舛添“お騒がせ中年”の「新党を作るなどとは、ひと言も言っていない」のマヤカシ

2010-04-21 09:27:18 | Weblog

   

 自民党の“お騒がせ中年”舛添要一が4月14日午前、国会内で記者会見、橋下徹大阪府知事と地方分権・地域経済活性化をめざす「大阪特区構想」で連携していくことを明らかにし、15日午後には東国原宮崎県芸人知事と会談すると公表。

 《舛添さん、どうするの?橋下・東国原両知事と接触続く》asahi.com/2010年4月14日13時2分)

 国民的人気の高い両知事との接触にマスコミが新党結成かと騒いだが、大山鳴動ネズミ一匹、単に政策的な連携を話し合ったに過ぎないことが分かってスカを食うこととなった(当てが外れること)。

 《舛添新党なら… 橋下知事は参加否定、東国原知事は含み》asahi.com/2010年4月14日17時1分)

 橋下知事が14日昼に記者団に語ったこと。数日前に“お騒がせ中年”から電話で「大阪全体を特区とする構想」の提案を受けた。知事は「賛成。ありがたい」と応じた。

 “お騒がせ中年”新党に関しては――

 「国政の『新党』は、僕がどうのこうのすることでない」

 “お騒がせ中年”が14日午前記者団に話した「大阪特区構想」での政策連携については――

 「舛添さんが掲げる大阪特区構想には大賛成。連携というより大阪の政策を伝えていくことだ」

 これは、〈民主党の特区に対する考え方と比較したうえで、舛添氏を応援する可能性を示した〉ものだと記事は解説しているが、何とも冷めた対応となっている。

 一方の東国原芸人知事(14日午前、兵庫県西宮市内で報道陣に)――

 「地方再生の理念、政策、情熱を見させていただき、任せても大丈夫、我々の役割もあると思ったら、はせ参じて一緒に頑張っていかないと」

 橋下知事の消極性と東国原芸人知事の積極性の違いはマスコミに露出する必要性の違いの表れのように思える。橋下知事の場合は自分から露出しようと思わなくてもマスコミの方から集まるが、現在の東国原芸人の場合は自分の方から売り込まないことにはマスコミが集まりにくくなっている状況にあるからだ。会談は東国原芸人から持ち込んだものだそうで、舛添“お騒がせ中年”が応じてくれたマスコミに露出するチャンスである。積極的に応じる姿を見せてこそ、マスコミの取扱いも違ってくる。

 舛添“お騒がせ中年”にとっても渡りに船のマスコミ露出機会であったに違いない。

 執行部批判や新党結成の言動を繰返すことに熱心だが、15日午後には東国原芸人知事と会談する時間を用意しながら、午前開催の自民党全議員懇談会に出席する時間を用意せずに欠席した非協力的態度に業を煮やした議員から全議員懇談会で厳しい声が噴出したというが、欠席裁判みたいなもので、馬耳東風の効果しかなかったようだ。

 先ずは全議員懇談会での“お騒がせ中年”に対する手厳しい批判。《自民党内で舛添氏批判が噴出》日テレNEWS24/2010年4月15日 14:57)

 後藤田正純衆議院議員「(舛添氏は)オオカミ少年どころか、オオカミ中年に見え始めてきた。これはちょっと政治家としてどうなのかなと」

 平沢勝栄衆議院議員「もし離党を考えているなら(執行部から)離党を勧告するなり、けじめをつけてもらいたい」

 (?)「党の結束を乱すガン細胞を早く取り除くべきだ」――

 「ガン細胞」とまで扱われるようになった。

 新党、新党と言いながら、一向に新党結成の動きを見せないなら、迷惑を蒙るだけだから、こっちから追い出してしまえというわけである。

 発言と事実が食い違うのだから、「オオカミ少年」のウソと取られても仕方がるまい。少年であることよりも年齢的により始末の悪くなった「オオカミ中年」だということなのだろう。

 このような批判に対して、当の“お騒がせ中年”の対応。《舛添氏 言動への批判に反論》NHK/2010年4月19日 16時43分)福岡市の講演の中での発言だという。

 舛添「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない。日本をどう立て直すかについて、橋下大阪府知事や東国原宮崎県知事らとともに提言して何が悪いのか」

 「知事でなく、国会議員を5人集めなければ新党にはならない。自民党の議員は、メディアに反応するのではなく、国民の声に反応するべきだ」

 「私の政治のやり方は、何か言ったときには、水面下で5割以上が固まったときだ。タイムリミットのある話であり、すべての可能性について模索をしている」――

 「私の政治のやり方は、何か言ったときには、水面下で5割以上が固まったときだ」云々とは相変わらず偉そうなことを言っている。

 舛添“お騒がせ中年”は3月1日の日本外国特派員協会の講演で次のように発言している。

 「あらゆる選択肢がある。このまま党の支持率が低迷したり、古くさい経済政策をやるようなら、新党もあるし、(党に残って)今の党を変える可能性もある。・・・参院選前、谷垣禎一総裁を総裁の座から引きずりおろす動きが出るかもしれない。そうすれば改革は可能」(日刊スポーツ

 日本外国特派員協会でのこの一連の発言は「水面下で5割以上が固まっ」ていないまま口にした言葉に違いない。どれも実現していないし、実現させていないからだ。いわば「私の政治のやり方は、何か言ったときには、水面下で5割以上が固まったときだ」と言いながら、「5割以上が固まっ」ていないまま口にしたということであろう。

 この程度のことで舛添“お騒がせ中年”のマヤカシに驚いていてはいけない。

 特派員の講演では「新党もあるし」と、“新党の可能性”に言及していた。確かに今まで一度も言葉通りには「『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」かもしれないが、「新党もあるし」と“新党の可能性”に言及している以上、自身の今後の行動の中に「新党を作る」意図を可能性としては含めていたはずである。例え「水面下で5割以上が固まっ」ていなかったとしても。

 「新党もあるし」は自民党執行部に対する揺さぶりに過ぎず、本人にはそのつもりもない空言だとは見ていたが、「新党を作る」意図を少なくとも可能性として存在させた以上、「作る」とは言っていなくても、「作る」考えは持っていたとしなければならない。

 にも関わらず、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」と言うマヤカシはさすがである。

 大体が「新党を作る」可能性も意図しなかった、「作る」考えもなかったで、「新党もあるし」と一度や二度ではなく言っていたとしたら、まるきり正真正銘のウソを働いていたことを暴露することになる。自ら私は“オオカミ中年”ですと宣言するようなものだろう。実際にはそのとおりだが、そうであることを隠しておかなければ、「次の首相にふさわしい政治家」の第1位の座から落ちることになる。

 上記「NHK」記事が伝えている“お騒がせ中年”の発言、「知事でなく、国会議員を5人集めなければ新党にはならない」と、今年2月に出版した“お騒がせ中年”の著書、『内閣総理大臣』(角川書店)増補版の書き加え箇所「時期が来たら私自身がリーダーシップをとることは拒否はしない。首相に必要な能力をすべて持つように努力している」(《舛添氏、首相の座狙う 自著で明かす》47NEWS/2010/02/06 16:42 【共同通信】)が実際には「新党を作る」可能性を意図していなかった、「作る」考えもなかったことを証明している。

 「知事でなく、国会議員を5人集めなければ新党にはならない」が知事を集めても国会で政党と認められる新党にはならないと言う意味であっても、「5人」という数字を挙げているようでは新党結成に自信がないことの証明以外の何ものでもない発言であって、第一、首相の座を狙うことに反する悲観的予測となる。

 首相になる一般的な第一条件は第1党に所属することであろう。自社さ連立政権で少数政党の村山社会党党首が首相になれたのは例外中の例外であって、例外は簡単には期待できない。

 平沼少数新党「どっこいしょ たちあがれ日本」のように「国会議員を5人集め」ただけのような新党では例え選挙ごとに勢力拡大を果たせたとしても、その数は知れていて、単独では首相を排出することは不可能、もしくは時間がかかることで、舛添“お騒がせ中年”には望むところではないはずである。

 当たり前のことを言うが、政治の世界では政策の実現可能性は頭数に従う。勿論少数政党が政界再編や連立・連携の力学を利用して多数の中に入り、全体として多数を演じることはできるが、政策の実現可能性が頭数に従うことには変わりはない。だから、平沼少数新党「どっこいしょ たちあがれ日本」も政界再編を盛んに言っている。政界再編が起き、その波に乗ることができなければ、頭数の多い大政党間に埋没してしまう。

 舛添“お騒がせ中年”が真に欲している基本線は頭数だということである。政界再編であっても、連携であっても、少なくとも首相の座を望める位置に立つことができる頭数の確保が「水面下で5割以上が固ま」らなければ動かない。

 以上見てきた言動から見ても、動くことができる最短距離が新党をつくって政界再編や連携を期待することよりも谷垣総裁に代わって自身が総裁の座に就いて野党第一党の頭数を手に入れることに期待をかけているはずだ。

 つまり、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」は自民党執行部に対する揺さぶりに過ぎないことのついホンネが出た言葉といったところだろう。

 「NHK」記事では新党に関しては、「私は『新党を作る』などとは、ひと言も言っていない」云々で片付けているが、《新党結成「一言も言っていない」 舛添氏、批判に反論》asahi.com/2010年4月19日19時41分)では「一言も言っていない」で終わらない発言を伝えている。

 〈舛添氏は、4月26日から5月2日までに新党名を届ければ、類似の党名を排除できるとする公職選挙法上の規定を持ち出し、「やるなら5月2日までだ。ルールと日程を見ながら動かないと、成功するものもしない」と述べ、相変わらず思わせぶりな発言を繰り返した。〉――

 これは「新党を作る」可能性を意図した発言そのものであって、前段の「一言も言っていない」に反する言葉となっている。

 ここからも舛添“お騒がせ中年”の詭弁・マヤカシの類を見て取ることができる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする