安倍晋三の朝日「捏造」のデッチ上げは誹謗中傷、問題のすり替え、牽強付会、被害妄想満載10月31日答弁

2014-11-03 11:32:11 | Weblog

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 2014年10月31日の衆院地方創生特別委員会で渡辺周が安倍晋三の朝日新聞「捏造」誹謗中傷発言を取り上げて安倍晋三を追及、安倍晋三は誹謗中傷、牽強付会、デッチ上げ、問題のすり替え、被害妄想、何でもありの答弁をして、見事言い抜けていた。時間の関係でその追及を引き上げようとした渡部周の発言に余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の態度さえ見せていた。

 これではいつまで経っても安倍晋三を倒すことはできない。両者の遣り取りはNHKの国会中継からご苦労にも文字起こしした。文飾は当方。 

 渡辺周「先ず質問に入る前に冒頭、昨日予算委員会の場に於きまして総理が『捏造』という言葉を使われ、我が党の質問者に対して答弁された件につきまして、今朝の新聞各社が、『これは捏造ではなく、取材をしたものを記事化した』と。今朝の読売では、『これは記事化したものである』と、いうことで、報道されております。

 昨日総理は『捏造された』と言っていることにつきましてですね、これは捏造なのか、デマなのか、ということにつきまして、総理、今一度、その辺りについての何らかの発言を求めたいと思います。

 訂正なり、今一度発言をされたですね、実はそういうことではないのかその辺につきまして、先ず冒頭お伺いしたいと思います」

 安倍晋三「私がね、『撃ち方やめ』、言ってないんですから。言っていないのに、言ったとして報道して、野党との間に大きな議論となる、とこういった批判を浴びる。まさに言っていないことを言ったとしてですね、これを問題にすると言わんばかりの、報道をするという姿勢はまさに火のない所に火を起こして風を煽っている。

 これは火のない所に火を起こしているんですから、記事としては捏造だろうと、こういう私の率直な感想を申し上げたわけであります。

 私のことを知っている記者、私に当ててくるべきです、先ずね。私からそういう最初のですね、当てないというのは、例えば『吉田調書』問題も、そうですね。あるいは吉田清治の証言の問題もそうです。

 そう言うことをちゃんと裏付け調査をしていれば、防いだものをですね、防げなかったことで、日本の名誉を傷つけられたという大変な問題じゃないですか。こういう問題をですね、反省して、果たして反省しているのかというのが、私の基本的な問題意識でありまして、『吉田調書』についてもそうですね。多くの人が違うと分かっていたのに、自分が思う方向に持っていきたい、報道を持っていきたい、例えば安倍政権を倒したいという方向に持っていきたいと言うことで記事を書くから。そういう間違いを間々起こるのではないかと、私はこのように考えるわけでありまして、ですから、こういうときにはしっかりと取材をしてくださいと。

 むしろ私はそう言うことについて申し上げるときも、先方にそれを伝えて頂きたい、と思うところでございます」

 渡辺周「私もかつて新聞記者を短い間ですが、しました。そしてこの朝日新聞の今ご発言された吉田清治なる人物ですね、一連の書籍から始まった慰安婦の問題については私は今日まで謝罪訂正をするまで長い間日本の名誉を貶めたことについては私自身も(聞き取れなかったが、「Wikipedia」に「慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会の会長」の記載がある。)の会をしておりますし、各メディアにも話をしています。

 ですから、朝日新聞の従軍慰安婦に関しての問題などのところについては捏造だということについては総理のご発言されることは仰るとおりだと思いますけども、私が今質問をしたのはですね、この予算委員会に於いて、これは今朝の新聞にも書いてある、それは総理が側近の方々と会食をした後のどなた方かがお話をされたことを複数社が受けて、話されたことをですね、そのまま記事にした。

 ですから、それは捏造と言うことではなくて、もしそうであるなら、総理の意を受けて、斟酌した、どなた方かがですね、そのように喋ったことを各紙が書いたわけでございまして、その点については捏造なのかどうかを訪ねているわけでございますから、その点についての、是非、再答弁を確認させていただきたいという意味で質問したわけでございまして、その点については如何ですか」

 安倍晋三「今申し上げましたようにですね、私は言っていないんですから、言っているかいないか本人に確かめるのが当たり前じゃないですか。伝聞で、じゃあ事実として記事にするんですか。
 
 なおかつ、あの朝日の記事は、朝日の記事はですね、これは問題化すると、確かそういう趣旨のことが書いてありましたね。問題にせよと言わんばかりの記事じゃありませんか。

 ですから、かつて朝日新聞がかつて、中川昭一さんと共に圧力をかけて(NHKの)放送内容を変えさせたという記事を書いた。しかし中川昭一さんはその放送される番組、放送される前にですね、会ってすらいなかったことが明らかになった。私が呼びつけて、そう指示したということも、そうではないことが明らかになった。

 これはまさに捏造ですよね。そういう捏造というものがなぜ起こったかと言うと、安倍政権を攻撃しようという意味があって、記事を書くから、まあ、こういうことになるわけでありまして、そこの中に於いてやるべき取材をやっていないというのが大変な問題であってですね、しかしそれを私は反論するチャンスがあったから、そうじゃないということがみんな分かったんじゃありませんか。

 あれを私がそれに反論するチャンスを頂けなかったら、みんなそう思ったまま、になってしまうわけでありまして、報道と言うのはですね、報道というのはそういう責任感の下にちゃんと実行して頂きたい。そう思うわけでありますし、『吉田調書』の問題に於いても、安倍政権に於いてそれを公開するという判断をしたからこそ、朝日新聞はあのように事実はそうであったということを慌てて記者会見をしたわけであります。

 ですから、こういうミスを、それから何回も繰返すんですかという意味に於いて、私の問題意識を申し上げたわけであります」
 
 渡辺周「あのー、今回はですね、この各社の話でございますから、もうこの席で地方創生がテーマで、限られた時間ですから、あの、これ以上はしたくありませんが、ただ、それをですね、総理、(安倍晋三が何か小声で言い、手をどうぞ続けてくださいとでもいうふうにか、前に差しだす。)側近の方がもし総理の意を体してそのようなことを昨日の時点で言ったということであれば、一昨日(おととい)の時点ですね、あれは。

 それは総理の言うことをおっしゃった方のそれは、思い込みで喋られたかも知れませんし、取材の手法に間違いがあったかもしれないけれども、それは是非、総理の側近とですね、是非、話をして、然るべき、もし、対応されるということであれば、その方にも私は話をさせて――

 安倍晋三なのか、「それは全然関係ないから」という声が聞こえる。

 渡辺周「じゃあ、時間がなくなりますから、次に――、(安倍晋三が続けるように促したのか)いや、あの総理、あの、この話を長々とやって、総理も、お考えはよく分かりました。(安倍晋三、自席で腕を組み、余裕綽々の態度を見せている。)

 よく分かっています。報道のあり方についても、それは私も報道の一員にかつて席を置いたこともありますから、よく分かっております。その手法やそういうことについても確かに本人に裏を取らないでいたのは如何なものかと、いうことについては、あのー、またメディアの方々の取材の姿勢としてどうなんだということはあると思います。

 ただこれは今日の本題ではありませんので、是非また改めてですね、どこかの機会にぜひ総理のお考えを聞くことがあればと思います」

 地方創生の議論に移る。

 渡部周は安倍晋三が朝日新聞の報道を「捏造」とした発言は捏造でも何でもなく、間違っているとして、単に「捏造」とした発言の撤回のみに重点を置いて追及の場に臨んだからだろう、安倍晋三が訂正する気がなく強弁を駆使して「捏造」説を押し通すに至っても、途中で方向転換できずに、最後まで撤回に拘ったことが追及を尻切れトンボに終わらせた原因であろう。

 いわば撤回をする気もない相手に最後まで撤回を求めたことが、安倍晋三の好き勝手な問題のすり替えや牽強付会を招いた。途中で方向転換して、問題のすり替えや牽強付会を取り上げて、その矛盾を突くべきだったろう。

 新聞各社は「撃ち方やめ」の言葉を安倍晋三の口から直接聞いて報道したのではなく、側近の萩生田光一の口を介して安倍晋三の言葉として報道したのである。安倍晋三が「言っていないのに、言ったとして報道して」と批判するなら、あるいは「火のない所に火を起こして風を煽っている」と批判するなら、ちょっとくどい説明になるが、「言っていないのに、言った」のは萩生田光一であり、「火のない所に火を起こして風を煽っ」たのも萩生田光一となるのだから、その張本人として先ず萩生田光一を批判すべきではないかと追及すべきではなかったろうか。

 いわば安倍晋三が言ってもいない言葉を捏造したのは、皮肉にも側近の萩生田光一であって、新聞各社は萩生田光一が記者に囲まれて舞い上がったのかどうか分からないが、側近が口にした言葉だから、捏造だとは知らずに、てっきり安倍晋三の言葉だと思って報道したに過ぎない。

 捏造という言葉の意味は「実際にはありもしない事柄を、事実であるかのようにつくり上げること。デッチ上げ」(『大辞林』三省堂)を言う。いわば安倍晋三が言っていないとどう言い張ろうと、新聞各社はありもしない発言を記事化したのではなく、萩生田光一の口から出た元の言葉があって、それに基づいて記事にしたのだから、捏造でも何でもなく、単なる勘違いか早トチリに過ぎない。

 「吉田証言」と朝日新聞の報道も同じ構造にあるはずだ。吉田清治が描き出している慰安婦の強制連行は(あくまでも吉田清治が描き出している強制連行であって、フィリピンや朝鮮、インドネシアでの元従軍慰安婦が描き出している強制連行と別に扱わなければならない。)実際にはありもしない事柄を、事実であるかのようにつくり上げた「捏造」であるが、朝日新聞は「捏造」だと気づかずに間違えて事実として報道したに過ぎない。

 勿論朝日の報道によって多くの人間が吉田清治が描く強制連行が「捏造」であるにも関わらず、事実としただろうし、そのことに朝日新聞は手を貸し、力となったのは確かだろうが、また、そのことの責任は負わなければならないが、だからと言って、「捏造」の罪まで着せるわけにはいかない。

 安倍晋三とその一派は「吉田証言」に関わる朝日新聞の報道が世界に対して日本の評判を落としたと批判しているが、既に触れたように従軍慰安婦の強制連行を証言しているのは何も「吉田証言」のみではない。多くの元従軍慰安婦が証言しているのであって、「吉田証言」の朝日新聞の報道のみを以って日本の評判を落としたと批判するのは、それこそ歴史の「捏造」であり、誹謗中傷以外の何ものでもない。 

 安倍晋三は今回の報道が例え勘違いや早トチリであっても、間違っている情報を流したのだから、なぜ本人に確認しなかったのかと、答弁の中でも言っているのと同じように反論するだろう。

 だが、そのような反論の反論として先ず第一番に挙げなければならないのは、安倍晋三が萩生田光一に注意して、萩生田光一が各新聞社に謝罪して、自分の発言は間違っていたと訂正すれば済む問題であるということである。

 朝日新聞にしても他の新聞社にしても、元の言葉に基いて報道した以上、捏造何でもないのだから、安倍晋三が「吉田調書」「吉田清治の証言」、あるいはNHKの番組改変問題を持ち出したのは、自説を押し通すために事を大袈裟にしたに過ぎない。

 各新聞社が報道していた問題を朝日新聞だけの問題だとして上記問題を取り上げて同じレベルに置いているのだから、事を大袈裟にして自説を押し通そうとする牽強付会以外の何ものでもない。

 当然、朝日新聞の「捏造」だとしたのは誹謗中傷以外の何ものでもない。引込みがつかなくなった面もあるかもしれないが、「吉田調書」「吉田清治の証言」まで持ち出して、今回の件を「朝日の『捏造』」だとするのは被害妄想と見られても仕方はあるまい。

 NHKの番組改変問題を持ち出して朝日新聞の「捏造」説を裏付けようとしているが、女性国際戦犯法廷を主催した「VAWW-NETジャパン」がこのことを放送したNHKの番組が最初の取決めと違って内容の一部を変更したことは当初の取り決めに反した「期待権の侵害」だとして訴えた裁判と関係している。

 朝日新聞が番組改変は安倍晋三と中川昭一の政治的介入が原因だと報じた。当然、裁判は番組改変の原因を探ることになり、東京高裁は2004年3月24日原告側の主張を認め、安倍晋三と中川昭一の政治介入については、「NHK幹部が政治家の意図を忖度した」(「Wikipedia」)との程度で事実認定している。

 しかし「政治家の意図を忖度」するについては本人が直接出かけるか、電話するか、あるいは本人たちの秘書を名乗る人物か出かけるか電話するかの何らかのか接触が行われなければ、NHKの方も忖度しようがないのだから、圧力を与える何らかの接触があったと見なければならない。

 但し2008年6月12日の最高裁判決は高裁判決を破棄し、原告の請求を退ける逆転判決を言い渡しているが、「NHK幹部が政治家の意図を忖度した」とする高裁の事実認定には一切触れていなず、〈原告のVAWW-NETは「政治家の圧力・介入を正面から取り上げない不当判決だ」〉(「Wikipedia」)と批判している。

 決して安倍晋三が言っているような意味で何から何まで青天白日というわけではない。

 安倍晋三は自身の発言が正しく伝わるように、「私のことを知っている記者、私に当ててくるべきです」とか、「私は言っていないんですから、言っているかいないか本人に確かめるのが当たり前じゃないですか」と言っているが、では、直接確かめたなら、正直に言うだろうか。

 仲間内の発言がその仲間の一人からマスコミに漏れて、言った言わないといった同じ応酬の繰り返しが起こることはよくあることだが、都合が悪い発言は隠すのが常である。「撃ち方やめ」にしても、野党議員の献金問題が持ち上がったからと言って、それとの交換で閣僚の献金問題に対して「撃ち方やめ」を欲して、そのような言葉を口にしたとしたら、閣僚の献金問題と野党の献金問題を同等に扱うことになって、国民に知られたら大問題になるだろうし、閣僚の任命権者である手前、安倍晋三の任命責任ばかりか、任命権者としての認識・感覚が疑われることになる。

 当然、実際に口にしたなら、表には出すことのできない言葉ということになる。

 大体が政府なる組織が常に国民に発する情報と自身が掲げている情報が常に同じとは限らない。核三原則にしても沖縄返還時の核密約にしても、その他その他、政府の国会での説明・答弁とは実際には違っていた。

 安倍晋三は「撃ち方やめ」発言が「朝日の記事はですね、これは問題化すると、たしかそういう趣旨のことが書いてありましたね。問題にせよと言わんばかりの記事じゃありませんか」と言っているが、実際にはその発言を、〈野党の追及が弱まることを期待した発言だが、かえって反発を買う可能性もある。〉と妥当な形で表現しているのみで、「問題化する」といったニュアンスの表現は使っていない。

 「撃ち方やめ」を言った、言わなかったで終わりにすればいいものを、愚かにも、「朝日の『捏造」」だと濡れ衣を着せたことが「問題化」を誘導したのであって、言いがかりも甚だしい。

 そもそもからして萩生田光一が口にした言葉を朝日新聞のみならず、読売や毎日、産経新聞が同じように記事にしているのだから、各社同罪とすべきを朝日新聞が「吉田調書」「吉田清治の証言」で間違いを犯したからと言って、朝日新聞だけを「捏造」だとするのは公平性を欠く悪意の表明以外の何ものでもないだろう。 

 もし今回の件でマスコミが萎縮したり、あるいは遠慮を見せたりしたら、安倍晋三は確実に独裁者化する。現在でも誹謗中傷、シロをクロと言いくるめる牽強付会、デッチ上げ、問題のすり替え、被害妄想、何でもありの態度であることが既に独裁者の態度を素地としていると言うことができ、その上に全て自分の思い通りに押し通すことができると状況を周囲が与えでもすれば、渡辺周の最後の方の発言では既に余裕綽々の態度さえ見せてさえいたことがこのことの根拠の一つにもなるが、独裁者となるのは間違いないはずだ。

 気をつけた方がいい。

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