◆3000系はローレル賞受賞
今月、といっても本日で最終日だが、京阪電鉄の中之島新線から一周年にあたるのが2009年10月である。
京阪本線は、京都出町柳、京阪三条から大阪の淀屋橋を毎時6本の特急が結ぶダイヤが基本であったが、2008年10月16日に天満橋から中之島に乗り入れる新線が開業。明治時代に市電と競合する関係から中心部である中之島に乗り入れることが許可されず、市電の廃止とともに中心部が梅田に移っていき、地下鉄との連絡にも不便であった中之島再開発の旗印として期待された路線だ。
京阪電鉄は、新しく快速急行の種別を設定し、セミクロスシート方式の新型車両3000系を導入。ラッシュ時の運行も想定した1×2のクロスシートを備えた3扉車として中之島と出町柳を結ぶ快速急行運用に充当され、新しい時代の京阪電鉄を目指す世代交代のデザインが評価され、鉄道友の会よりローレル賞を贈られた新型車両である。
しかし、鉄道路線としての中之島新線を俯瞰した場合、もちろん再開発事業が途上という事なので結論を急ぐことは妥当ではないのだが、当初見込まれた輸送需要よりは、やや低い利用者規模であったとのこと、京阪本線としては1989年の出町柳延伸以来の新線開業ではあったものの、芳しい成果には至っていない。
もっとも、大阪府が再開発に意気込みを見せる大阪港地区にも路線を延長するのでは、と、終点中之島駅に大阪港に向けて置かれたシールドマシンのブレード部分から想像する声もあるのだが、同時に京阪塗装の一新と、将来的には8000系特急車リニューアルに際してのテレビカー撤去計画など、京阪電鉄の今後には、期待とともに別のものも高まる、というところだろうか。
HARUNA
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