災害大国日本 大自然災害での住民避難に備えて公共避難所や公共施設に井戸設置を法律で義務付けるべきでは

2016-04-24 09:51:50 | 政治

 今回の熊本地震でも水道・電気・ガスのインフラが打撃を受け、特に水不足を訴える災害時の定番化したお馴染みの光景にお目にかかることになった。水不足に苦労する避難住民に「お馴染み」と表現するのは失礼に当たるが、繰返されてきた光景であることに変わりはないし、今後共繰返される可能性は高い。

 では、どうしたら繰返さずに済むだろうか。

 今回の地震後に避難所での水不足が報道されるようになってから、熊本県は「水の国」と呼ばれる程に全国有数の地下水豊富な地域で、ツイッターに湧き水の活用を呼びかける投稿や施設や大学等が所有する井戸水の提供を呼びかける投稿が相次いだと4月18日付「NHK NEWS WEB」が伝えていた。 

 但し湧き水利用の場合は安全性が確認されていいために「自己責任」の利用となり、煮沸してから飲料水として利用するよう、熊本市水保全課が呼びかけているという。

 ツイッター投稿の裏を返すと、水不足が深刻な状況にあったということであろう。

 熊本県はこの全国有数の地下水源を、その必要もなかったからだろう、濾過せずに水道水の8割に利用していたが、繰返された地震の揺れで地下水が汚濁、元々濾過装置を備えていなかったために水道管を復旧できても自然に水質が改善するまで水を供給できな状態にあると「47NEWS」が伝えていて、自然災害に遭遇するとなると、飲料水供給源としての地下水が必ずしも完璧とまでいかないようだ。

 問題はやはり飲むことのできる水道水として水道を復旧させるまでの水の提供ということになるが、地震の揺れで地下水が濁ることになれば、地下水を水道源としている地域は他地域からのペットボトルの輸送・提供か自衛隊の給水車で供給する以外に方法はないことになる。

 尤も水道水が汚濁しても、飲用を禁止して水洗トイレ用の水としての供給は可能となる。

 このことは井戸についても同じことを言うことができるはずだ。

 以前、地震で地下水が汚濁することを知らずに《第71弾 井戸の活用による地震後の避難生活の改善》と題して2004年11月2日に井戸活用のHPをネットに載せていたが、許可容量の関係で現在は削除状態にある。

 少し紹介したいと思う。

 〈被害甚大な大地震が起きるたびに決まって繰返される風景がある。避難所となった体育館等の、雑踏と言ってもいいすし詰め状態となった避難住民の寝起き風景。炊き出し、給水車から飲料水等の支給を受ける風景。そして、それらの背景にカメラで把えはしないが、絶対数が足りない上にそこまで手が回らないために汲み取りが間に合わず、そのために排泄物がいつも満杯状態となった臭気漂う不潔な仮設トイレ。トイレになるべく行かないで済むように水分摂取を控えて、体調を悪くする者もいると言う。臭気に気持が悪くなって、便は出ずに、逆に折角胃の中に入れて空腹を満たした食べ物を吐き出してしまう者もいるに違いない。

 いくら地震の被害に遭い、インフラが壊滅的打撃を受けたからといって、これが世界第2位の経済大国にふさわしい風景だろうか。次の地震のとき、1つ2つは解消させて、経済大国日本に似つかわしい、避難の雰囲気を少しでも和らげた風景とすることができないだろうか。

  ――中略―― 

 次に改善が可能なのは、生活用水である。地震が起きるたびに電気・ガス・水道の各施設が破壊され、不自由を余儀なくされるが、水に限っては給水車が水の供給に被災地を巡回して、当座の不便を多少なりとも解消してくれる。しかし蛇口をひねれば水が出た便利さから比べたら、難儀なことだろう。次の給水車が来るまで、節約しいしい使わなけらばならない。老人ホームでは水不足で、入居老人の排泄後などに身体を拭くとき満足に水が使えなくて、かぶれ等が生じているとテレビで報道していた。緊急事態なのだから我慢しろと言うことなら、それまでだが、大地震の場合、水道が使えなくなるのはほぼ決定事項なのだから、井戸に変えたらどうだろうか。

 避難場所となる体育館やその他の施設に井戸を掘っておく。井戸掘り専門の業者に工事を依頼すると高くつくが、個人の技術で掘れないことはない。以前土木作業員をしていた頃、工事現場が水道が敷設されていない場所だったために、水道工事会社の人間が来て、足場に使う鋼管パイプで高さ3メートル程、面積が50センチ角程の長方形の簡単な4本のやぐらを組んで、中心に長さ2メートルか2.5メートルで直径4~5センチかそこらと記憶しているが、地面に突き立てる方の先端に円錐形の鉄矢尻を取付けた鉄パイプを立て、反対の小口に100ボルトの電気で作動可能なコンクリートを破砕するハンマードリルを、その先端に取付けた鑿の部分だけを差込んで、倒れずに下降していく仕掛けにして固定してから電源を入れた状態にしておくと、ハンマードリルが鉄パイプに振動を与えて、少しずつ打ち付ける形となって、徐々に地面を穿っていき、場所がよかったかどうか分からなかったが、時間はそんなにかからなかったように記憶している、水を出すことに成功した。

 ほんの少々指導を受けたら、見よう見まねでできない作業ではない。但し、岩盤に当たったなら、掘削場所を変えなければならないのは当然なことであるが。あるいは地震の地殻変動で水が出なくなる井戸が出てくる場合に備えて、予備の井戸を何本か掘っておく必要がある。揚水パイプをフレキシブルの資材にしておく工夫も必要になるかもしれない。〉――

 要するに井戸掘削は専門業者に頼まなくても、土木作業者にもできる。

 この井戸を非常時に水洗トイレ用に如何に活用するか。

 避難所に指定されていてもいなくても、避難所として利用できる学校や体育館等の全ての公共施設を対象に、そういった場所は一般的には階毎にトイレがあり、一つのトイレで便器がいくつも備え付けられているから、井戸水に切り替えて利用できるように井戸を掘っておくことを法律で義務付ける。

 井戸は一般的には電動ポンプで地下水を汲み上げる。地震で停電した場合、数万円の小型の発電機に切り替えれば、問題はない。発電機が小型でも、燃料を継ぎ足していけば、長時間作動させることができる。

 井戸用の電動ポンプのように蛇口をひねるとスイッチが入るようにしておけば、燃料自体はさして消費しないことになる。この井戸水用の配管を前以てトイレの外壁まで埋設して外壁の所で壁に這わせて立ち上げ、普段トイレの水として使っている水道管とレバー一つで切り替えることができるように接続させておけば、少しぐらい濁ってもわざわざ屋外に設置した仮設トイレに出なくてもいいし、夜昼の持間にも、雨や寒さといった天候にも関係なく利用できるようになる。

 勿論、普段からトイレの水を井戸水で賄うこともできる。

 屋外にずらりと並べた仮設トイレの不便さ、環境の悪さは、〈汚い・暗い・狭い〉という表現で「asahi.com」(2016年4月22日05時01分)記事が伝えている。  

 介護職女性職員(36)「ぜいたくは言っていられないけれど、臭いもきつく、衛生面も心配です」

 約50の仮設トイレのうち、座って使える洋式トイレは二つ程。

 74歳男性「足が悪いけん。もっと洋式があると助かるが……」

 記事は〈混み合うのを避けて深夜に利用したり、わざわざ自宅に戻ったりする人もいる。〉と伝えている。

 こういったことが安倍晋三の言う「被災者の気持ちに寄り添って政府を挙げて、全力を挙げて取り組んでいる」姿勢の向こうに否応もなしに存在している被災者の不便な光景ということであろう。

 もし地震で地下水が濁らず、勿論保健所の検査が必要となるが、飲料水として利用できるなら、水不足の問題は一定程度解消できる。濁っていたとしても、地下層の揺れによって砂や泥が混じるだけで、何かの細菌が混じる様子が見えなければ、一旦容器に溜めておいて砂や泥が沈泥するのを待ってから上澄みを飲用に利用することができる。
 
 布で漉すのもいいし、心配なら一旦煮沸してから飲用に供すればいい。

 地震災害国である。いつどこで大きな地震やその他の自然災害に見舞われるか分からない。災害が起きるたびに定番化している水不足や食料不足、医薬品不足やトイレの問題、避難所のプライバシーの問題を定番通りに繰返すのではなく、少しでも解消していく手立てが今や必要とされていて、安倍晋三のように考えもなく繰返すのではなく、この手立ての実現こそが政府の国民に負っている責任ではないだろうか。

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