岡田克也という男は原理主義者だけあって、表面的な事実の原理原則にのみ視線が向き、事実の裏側を読み取る頭はないようだ。その頭の悪さは安倍晋三の比ではない。遥かに上回っている。 衆院予算委員会(2013年3月7日)
そもそもからして頭の悪さを安倍晋三と比較される時点で、もう政治家の資格はないのではないのか。
その頭も悪さを3月7日、衆院予算委員会での午後のの安倍首相との遣り取りの中から見てみる。
発端は産経新聞の3月5日(2013年)の記事である、野田前政権が海自艦艇が尖閣近海で中国軍艦に対する場合は15カイリ(約28キロ)の距離を置き、中国側が近づくと後退することと領海侵犯の恐れがあっても先回りして警戒することを禁じる、中国側に過度に配慮した指示を、岡田克也前副総理が中心となって出していたと複数の政府関係者の話として伝えた。領空侵犯措置でも同じような過度な自制を求めていたと。
萩生田光一自民党議員がこの記事を取り上げて、3月7日の午前中の衆院予算員会で安倍晋三に「産経新聞の報道は事実か」と質問した。
安倍晋三「前の政権では、過度に軋轢を恐れるあまり、領土・領海・領空を犯す行為に対して、当然行うべき警戒・警備の手法に極度の縛りがかけられていた。相手方に誤ったメッセージを送ることになり、不測の事態を招く結果になると判断したので、安倍内閣が発足した直後から、前の政権の方針を根本から見直し、冷静かつ毅然とした対応を行う方針を示した」(NHK NEWS WEB)
野田前政権は中国側に毅然とし態度を取って来なかったと言ったのである。海自も政権の対応に応じて毅然とした態度を取ることができない「縛り」をかけられることとなったと。
外交問題で毅然とした態度を取ることができなかったということは、既に政権を去った立場であっても、政権を再度獲得する場合の障害とならない保証はない。
中心人物とされた岡田克也が当然、同じく国会で取り上げて、安倍首相を追及してもいい問題である。岡田克也自身の名誉に関わるばかりか、民主党という政党の名誉に関わる。
だが、取り上げたものの、方向音痴な質問に終始して名誉回復どころか、安倍晋三に軽くあしらわれ、逆に「過度に軋轢を恐れる」という対中外交が事実であるかのような印象をつくり出してしまった。
質問の的を間違えたからである。
関係箇所の遣り取りをNHKの国会中継から文字で起こしてみた。
岡田克也「岡田克也です。先ず午前中の質疑について一言申し上げたいと思います。
一昨日の産経記事を取り上げて、私の発言について質問をされた方(午前中の質疑者萩生田光一自民議員のこと)がいらっしゃいました。この記事については事実に反するということで私は既に産経新聞社に抗議を出しております。
何らかのプラスアルファの根拠があったのであれば兎も角、そいうったのがないのであれば、こういった場で取り上げることは私は適切ではないと、いうふうに考えております。
そのことを先ず申し上げておきたいと思います。その上で、例えば記事に中にありました。、あー、民主党政権下で海上自衛隊の艦船と中国軍艦との間に15カイリ、28キロの距離を置くことを決めていた。こういった事実が民主党政権下であったと、いうふうにご認識ですか、総理は?」
安倍晋三「えー、今の、岡田委員の質問はですね。こちらの態勢の、ま、詳細に関わることでありますから、前政権のこととは言え、今、ここで詳(つまび)らかにすることは控えさせて頂きます。
しかし、安倍政権ができたときに、それまでの対応を全体的に見直し、た結果ですね、中国に対して過度な配慮をした結果ですね、十分な対応ができていないと私が判断したことは事実です」
岡田克也「私が承知している限り、民主党政権下で15カイリ距離を開けるべきだと、いうようなことはなかったと承知をしております。もしあるというなら、このことを堂々と言って頂きたいと思います。
そして、そのことはきちっと把握したら分かることです。事務方に確認してください。そういうことでなかったわけであります。何かありますか」
安倍晋三「私はですね、総理になってから、まさに事務方から態勢について聞いた結果、今、個々のことについては敢えて申し上げませんよ、そこまでは。
いわばこちらの手の内を明かすことになりますから、過去のことは申し上げませんが、私は事務方から態勢について聞きました。防衛省と海上保安庁から聞きました。で、その態勢はですね、明らかに、過度な配慮をした結果であろうと思って、ですね、致しました」
岡田克也「私は具体的なことを聞いているわけでございます。それは確認されれば、すぐ、総理は知ることができるはずであります。
そして今は、総理の答弁の中にはですね、過度に軋轢を恐れる余り、いう表現がありました。政権が替わって、色んな取り扱いが替わることは理解できます。しかし、民主党政権下に於いて、過度に軋轢を恐れる余りと、何を根拠にそういうふうにおっしゃるんでしょう」
安倍晋三「これはですね、私は実際に確認しているから、この場で述べているんですよ。しかし、それは敢えてここのことについてはですね、手の内に関わることですから、申し上げませんよ。
しかし別に民主党を非難するためにだけで、えー、申し上げているわけではありません。いわば対応についてはですね、いくつかの対応、これは海上に於ける対応もそうですし、えー、上空、航空識別圏に於ける対応もそうですが、これも含めて全面的に対応を見直し、そして然るべき対応に変えたわけであります」
岡田克也「ま、個々については言えない、言いながらですね、前政権のことについて、そういった表現を使って批判をする。私はフェアじゃないと、いうふうに思いますよ。総理大臣としてはもう少し公平に物事を言われたら、如何でしょうか。
勿論、中国の軍と日本の自衛隊が必要以上に、これが対峙することになれば、それは色んなことは起こり得ることは考えて、我々は一つ一つの判断をしてきたことは事実です。
しかしそのことは、私は恐らくは安倍政権も同じだと思うんです。具体的な対応について、色々と違うところはあるかもしれませんが、そのことは民主党政権が過度に軋轢を恐れる余り、とかですね、そういう感情的な表現は私は使うべきではないと、いうふうに思いますが、如何でしょう」
安倍晋三「これは感情的じゃなくてですね、申し訳ないんですが、これは事実、ファクトを、述べている、わけであります。で、個別についてですね、申し上げることはできますよ。しかしそれは、いわば中国に対してかつての政権がやっていたこととはいえ、これは手の内を明かすことになりますから、敢えて申し上げていない、わけ、でありまして、えー、何も私はここでそんなものを引き出してきて、皆さんを、これは非難する必要なんてないわけでありますから、えー、質問に答えて、私はむしろファクトについて申し上げたわけでございます」
岡田克也「総理、過度に軋轢を恐れる余りというのはファクトじゃないですよ。それは、だから、私は申し上げている。だいたい総理のパターンは一つあるんですよ。(声を強める)民主党のことを根拠なく批判をして、そして、私はそれを変えましたと言って、誇る。
そういったことを時々やられるんですね。しかし、内閣総理大臣として取るべきことじゃないと私は思うんです。
私は言わないでおこうかと思いましたが、じゃ一つ、日米首脳会談について申し上げたいと思います。安倍総理は日米首脳会談後の記者会見で、この3年間の民主党政権下で(よく聞き取れなかった)損なわれた日米の絆と信頼を取り戻し、緊密な日米関係が完全に復活したと宣言されましたが、何を根拠にそういうふうに言われたんでしょうか」
安倍晋三「これはですね、民主党政権の3年間に於いてですね、普天間移設問題について、最低でも県外と、こういったわけですね。そして、で、結局ですね、その間に大統領に対して『トラスト・ミー』と言ったわけですね。
結局それは実行できなかたわけじゃありませんか。それはかなり致命的なことだったと思いますよ、失われた信頼というのを回復するというのは、そう簡単なことではないんだろうと、このように思います」
岡田克也「勿論普天間の問題は私も責任を感じております。しかし、にも関わらず、日米間、それぞれの首脳間で、あるいは外務大臣、閣僚間で、あるいは事務方で、様々な問題について取り組んで、そして信頼関係を育んできたということも事実じゃありませんか。
そのことをあなたは一方的に否定するということは理解できません。例えば、クリントン長官が退任に当たってですね、日米両国間は北朝鮮、アセアンといった地域間問題やアフガンやイランといった国際的課題に取り組んできたと、日米同盟を継続して強化してきたと、日本国民及び日本国の指導者の皆さんに対して、日米同盟の協力と献身(的努力)に感謝したい、お礼を申し上げたい、こういうふうに最後の会見にありました。
岸田大臣、おられましたから、この時同席しておられたから、あの、事実だということはご理解いただけると思います。それをこういう発言と総理の発言が余りにも乖離が余りにもあるわけですから、如何ですか」
安倍晋三「それはですね、あのー、そのー、アメリカの国務長官が辞任会見に於いて、日米関係が大変なことになったという、そんな発言をしたらですね(吹き出すように短く笑い)、それはまあ、大変なことになるというのは、誰が考えても分かることでありますから、それは当然、外交の責任者としてですね、えー、責任ある立場で発言されるんだろうと、このように思います」
岡田克也「クリントン長官の発言が責任ある発言だということであれば、最初に紹介した安倍総理の発言は無責任そのものじゃありませんか。日米同盟、お互い努力をして、様々なレベルで、これは育てて行かなければいけない。
例えば、キャンベル国務次官補が朝日新聞の記者会見でこう言っていますよね。『日米関係の維持・進化は党派を超え、政権交代を超え、共通の取り組みでなければならない』
私はこのとおりだと思うんです。あなたの言い方は、前の政権はデタラメをやってきた。俺が全部ちゃんとやっている。そういうふうに聞こえかねない。
それはまさしく日本だけではなくて、米国のこの同盟関係に携わってきた、そういう人間に対しても、人々に対しても、これは侮辱だと、いうふうに、取られても仕方がないですよ。
総理大臣であれば、もう少し国益を考えて、日米同盟を如何に育てていくか、そういう観点でお話しになるべきだと思うんですが、如何ですか」
安倍晋三「日米同盟に於いてではですね、いわばむしろ、例えば、事務方、それを担ってきた国務省、外務省、ありますよ。そして例えばアメリカの国防相と日本の防衛省。あるいはアメリカの3軍と日本の自衛隊。ここに於いて、必死に頑張ってきたんだと思いますよ。その政治がなかなかちゃんとやってこなかったからなんですね。それによって守られていた、のは事実です。
そしてですね、同時に、やっぱり、国民の中には日米同盟の絆、は、やっぱり、大切だなあ、そういう思いが強くあった。これはやっぱり日米同盟を下支えしていたんだと思いますよ。しかし民主党政権に於いてですね、岡田さんが胸を張って言えるような状況があったんですか。私はそうではなかったからこそ、私は選挙結果に於いてですね、こういう政党にはなかなか政権を任せるわけにはいかないという結果になったんだろうと思いますよ」(拍手が起きる。)
岡田克也「まあ、これ以上あたなに言っても、ムダかもしれませんが、私はやはり総理大臣というものは常に国益を考えて、そして行動しなければならない、いうふうに思います。
あなたのこの物の言い方と言うのは、私は日米同盟にとって決してプラスではない。アメリカにしてもかなり戸惑いが私はかなりあると思いますよ。そのことを申し上げたいと思います」
次に移る。
先ず岡田克也は野田前政権が中国艦船に対して15カイリ(約28キロ)の距離間隔を置いて対峙せよ、領海侵犯の恐れがあっても先回りして警戒するなの指示について、事実ではないとする立場から争った。
対して安倍晋三は詳しいことは言えないが、「安倍政権ができたときに、それまでの対応を全体的に見直し、た結果ですね、中国に対して過度な配慮をした結果ですね、十分な対応ができていないと私が判断したことは事実です」と、15カイリ(約28キロ)距離間隔対峙と先回り警戒禁止の事実では争わず、前政権の対中対応は過度な配慮に基づいていたと「私が判断したことは事実です」と、自身の判断による事実だとしている。
このことは午前中の萩生田光一自民党議員に対しては、「過度に軋轢を恐れるあまり、領土・領海・領空を犯す行為に対して、当然行うべき警戒・警備の手法に極度の縛りがかけられていた」と答弁しているが、岡田克也に対しては「過度に軋轢を恐れるあまり」という言葉も、岡田克也自身が使っているのみで、「極度の縛り」という言葉も使っていないことからも、15カイリ(約28キロ)距離間隔対峙と先回り警戒禁止の事実は安倍晋三は事務方等から把握していなくて、産経の記事を読んでいてそう判断したのか、萩生田議員が質問通告書を提出後、記事が書いている事実に気づいて自身が判断したことを答弁に用いたのか、いずれかである疑いが濃い。
だが、証拠はない。
だとしても、岡田克也は15カイリ(約28キロ)距離間隔対峙と先回り警戒禁止は確認していた事実なのか、そのような事実に基づいた発言なのか争うべきを、民主党政権下ではそういった事実はなかったと承知をしておりますとか、事務方に確認してくださいなどと、的外れな質問をしている。
安倍晋三が確認しました、事実に間違いがありました、発言は失態でしたと謝罪すると思っているだろうか。事実に基づかずに前政権を非難したという事実が一つでも知れたなら、自身の政治判断に対する点数に関係するし、支持率にも悪影響を与える。発言の失態は強弁やゴマ化しで凌ぎ通すことだろうし、岡田克也にしても自身の失態発言や他の閣僚の失態発言は強弁やゴマ化しで凌いできたはずだ。
実際にも安倍晋三は前政権のどのような具体的な対応を反面教師としたのか、「まさに事務方から態勢について聞いた結果」とは言っているものの、「こちらの手の内を明かすことになりますから」の口実で具体的な証明については触れないまま、尖閣近海に於ける対中対応を「全面的に見直し」たと言っているのみである。
いわば距離間隔対峙と先回り警戒禁止は実際に確認していた事実であったのかどうかの具体的な証明では争わない姿勢を貫こうとしている。
安倍政権で既に改めている対中対応なら、具体的内容には触れずに改めたと言うだけで中国側に対するメッセージとなるのだから、誰に聞いた前政権の対応であったかの事実は明かしてもよさそうなものだが、あくまでも明かさない。
ここで岡田克也は質問の方向を変えなければならなかったはずだ。方向を変えるだけの頭の働きを見せることができずに、同じ質問を繰返すのみで、安倍晋三も具体的な事実には一切触れずに、同じような抽象的な答弁で、あれこれ凌いでいるに過ぎない。
なぜ岡田克也は、「では安倍政権となって、野田前政権とは異なる対中対応を全面的に見直した結果、どのような成果を上げているか、ご説明願いたい」と追及しなかったのだろうか。「中国艦船の領海侵犯や(飛行計画を提出しなければならない)防空識別圏への中国軍機の進入がなくなったのか」と。
「中国艦船の海自護衛艦に対するレーダー照射は野田前政権の方針を根本から見直し、冷静かつ毅然とした対応に変えてからのことだから、野田政権が過度に軋轢を恐れるあまり、わが国の領土、領海、領空を侵す行為に対し当然行われるべき警戒、警備の手法に極度の縛りがかけられていたからだなどと言うつもりはないでしょうね」と。
安倍晋三は中国の尖閣諸島近辺への示威行動に対して機会あるごとに毅然とした態度を取ると言っているが、一向に示威行動は収まる気配がない。3月3日から10日まで、中国の海洋監視船3隻が尖閣諸島領海外側の接続水域を7日連続で航行している。
甘く見られている点に於いて民主党政権と何ら変わりはない。
いわば前政権と違って、「冷静かつ毅然とした対応を行う方針を示した」などと偉そうなことは言えない状況にある。
結局岡田克也は安倍晋三に具体的に事実を確認した発言なのかどうか明らかにさせることができずに尤もらしい言葉で逃げられ、「私は言わないでおこうかと思いましたが」と言って、安倍晋三の日米首脳会談後の発言を取り上げて、別角度からの追及に入ったが、これも的外れな取り上げ方で終わっている。
安倍晋三が岡田の最初の追及をうまく逃れることができたのは民主党政権の普天間対応や尖閣沖中国漁船衝突事件対応が国民に印象づけた外交無策を前提としているから、それなりの説得力を持ったのだろう。
だから岡田克也が「総理のパターンは一つあるんですよ。(声を強める)民主党のことを根拠なく批判をして、そして、私はそれを変えましたと言って、誇る」と批判したとしても、安倍晋三の説得力に対して何ら説得力を持たず、単なる逆ギレにしか聞こえない結果で終わることになる。
具体的に「根拠なく批判をし」た例を指摘し、「私はそれを変えましたと言って、誇」ったとして初めて説得力を持つことになるはずだが、そういったことすら気づかない頭の悪さである。
岡田克也「安倍総理は日米首脳会談後の記者会見で、この3年間の民主党政権下で(よく聞き取れなかった)損なわれた日米の絆と信頼を取り戻し、緊密な日米関係が完全に復活したと宣言されましたが、何を根拠にそういうふうに言われたんでしょうか」――
明らかに取り上げ方が間違っている。「安倍総理は日米首脳会談後の記者会見で、この3年間の民主党政権下で損なわれた日米の絆と信頼を取り戻し、緊密な日米関係が完全に復活したと宣言されましたが、緊密な日米関係とは両国間の懸案を双方が満足する形で一つ一つ成果を上げ、片付けていって初めて『復活した』と言えるであって、安倍政権が誕生してまだ3カ月も経っていません。満足いく形で成果を挙げた懸案事項の具体例を一つでもいいから挙げてみてください。普天間問題が片付いたんですか。中国の海洋進出問題が片付いたんですか。TPP参加を決めることができたんですか」と聞けば、「完全に復活した」という発言が如何に根拠のない言葉でしかないことを暴露できたはずだ。
しかもクリントン国務長官の退任記者会見の発言を取り上げて、民主党政権も日米同盟の緊密化に役割を果たしたかのように言っているが、安部井晋三に「外交の責任者としてですね、えー、責任ある立場で発言されるんだろう」と軽くいなされてしまった。
発言は「事実」だとして、その証言者として岸田外相まで持ち出しているが、発言ははそう言ったということの表面的な事実でしかなく、何を意味しているのかの「事実」が問われるはずである。
外交辞令の場合もあるし、日本の失態は失態のない関係を築くことができなかったアメリカの失態でもあるのだから、対外的に失態を隠す必要からの日米緊密化の褒め言葉ということもある。
さらに岡田克也はトンチンカンにもキャンベル国務次官補が言ったとする「日米関係の維持・進化は党派を超え、政権交代を超え、共通の取り組みでなければならない」という朝日新聞記者会見発言を取り上げて、「私はこのとおりだと思うんです」と言っているが、キャンベル国務次官補が言っていることはあくまでも日米関係の目標であって、それを「党派を超え、政権交代を超え」て具体化できるかどうかは政権の能力と責任にかかっている。具体化できなければ、タテマエで終わる。キャンベル国務次官補がわざわざ言わなければならないところに、何かの欠陥・不備・不足があるからと見なければならないはずだが、原理主義者らしく、発言の表面の原理原則の解釈で終わっている。
岡田克也の追及の的外れ、認識能力も問題だが、安倍晋三には中国の領空侵犯や領海侵犯、あるいは防衛識別圏や経済水域への進入等の示威行為に対して効果ある措置をを見い出すことができていないのだから、尖閣諸島に関わるどのような対中対応も誇ることも、安倍政権発足まもなくで、日米間の懸案問題に関わる成果を何一つ挙げていないのであって、懸案事項のすべては今後の取組にかかっているのだから、「緊密な日米関係が完全に復活した」などと現時点に於いては誇ることもできないはずで、にも関わらず事実に反することを平気で言うことができる一国のリーダーという逆説は如何ともし難い。
支持率が高いことに気をよくしてのことかもしれないが、「政治は結果責任」である。結果を見てから誇る冷徹な認識能力こそが求められているはずだが、結果を見ないうちから誇る。この程度の頭の持ち主に国の運営を任しておいていいのか心配になる。