北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ヘリコプター護衛艦くらま、関門海峡事故に関する海上自衛隊公式発表

2009-10-29 22:51:47 | 防衛・安全保障

◆追突された護衛艦くらま

 海上自衛隊HPにて、今回の事案に関する報告が、八回にわたりPDF文書にて掲載されていたので、こちらを掲載。

Img_7379  航空自衛隊F-X選定に際してF/A-18E/Fであれば2014年までに納入できるとボーイングが発表した旨、日刊工業新聞に掲載があり、加えてハワイ沖にて、イージス艦みょうこう、がSM-3による弾道ミサイル迎撃試験に成功したとのこと。しかし、大きなテーマとしては、やはり、護衛艦くらま、に関することだろう。

Img_7312  くらま、ですが。被害状況、特に浸水の有無や消火に伴う海水などによる副次的な被害が発表されていないという状況。しかし、貨物船側に浸水が無いということは、少なくとも双方が水線下で接触することに状況に至らなかったことを意味する。積荷排水量7400㌧、くらま、は基準排水量5200㌧、満載排水量7200㌧。排水量の計算は違うものの、参考までに掲載。

Img_7246  第一報:2040時発表27日1956時頃、関門海峡早鞆の瀬戸で事故発生と一報。第二報:2117時発表、相手船がCARINA STAR7400㌧と判明。くらま、は単艦と発表、現場海域は関門海峡付近、風は東4ノット、視程3~4km、波ほとんどなし。第三報:2140時発表、2115時時点で、くらま、消火活動中、自艦消火不可能、海上保安庁の支援を受け消化活動を実施。

Img_6110  第四報:2240時発表、相手船に負傷者なし、右船首に大破口、火災鎮火、浸水無し、門司海上保安部前に投錨。第五報:2254時に発表、くらま、の被害は、アンカー使用不能、弾火薬への引火の恐れなし、と発表。第六報:0010時発表。炎は消えたものの放水をやめると、煙が出てくる状況。海上保安庁、北九州消防局消防艇、日本サルベージ消火支援船舶とともに消火作業を実施。くらま、は海上保安庁指定の門司港沖へ2330時に到達。

Img_6529  第七報:くらま、0135時火災鎮火。しかし0158時火災再燃、消火活動を実施。なお、この時点で2130時に海上幕僚監部へ設置された事故調査委員会が情報収集中。 第八報:くらま、0516時、門司港西海岸埠頭2号岸壁に接岸。くらま火災は、0630時に鎮火。現在発表されているのはここまで。

Img_5711  実質十時間以上火災が起きていた訳で、その間の熱による船体への影響は、艦首という火災発生場所が不幸中の幸いというべきか、極限させることが出来たのだが、艦首下のソナー部分に、消火のために投入した海水が到達している可能性があり、これがどのような影響を及ぼしているかが重要となろう。くらま、は対潜中枢艦である、ソナーは命だ。

Img_6745_1  報道写真を見る限り、鎮火後の、くらま、はやや前傾しているように映っていた、消火による海水の影響だろう。もちろん、戦闘艦であり、しらね、のように戦闘中枢に損傷を受けた訳ではないのだが、貴重なヘリコプター搭載護衛艦であることも踏まえ、極力早い時期に修理が完了することを期待したい。

HARUNA

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コメント (10)
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