◆A-50警戒管制機・Tu-95爆撃機・Su-24戦闘爆撃機
防衛省によれば本日2月8日、ロシア機による三方向からの我が国領空への接近事案があったとのことです。
航空自衛隊が戦闘機などを緊急発進させ対応したため、領空侵犯へは至りませんでしたが、その機種は多岐に及ぶものでした。A-50早期警戒管制機、Tu-95爆撃機、そしてSu-24戦闘爆撃機、文字通り戦爆連合による領空への接近であり、三方向から実施、かなり異例の事案と言えるやもしれません。
三方向、A-50早期警戒機は沿海州から一路隠岐島方面へ南下し日本海を周回飛行。Tu-95爆撃機は二機編隊がA-50に近接し竹島鬱陵島間を対馬方面へ飛行、続いて変針し隠岐島沖から順次日本海を能登半島秋田沖から北海道沖に展開、宗谷海峡上空を経てから北方領土上空を飛行し太平洋上へ進出、そのまま東北沖を東京へ向かう東京急行として飛行し伊豆大島東方海域で変針し宗谷海峡から日本海側へ戻る航路をとりました。
Su-24戦闘爆撃機は二機が東北方面へ各一方向から接近、最初の機体は沿海州方面から一路能登半島へ接近し能登半島沖にて針路を北へ転換して奥尻島沖から沿海州へ戻る針路をとり、続いての接近では沿海州から北海道奥尻島方面へ飛行し積丹半島沖から稚内沖へ日本海を北上して沿海州へ戻る航路をとり、基地へ戻ったよう。
Su-24は戦闘爆撃機ですが戦闘行動半径に東日本がほぼ入る航空機で、Tu-95は長距離爆撃機、A-50早期警戒管制機はこの方面で運用される事例が稀有な機体。防衛省は戦闘機などを発進させ、という発表ですから、E-767早期警戒管制機やE-2C早期警戒機の発進も行われたのでしょうか。文字通り三方向からの接近であり、防空識別圏へ管区を受け持つ小松基地、三沢基地、千歳基地、百里基地より戦闘機が緊急発進し対処したこととおもわれます。
中国の脅威が強調される今日ではありますが、南西諸島西方海域に限られる中国軍機に対してロシア機は日本周回を飛行する広い行動半径で領空への接近があり、広大な日本の領空は今日なお多方面からの領空への戦爆連合による接近という状況下にあることを物語っている顕著な事例といえましょう。
北大路機関:はるな
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