鳩山首相、普天間移設現行案辺野古回帰は超ウルトラC?

2010-04-27 05:04:11 | Weblog

次の総選挙まで民主党に政権担当を任せてみたらどうだろうか

 岡田外相が23日にルース駐日米大使と米大使館で会談、米軍普天間基地の移設問題で2006年に日米が合意した現行案を微修正する形で沖縄県名護市辺野古への移設受入れを伝えたとする24日付米紙ワシントン・ポスト(電子版)の報道をマスコミ各社が一斉に伝えたが、岡田外相も鳩山首相もこれを「事実ではない」と否定。

 鳩山首相の場合は「事実ではない」としたばかりか、「辺野古の海を埋め立てることは、自然への冒涜(ぼうとく)だと強く感じている。あそこに立ったら、埋め立てられたらたまったもんじゃないと誰もが思う。現行案を受け入れるような話になってはならない」日経電子版)と、高邁なる信念さえ漂わせた絶対否定を披露した。

 だが、昨日付けの「毎日jp」記事を読むと、絶対否定が絶対否定ではなく、超ウルトラCを前以て用意していた現行案(辺野古案)への回帰に見えてくる。記事内容の読み違えではない証拠とするために全文を参考引用してみる。

 《普天間問題:政府が辺野古修正案 埋め立てず沿岸部か沖合》毎日jp/2010年4月26日 2時30分)

 政府は25日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)を埋め立ててV字形滑走路を建設する現行案を修正し、海を埋め立てない方式で辺野古の沿岸部か沖合に移設する案を含めて米側と協議に入る方針を固めた。政府関係者が明らかにした。鹿児島県・徳之島への移設を巡る米側との水面下の折衝が難航している現状を踏まえ、県内移設の選択肢を増やした方が得策と判断した。
 修正案は、杭(くい)式桟橋方式(QIP)メガフロート(超大型浮体式海洋構造物)を建設して滑走路を造る工法などで、いずれも96年に日米特別行動委員会(SACO)最終報告前にも検討された案だ。

 政府はこれまで、県外移設を目指す鳩山由紀夫首相の意向に沿って、徳之島に普天間ヘリコプター部隊の大部分を移し、一部をシュワブ陸上部に移転する案を検討してきた。しかし、米側がヘリ部隊と沖縄本島の陸上部隊との距離は65カイリ(約120キロ)以内とするよう要求。地元首長からは交渉を拒否されている。

 政府内ではこれまで、沖縄県内外の約20カ所について移設が可能か技術的な検証を行ってきている。鳩山首相が「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒とくだ」などと、埋め立てを明確に否定していることを踏まえ、日米で合意している現行案に近く、しかも埋め立てを伴わない案として修正案が浮上した。【仙石恭】

 要するに鳩山首相は、「辺野古の海を埋め立てることは、自然への冒涜(ぼうとく)だと強く感じている。あそこに立ったら、埋め立てられたらたまったもんじゃないと誰もが思う。現行案を受け入れるような話になってはならない」と、「自然への冒涜(ぼうとく)だ」とまで言って、自らが信念しているかのような主張を訴え、「埋め立て」を絶対否定した。但し杭(くい)式桟橋方式(QIP)メガフロート(超大型浮体式海洋構造物)「埋め立て」ではないから、自らが発言した絶対否定を破ることにはならないし、自らの信念を裏切るわけではない。

 いわば「埋め立て」とはならない“超ウルトラC”を前以て用意していたからこそ、「辺野古の海を埋め立てることは、自然への冒涜(ぼうとく)だ」とまで言えたのではないだろうか。

 記事は〈鳩山首相が「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒とくだ」などと、埋め立てを明確に否定していることを踏まえ、日米で合意している現行案に近く、しかも埋め立てを伴わない案として修正案が浮上した。〉と、鳩山首相の絶対否定が最初にあり、それを受けて講じた対応策であるかのように後先のプロセスがあったこととして書いているが、岡田外相とルース米駐日大使が会談したことを承知していた上での鳩山首相の発言なのだから、「修正案」の内容をも承知していたはずで、それを踏まえた「辺野古の海を埋め立てることは、自然への冒涜(ぼうとく)だ」でなければならないはずだ。

 いわば、他の閣僚が演じたのではない、鳩山首相自らが演じた「埋め立て」とはならない「埋め立て」絶対否定という“超ウルトラC”だと見なければならない。

 このことは以下の記事が証明している。(一部分抜粋)
  
 《「国民のいらだち、受け止めながら…」26日の鳩山首相》asahi.com/2010年4月26日21時54分)

 【普天間問題・その1】

 ――首相は以前、「辺野古の埋め立ては自然への冒涜(ぼうとく)」と現行案に否定的な考えを示した。一部報道されているくいを打って建設する浅瀬案など含め、辺野古周辺に移すことすべてを否定するということか。

 「あの、申し訳ありませんけど、今、政府案を真剣に検討している段階でありますから、そのような段階で一つ一つのことに対してイエスだとかノーだとかいうことをコメントはいたしません。ここはご容赦ください」

 ――辺野古の海上に基地を造ることに反対はしないのか。

 「だから、その、政府案一つ一つに対してわたくしは一切決めていない段階、最終的にですね、決めていない段階でコメントしないことをご容赦いただきたい」


 断るまでもなく、鳩山首相は鳩山内閣の総括責任者である。その総括責任者たる鳩山首相が「辺野古の海を埋め立てることは、自然への冒涜(ぼうとく)だと強く感じている。あそこに立ったら、埋め立てられたらたまったもんじゃないと誰もが思う。現行案を受け入れるような話になってはならない」と発言した。それは事実かと問われて、「コメントできない」と答える。

 既に絶対否定から離れているばかりか、総括責任者であるにも関わらず自身の発言の行末さえ隠す。裏側に杭(くい)式桟橋方式(QIP)メガフロート(超大型浮体式海洋構造物)「埋め立て」とはならない“超ウルトラC”を隠しているからこその絶対否定の韜晦と見なければならない。

 少なくとも上記「毎日jp」記事を読む限り、そう勘繰らざるを得ない。杭(くい)式桟橋方式(QIP)にしてもメガフロート(超大型浮体式海洋構造物)にしても「埋め立て」に当たらないから、鳩山首相の言行不一致とはならないからと限りなく現行案に戻すということではないだろうか。

コメント (1)
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