安倍晋三のG20での手前味噌、自画自賛、大風呂敷と豪財務相のそれを否定する認識のズレ

2014-11-16 05:27:29 | Weblog


 11月15日開幕した豪州での主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では各国が抱える経済課題をテーマに議論したそうだが、安倍晋三は各マスコミ記事を纏めると、次のように発言したようだ。

 安倍晋三「アベノミクスの『三本の矢』で経済政策を力強く進めてきた結果、デフレ脱却に向けて着実に前進し、企業収益や雇用は拡大し、賃上げの動きも広がって、経済の好循環が生まれ、成長力を回復しつつあり、世界経済の底上げに日本も貢献できる」――

 相変わらず手前味噌、大風呂敷、自画自賛の精神で貫いた自己都合バラ撒きの発言となっている。

 確かに大企業に限っては企業収益が拡大したのは事実だが、円安を受けた原材料費の高騰と個人消費の伸び悩みで地方の多くの中小企業が悲鳴を上げていると言われているし、賃上げにしても、小沢一郎生活の党代表が、《生活の党機関紙第19号》(2014年11月11日発行)の『巻頭提言』で、〈今年の春闘で一部大企業ではベースアップが観察されましたが、全労働者の7割近くを占める中小企業の社員や、全国に約2千万人いる非正規社員はその恩恵に浴するに至っていません。さらに、消費税増税だけではなく、医療や年金などでは負担増と給付減が国民の暮らしを容赦なく苦しいものにしています。

 つまり、多数の人にとってアベノミクスとは、所得拡大を伴わない、単なる物価上昇・負担増加だけをもたらす、百害あって一利のないものになっているというのが実態です。〉と言っているように大企業とそれに準ずる企業の社員などの選ばれた立場の国民のみが賃上げの恩恵に浴し、尚且つ物価の高騰や消費税増税によって実質賃金が下がる現象が生じて、多くの国民にとって賃金が目減りする状況に追いやられている。

 その結果、個人消費の回復が大幅に遅れ、物が売れず、中小企業を苦しめる悪循環に陥っている。

 当然、安倍晋三が言っている「経済の好循環」は誇大宣伝としか言い様がない。

また、雇用の拡大はご存知のように正規社員の減少・非正規社員の増加という流れが止まらない。このことは所得格差拡大の流れをも意味することも、誰もが承知しているはずだ。

 大企業とそれに準ずる企業は企業収益を拡大させているのに人件費を抑制するために非正規社員を増加させている。安倍晋三はこの矛盾に目を向けていない。だから、どこへ行っても、どこで発言しても、「好循環、好循環」とアベノミクスがさも成果が出ているかのように宣伝することができる。

 虚像を実像と見せかける手前味噌、大風呂敷、自画自賛のマジックに過ぎない。

 このことは同じG20での豪財務相の財務相会合後の記者会見発言も証明している。

 ホッキー豪財務相「会議では、アメリカやイギリスなどの経済成長を歓迎すると共に、日本とヨーロッパの成長率をどう引き上げるかという課題について議論した。G20各国は、成長を加速させ、雇用を創出するためなら何でもするという決意だ」(NHK NEWS WEB

 GDPの6割を占める個人消費が回復せず、円安であるにも関わらず、輸出が伸び悩んでいるのだから、全体のGDPが予測値よりも下回ったのは当たり前で、日本経済を懸念材料として議題としたというのも頷くことができる。

 但しこの発言からは安倍晋三がどこででも言い放っているアベノミクスの輝きをどこからも見い出すことはできない。

 いわば安倍晋三の手前味噌、自画自賛、大風呂敷を結果的に否定している。

 にも関わらず、安倍晋三は「世界経済の底上げに日本も貢献できる」と、手前味噌な自画自賛を見せ、大風呂敷を広げている。

 勿論、先のことは分からない。だが、現下の実態に目を背けて、花が咲いていないのにさも花が咲いて輝くばかりの光景を見せているかのように言葉で言い誑(たぶら)かすのは同時に国民を誑かす行為に他ならない。

 誑かしに何が味方してくれるというのだろうか。

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