安倍晋三の「柿食えば、景気よくなる奈良のまち」の一句に見る格差拡大をどこかに置いたノー天気

2014-11-07 07:00:51 | Weblog



      生活の党PR

       《11月4日(火)小沢一郎代表定例記者会見》 

      『日銀の追加金融緩和、異常なやり方である』

      【質疑要旨】
      ・地方創生関連法案賛否について
      ・日銀の追加金融緩和決定について
      ・与党内の早期解散論について

 10月5日、「奈良の柿PRレディー」の若い女性二人が首相官邸を訪れて、柿をプレゼント。安倍晋三はそれを試食して、一句披露したという。

 「柿食えば、景気よくなる奈良のまち」

 正岡子規の「柿食へば鐘がなるなり法隆寺」をもじったのだろうが、若い女性が奈良の柿を持って訪れて、奈良の柿を試食して、「奈良のまち」だけを見て、奈良の景気回復を願った。直線的で、スケールが小さ過ぎる。

 一国の首相である以上、誰と相対していても、常に日本全体と対面していていなければならない自身の立場を忘れている。

 外交に関しては世界全体と対面していることになる。当然、どこか外国を訪れたとき、その国にのみ通用し、他の多くの国に通用しない言葉は発することはできない。

 それと同じように常に日本全体と対面している存在である以上、一つの地方のみに通用する言葉を発することはできない。

 そのような言葉を発すること自体、物事を全体的に見ていないことになって、全体的視野を欠いていることになる。

 多くの地方が人口減少によって高齢化と過疎化の波に呑み込まれて疲弊し、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれている。内政に関して日本全体を公の舞台とした者が奈良だけを取り上げて、「柿食えば・・・・・」などとノー天気なことは言ってはいられないはずだ。

 普段は日本全体を見ていると言うだろうが、もし全体を見て、全体的状況を常に意識に置いていたなら、「奈良のまち」にだけ引っ掛けた景気を言うことはできないだろう。

 「奈良の柿、食べて満足、日本の景気」

 俳句など作ったことがなく、また字余りだが、柿を食べて得る満足を日本の景気回復で得る大満足へと結び付けたいという思いを表現したいと試しに作ってみたが、表現できているかどうかは分からない。奈良の柿を食べて日本の景気を実感する思いになってしまっているかもしれない。

 例え表現できていなくても、日本全体と対面した一句とはなる。

 安倍晋三が景気回復を大願成就したとしても、格差拡大をなお一層伴った景気回復となるのは目に見えている。

 11月5日のマスコミ記事が預金や株、保険等の家庭の金融資産が昨年比81万円増の1世帯当たり平均1182万円となったと伝えていた。

 但し無保有の家庭を除いた1世帯当たりの平均保有額となると、1753万円で、昨年比で108万円増え、過去最高となったそうだ。

 無保有・保有合わせた全体で平均1182万円。保有家庭のみだと、平均1753万円。この差額は平均571万円

 無保有家庭が勿論0円であるのに対して保有家庭は昨年比で平均571万円も手に入れることができた。

 無保有・保有合わせた全体での昨年比の増加は81万円に対して保有家庭のみの昨年比の増加は108万円。この差は27万円のみ。

 両者から分かることは、無保有家庭の数の方が遥かに多いということであろう。無保有家庭の数が少なくなれば少なくなる程、無保有・保有合わせた全体での去年比の増加は保有家庭のみの去年比の増加に近づき、金額自体も27万円の差よりも大きなものになるはずだが、逆の構図となっている。

 既にここに格差が存在し、それが拡大している状況を数字から窺うことができる。保有家庭でも金額に格差があるはずだ。億単位の金融資産を持っている家庭もあれば、100万年単位の金融資産という家庭もあるだろう。

 昨今の株高が格差拡大を促す。安倍晋三は11月4日の参院予算委員会で「賃金が上がるよりも株価が上がった方が資産効果がある」と国会答弁しているが、この言葉自体が格差思想を含んでいることになる。

 正規社員が減少し、非正規社員が増加している雇用状況も格差拡大を示す指標以外の何ものでもなく、今年8月時点で、生活保護受給者は前月より564人減っているものの、受給世帯は前月より836世帯増えて約160万9000世帯となり、過去最多を更新したという状況は、家庭の金融資産保有者が1世帯当たり平均1753万円に増えているという状況と比較して、やはり格差拡大が進行している不平等な惨状を示していることになる。

 そしてこのような惨状を進行させたまま、安倍晋三は「柿食えば、景気よくなる奈良のまち」と機嫌よく一句歌い、景気回復を推し進めている。

 当然、景気回復度に応じて格差も拡大していく。

 どこから見てもノー天気な一句としか言い様がない。頭自体がノー天気でなければ、ノー天気な一句は生れようがない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする