、ドライブぐらいならいいなと思って応じたところ、ドライブだけでは済まなかったといった自己判断の甘さが露呈することもあるだろうからだ。

 昨11日の読売インターネット記事≪女子中学生に乱暴、沖縄の米兵を逮捕…知事「極めて遺憾」≫によると、容疑者は<「(家まで)送ってあげる」と声をかけ、オートバイに乗せた。>と出ている。

 これは強引に身体を捕まえられてオートバイに乗せられたわけではない、14歳の女子中学生の「知らない人間に声をかけられて応じ」た自己判断行為としてあったものだろう。

 まだ幼い子供をオートバイの後部座席に同乗させるにはオートバイのスタンドをかけておいて子供を抱えあげて後部座席に跨がせてから、自分が座席に跨いでその腰に手を回させて落ちないようにしてから片手をハンドルに置いてエンジンをかけ、かけ終えるとその手もハンドルに置いてオートバイ自体を全身を使って前に押し出すようにしてスタンドを倒し、走り出すのが後部座席に同乗した幼い子供の安全を図るための手順であろう。

 しかし中学生を同乗させるとしたら、先ずスタンドを外したオートバイに運転者自身が跨ってから、同乗者が後部座席に跨り、走り出した後の安全のために運転者の腰に手を回す。それを確かめてから、運転者はエンジンをかけ、走り出すのが一般的な手順のはずである。

 中学生が最初から自分の意に反して身体を抱え上げられて後部座席に座らされ、それから運転手が座席に跨いだとしたら、乗用車の中に閉じ込められたわけではないのだから、走り出すまでの間に逃げようと思えば逃げられたはずである。

 実際には逃げようとしていたが逃げることができない意に反する同乗だったということなら、14歳の女子中学生は<友人と3人で歩いていた>と言うことだから、後部座席に跨り走り出すまでの間に本人が抵抗して厭がる素振りを見せていただろうし、そればかりか友人の二人に助ける求める視線を向けもしただろうから、その時点で友人は警察に携帯をかけていたはずである。

 ところが警察へはいつの時点か記事からでは分からないが、<女子中学生の友人が、「外国人のオートバイに乗って行った友達の携帯電話に連絡したら、助けを求められた」と通報>(同「読売」)したということだから、後部座席に跨り、オートバイが走り出すまでの時点では助けを求めるサインは認められなかったことを示しているし、当然警察に連絡もしなかったということだろう。

 いわばオートバイの後部座席に乗ったのは14歳の女中学生の自分から座席に跨いで乗った自発行為だった。

 声をかけられたのは夜の8時半頃の沖縄市の繁華街にあるアイスクリーム店から出てきたところだという。時間の点からも特に夜の繁華街は彼女らにとって学校+家庭という日常の世界とは異なるささやかながら非日常の「ハレ」の場所であろう。プライベートな遊びの気分に染まって華やかな気持になっていたことが考えられる。多分一緒にいた2人の友人に勇気のあるところを見せたくなってつい調子に乗って応じてしまった。ところが時間の経過と共に友人2人がいなくなったた自分一人の状況に次第に怖くなって怯え出した。そのために格好の餌食に、あるいは軍曹はまだ否認しているということだから、格好の餌食の対象にされてしまったということではないだろうか。

 相手をバカにしたり、正反対に過度に怯えたりすると、相手の攻撃を誘いやすくなる。自分は馬鹿にされる人間でもないし、人を怯えさせる人間でもないとそう思われている姿を否定し、相手のそう思う気持を抹殺したい自己正当化意識から、元々性的欲求を抱えていた場合、本当に好きだから身体を求めるのであって、邪な気持で身体だけを求めているのではないといった歪んだ攻撃に変じやすくなる。

 地域性の違いというものもあるだろうが、この事件の報道に接したとき、東京の夜の渋谷や新宿、池袋を徘徊する女子中学生や女子高校生たちが「バカな女、私だったら逆におカネを請求してやるのに」とか、「アメリカ人とエッチなんて、私だったら絶好のチャンスにしたんだけどな」と言っているシーンがなぜか頭に浮かんだ。

 小遣いのカネにするチャンスに一夜限りの関係や月決めの援交を目的に自分から見知らぬ中年に声をかける彼女たちの姿はすべて自発行為としてあるものだろう。14歳の沖縄の女子中学生がオートバイに乗ったことが自発行為としてあったものなら、軍曹や沖縄駐留米軍のみを非難の生贄に祭り上げるのは公平性に欠けることになる。
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 参考までに「読売」記事の引用。

 ≪女子中学生に乱暴、沖縄の米兵を逮捕…知事「極めて遺憾」≫

 <沖縄県警沖縄署は11日、女子中学生(14)に乱暴したとして、同県うるま市の米海兵隊キャンプコートニー所属の2等軍曹タイロン・ルーサー・ハドナット容疑者(38)を、強姦容疑で逮捕した。
 調べによると、ハドナット容疑者は10日午後10時半過ぎ、同県北谷町北前の海岸部にある公園付近の路上に止めた車内で、沖縄本島中部地区に住む女子中学生に乱暴した疑い。
 「キスをしたり、抱きついたりしたが、乱暴はしていない」と容疑を否認している。
 ハドナット容疑者は同日午後8時半ごろ、同地区の市街地を友人と3人で歩いていた女子中学生に「(家まで)送ってあげる」と声をかけ、オートバイに乗せた。同県北中城村の自宅へ連れて行って乗用車に乗り換えたが、女子中学生の家には向かわず、北谷町へ行ったという。
 女子中学生の友人が、「外国人のオートバイに乗って行った友達の携帯電話に連絡したら、助けを求められた」と通報。現場近くをパトカーで巡回していた警察官が急行、歩いていたところを保護した。
 同県では、1995年に海兵隊員3人が小学生女児に暴行する事件などがあった。
 仲井真弘多知事は県庁で報道陣の取材に応じ、「女性の人権を侵害する重大犯罪。決して許すことはできない。またもや、このような事件が発生したことは極めて遺憾で、米軍などに強く抗議する」と話した。>――

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