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《11月14日(金) 主濱了副代表 参議院へ2法案を提出》
本日11月14日(金)午前、主濱了副代表が「歳入庁設置法案(歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の
徴収に関する業務の効率化等の推進に関する法律案)」と「高等教育家計負担軽減推進法案(高等教育に係る家計の負担を軽減
するための税制上その他の必要な施策の推進に関する法律案)」の2法案を提出しました。
○ 参議院法案提出
《歳入庁設置法案》
【共同提案】民主党、維新の党、みんなの党、生活の党
《高等教育家計負担軽減推進法案》
【共同提案】民主党、みんなの党、生活の党
石破茂が10月22日記者会見して、安倍政権が最重要課題に掲げる「地方創生」について政策を検討する際の5原則を発表したと、「時事ドットコム」が伝えていた。
その5原則――
(1)自立性=外部人材の活用など地方の自立を支援する施策
(2)将来性=地方が主体となった、夢のある前向きな施策
(3)地域性=客観的なデータにより各地域の実情を踏まえた施策
(4)直接性=人や仕事の移転・創出に直接効果のある施策
(5)結果重視=目指すべき成果が具体的に想定され、その検証が行われる施策。
〈5原則は、12月に策定する今後5年間の国の総合戦略や、2015年度予算案に盛り込む関連施策を決める上での基準となる。〉と解説している。
何よりの問題は、(4)の「人や仕事の移転・創出に直接効果のある施策」であって、地方創生が成功するか否かの最大のポイントとなるはずだ。
鶏が先か卵が先かの関係で言うと、仕事が先で、仕事があるから人が動くという関係でなければならないはずだ。人が先にきて仕事が来るのを待っていたなら、来るまでの生活費に困る。
安倍晋三が9月29日(2014年)の第187国会開会に於ける所信表明演説で次のように発言している。
安倍晋三「『ないものはない』 隠岐の海に浮かぶ島根県海士町では、この言葉がロゴマークになっています。都会のような便利さはない。しかし、海士町の未来のために大事なものは、全てここにある、というメッセージです。「この島にしかない」ものを生かすことで、大きな成功を収めています。
大きな都市をまねるのではなく、その個性を最大限に生かしていく。発想の転換が必要です。それぞれの町が、「本物はここにしかない」という気概を持てば、景色は一変するに違いありません。
島のサザエカレーを、年間2万食も売れる商品へと変えたのは、島にやってきた若者です。若者たちのアイデアが、次々とヒット商品につながり、人口2400人ほどの島には、10年間で400人を超える若者たちがIターンでやってきています。
やれば、できる。
人口減少や超高齢化など、地方が直面する構造的な課題は深刻です。しかし、若者が、将来に夢や希望を抱き、その場所でチャレンジしたいと願う。そうした「若者」こそが、危機に歯止めをかける鍵であると、私は確信しています。
若者にとって魅力ある、町づくり、人づくり、仕事づくりを進めます。『まち・ひと・しごと創生本部』を創設し、政府として、これまでとは次元の異なる大胆な政策を取りまとめ、実行してまいります」――
各地方が創造性ある有効な経済活性化策を構築して、それが新たな独創的な起業につながり、次々と雇用創出の起爆剤となっていく。
この好循環が日本全国各地方の津々浦々に右へ倣えの状態で万遍なく実現したと仮定すると、果して必要とする人手を満たすことができるのだろうか
多くの地方が仕事がなく、人材が流出して人口減少の疲弊した状況にありながら、アベノミクスと東日本大震災の復興需要によってちょっと景気が良くなっただけで人手不足が持ち上がっている。人手不足から事業を縮小する企業も出ている。
もし安倍内閣の地方創生政策が功を奏して多くの地方に「仕事の移転・創出」が芽生えたとしても、各地方が必要とする人手を万遍なくどうように集めるというのだろう。人手不足の状況の中から人手を集めるという矛盾が生じて、各地方・各企業が人手確保で喰い合うことになる。
勿論、賃金の上昇という結構な場面を迎えることができるだろうが、連動して物価も上がる。
人手確保戦争に於いては勝者・敗者が生じて、敗者の側に立たされた企業は退場を余儀なくされる。
人手不足は人口減少も影響していて、時間的な長いスパンで見た場合の進行も、無視できないことになる。総務省発表の2013年10月1日現在の人口推計によると、日本の総人口は3年連続の減少、15歳から64歳の「生産年齢人口」は7901万人で、前年比116万5千人の減少。
年少人口(0~14歳)は1639万人で、前年比15万7千人の減少、32年ぶりに8000万人を下回ったという。
増加しているのは65歳以上の高齢者のみで、少子高齢化が如実に露呈している。
どこを見ても、人手不足解消の余地は見えてこない。
例え東京などの大都市の企業や官庁を地方に移転させたしても、今まで雇用していた人手と共に移転するから、少しぐらいは増員したとしても、プラスアルファの雇用創出で終わって、人手不足は通説には実感しないかもしれない。
但し毎年4月の新規入社時期には新たに新入社員の雇用が創出されるが、人口縮小のパイを奪い合う状況に変わりはなく、人手不足は差し迫った問題となるだろう。
安倍晋三は島根県海士町の「島のサザエカレー」を地方創生の例に挙げているが、あくまでも数少ない例であって、物珍しさも手伝って「10年間で400人」、1年間で40人程度の若者は集まるだろうが、これがあっちでもこっちでも、日本中津々浦々となったら、Iターンのために若者たちが抜けた先は尚一層の人手不足状況に陥って、人手不足の悪循環が起こらないとも限らない。
勿論、政府は人口減対策の手を打っている。打っていたとしても、人口減少が続いている。
止まらない人口減少の穴埋めに2013年5月7日から「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇措置」を設けて、高度な技術や経営ノウハウを持つ海外からの人材の在留に特別待遇を与える制度や、低賃金労働を対象とした従来の「外国人技能実習制度」を拡充、現在は最長3年の実習期間を5年程度に延長することや、職種を介護や林業などにも拡大する新制度を検討しているが、地方創生を契機として生じてくる人手不足の解消に追いつくと思っているのだろうか。
あるいは合計特殊出生率の向上のために待機児童解消や「抱き放題」のスローガンで、職場復帰の保証があるわけではない、ゆえにリアリティの全くない「3年育児休暇制度」を掲げているが、地方創生は待ったなしであるのに対して出生率の向上と、その向上を受けた年少人口と生産年齢人口の増加には時間がかかる。
人口減少による集落自治機能の低下で買物困難、通勤困難等、生活が人並みに維持できない、見捨てられていく消滅集落も各地で増加の傾向にあるという。
どう見ても、地方創生という土俵上で人口減少と人手不足という両方の現状を戦わせて、そこから地方のために人材をひねり出そうとする「人や仕事の移転・創出」という、矛盾した情景にしか見えない。