片山虎之助の熊本地震は「政局動向にタイミングがいい」は安倍晋三にとっても同じ条件足り得る

2016-04-20 09:07:10 | Weblog


 片山虎之助おおさか維新の会共同代表の4月19日の党両院議員懇談会での発言がマスコミによってクローズアップされている。二つの記事から見てみる。

 一つは「時事ドットコム」記事。分かりやすいように解説文を下線付きで会話体に直した。  

 片山虎之助今回の熊本地震は環太平洋連携協定(TPP)承認案や衆院2補選、消費税率の引き上げや衆参同日選挙全てに絡む。政局の動向に影響を加えることは確かだ。大変タイミングのいい地震だ

 この後コメントを発表。「政局的な節目に重なってしまった、という趣旨で発言した。言葉の使い方が不適切だった」と釈明。

 悪いタイミングの地震発生だと把えて「政局的な節目に重なってしまった」と、いわば政治動向に悪影響を与えると解釈していたとしても、政治の側の立場にのみ立ったマイナスの利害であって、家を失ったり、肉親を亡くしたり、避難所で窮屈な生活を強いられ、困難や苦痛・不安を抱えることになっている被災者たちの立場に立った発言ではない。

 尤も「悪いタイミングの地震だ」と実際に口に出して言ったとしても、政治の動向のみに焦点を当て、被災者を見ていない発言であることに変わりはない。住民の生活に大きな打撃を与える自然災害を、憲法が国民の生命・財産を保障しているにも関わらず政治のタイミングのみで判断されたのでは適わない。

 「毎日jp」記事。  

 片山虎之助大変、タイミングのいい地震だ。ダブル(衆参同日選)になるのかならないのか、消費税を上げるのか上げないのか、政局の動向に影響を与えることは確かだ」

 この記事も末尾に片山虎之助の釈明のコメントを紹介している。

 どちらの記事でも「大変タイミングのいい地震だ」となっている以上、おおさか維新の会から見た場合は今後の自分たちの政治の動向に都合のいい展開を与える地震の可能性に言及していることになる。

 おおさか維新の会はTPP推進派であり、来年4月の消費税増税先送りを主張していて、憲法改正の点では安倍晋三と歩調を合わせようとしている。安倍晋三の方はアベノミクスがパッとせず、色褪せつつあるから、決定的なダメージを与えかねない消費税増税を先送りすることでアベノミクスの延命を図ると同時に参院選を有利に戦うことのできる状況に持っていき、先送りした消費税増税が2018年12月13日の衆議院任期満了前となった場合の選挙に与えかない悪影響をクリアするために国民の多くが歓迎している消費税増税を先送りするこの有利な時期に衆議院選挙も同時に行うのではないのかと観測されているが、同日選挙をおおさか維新の会は議席を伸ばすチャンスと見ていて、消費税増税先送りにしても衆参同日選挙にしても利害を一致させることができる。

 特に安倍晋三は「消費税については、リーマンショック級、あるいは大震災級の事態にならないかぎり、予定どおり引き上げていく。この基本的な考え方に変わりはない」と国会答弁や記者会見で前々から発言していて、消費税増税先送りの条件にリーマン・ショックのような世界的な金融破綻や東日本大震災級の大自然災害を挙げてきた経緯がある。

 片山虎之助はおおさか維新の会が望む消費税増税先送りと、このことに関連付けられていく可能性のある衆参同日選挙の、この両方の利害を満足させる方向に持っていくキッカケを作るかもしれない被害規模甚大な熊本地震と見て、「大変、タイミングのいい地震だ」と評価したと言うわけである。

 勿論、既に触れたように被災者が置かれている避難生活の苦労や先行きに対する不安、その他様々な感情を置き去りにしていなければこのような評価はできない。自分たちの政治上の利害を満足させることだけを考えていた。

 もし安倍晋三が世界経済の低迷と共に熊本地震が日本の経済に少なからざる悪影響を及ぼす誘因と看做して消費税増税先送りの理由とし、増税先送りの有利性を利用して同日選挙に打って出たとしたら、片山虎之助と同様に熊本地震は「大変、タイミングのいい地震」だったことになる。

 同日選挙で安倍晋三が大きな勝利を収めることができたなら、同日ではなく、参院選単独であったとしても、それなりの勝利を収めることができたなら、その勝利と消費税増税先送りによるアベノミクスへの悪影響回避が熊本地震から得た安倍晋三の大いなる利益と言うことになる。

 政治上の利害というカガミを通してしか国民を見ていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする